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【風まかせ文芸部】揺らぎ|エッセイ


タイトル:揺らぎを持つということ

揺らぎ、という言葉が好きだ。

不安定、と似ているようで、
少し違う。

揺らぎには、
どこかやわらかさがある。

きっちり固定されていないもの。
変化する余白を持っているもの。

人の気持ちも、きっとそうだ。

昨日は平気だったのに、
今日は少し沈む。

好きだと思っていたものに迷ったり、
苦手だと思っていたものに救われたりする。

それを“ぶれている”と片づけることもできるけれど、
本当はもっと自然なことなのかもしれない。

水面も、風が吹けば揺れる。

光も、完全には止まらない。

揺らぎがあるから、
景色はやわらかく見える。

もし何も揺れなかったら、
世界はきっと硬すぎる。

人も同じだ。

迷いながら考えて、
揺れながら進んでいく。

その途中で、
少しずつ自分の輪郭を知っていく。

揺らぎは、弱さではない。

むしろ、
変わることができる余白なのだと思う。

ときどき、自分の感情に疲れることもある。

どうしてこんなに揺れるのだろう、と。

でも、揺れるということは、
ちゃんと感じているということでもある。

痛みも、喜びも、
無関心ではいられないということ。

揺らぎながら生きる。

それは案外、
人間らしいことなのかもしれない。



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