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【秋分の一人旅2025】JR大糸線で日本の中心・糸魚川に行く&新潟県関温泉で一人温泉宿。第5話・川瀬巴水の近代版画を鑑賞して富士山の偉大さを再認識!【#鉄道旅】【#美術館めぐり】

思いがけず続いてしまった

前回は、上田駅付近を散策した話であった。
本当は前回の記事に今回の記事の内容も付けるつもりだったのだが、散策中に入った素敵なカフェでの体験について書いていたら思いがけず長くなってしまったので、分割。
↓素敵カフェでの体験はこちら。

川瀬巴水とは

川瀬巴水(かわせ・はすい)とは、1883年から1957年までを生きた版画家だ。
版画といえば、江戸時代に大流行した葛飾北斎、歌川広重などを思い浮かべる人が大半だと思うが、その後、日本では洋画がもてはやされるようになり、浮世絵版画は衰退していく。

※洋画がもてはやされるようになったことと浮世絵版画が衰退したことに因果関係があると言って、別に間違ってはないと思うんですよね・・・たぶんですけど

川瀬巴水は、そのような時代で、版元の渡邊庄三郎と共に版画の再興を目指して、風景版画の分野で世界的な成功を収めた。
特に、日本全国を旅しながらスケッチを描き、それを基に版画を作成したシリーズが大流行したという。

そのシリーズは「旅みやげ」という。素敵なネーミングセンス!

かくいう私も、最近になって美術を系統的に学び始めて名前を知っただけで、作品は見たことがなかった。
上田駅周辺の美術館を調べていたら、ちょうど川瀬巴水の展覧会を開催していると知り、ついでに訪れることにしたのである。

「川瀬巴水 旅と郷愁の風景」@上田市立美術館

上田市立美術館は、上田城跡公園とは上田駅を挟んだ反対側に位置する。
Google mapで出てきた経路とは違う経路(そっちの方が近そうだった)を、この経路でもちゃんと踏切が存在するかどうか不安になりながらも歩くこと20分、美術館が入っている「サントミューゼ」なる施設にたどり着いた(踏切はあった。)。

Google mapに逆らって歩くの、緊張するよね

この道を左に・・・え、これは道?

展覧会の入口は2階。大きいリュックをロッカーに入れて意気揚々とエスカレーターを上ろうとしたら、近くのカウンターに控えていたお姉さんが慌てて駆け寄ってきて、先にチケットを買うように言われた(ミュージアムショップみたいな場所でチケットを売っていた)。

あ、はい・・・すみません・・・

チケットを購入し、改めて展示室へ。お客さんの入りはまずまずといったところだろうか。
思ったよりは混雑していたが、鑑賞しづらいということもない。

さて、川瀬巴水は、日本全国を旅して回ってその土地の風景を版画にしたシリーズ、「旅みやげ」が大人気だったわけで、この展覧会でも、そのシリーズの作品がたくさん展示されている。
版画の隣に実際のその場所の写真が展示されているものもあった。

こんな景色を見ていたんだな・・・

他の感想としては、やはり、富士山は偉大だということだろうか。

川瀬巴水の「旅みやげ」シリーズを見ていて改めて分かるのは、優れた構図がその名所を名所たらしめているのだ、ということである。
山とか、畑とか、湖畔とか、普通の通りとか、そういうどこにでもありそうで、見過ごしてしまう景色を、あえて切り取って、しかもものすごく美しい構図で見せるからこそ、人はそこを「名所」だと思うし、「じゃあそこに行ってみよう」と思うわけである。

「旅みやげ」シリーズにも、正直、「それ、ここじゃなくてもありそうだよね?」っていう景色もある。

失礼かなあ? でも、そう思ったんだよ。 

例外は富士山くらいなものである。
富士山さえ写っていれば、構図が整っていなくても、なぜか美しく見えるし、そこに行ってみたいと思わせる。富士山は偉大だ

富士山だけが例外かと言われると、そうじゃないんだろうけど。

しかし私は天候に左右されすぎる旅程があまり好きではないので、富士山関係の絶景を目当てにした旅をしたことがないし、これからもする予定はない。
私が旅先で目にするのは、ローカル線の車窓からの景色や、ふと降り立った駅の近くにある人の営みであろう。

願わくば私も、川瀬巴水のような、風景を美しく切り取る目でもって旅をしたいものだ。

なんでもない日常を、特別なものにしたいよね。

終わりに

川瀬巴水の展覧会で、私がいつも旅先で撮る写真(・・・の構図が微妙であること)に思いを馳せた後は、上田駅に歩いて戻り、帰路についた。
私は旅先で美術館に入ることが多いのだが、ご当地の作家さんの展覧会をやっていたり、東京で人が多すぎて大変だった企画展が来ていてゆったり見れたりすることもある。いつもは行かない美術館に行ってみるのも、新しい発見や楽しみがあってオツなものだ。

この記事が、JR大糸線を乗り通そうとしている人や、関温泉朝日屋旅館に宿泊しようとしている人や、上田美術館の川瀬巴水展に行こうとしている人に届けば幸いである。

↓旅先でふと訪れた山形美術館がとても良かった話などもどうぞ。