ろろろのめ第29回 おひとり様フジロックのススメ


おひとり様フジロックのススメ
フジロックを「ブルジョワのヒッピー遊び」と批判する声がある。しかし、この数日間の「ヒッピー遊び」に十数万円を費やせる人々が日本に数万人いることは、豊かな社会の一つの証左でもある。大規模なライブ3本分の費用を費やせば、フジロックという特別な体験に一年間の音楽消費を集中させることが可能になる。これは単なる贅沢ではなく、最高の音楽体験を得るための賢い投資である。
フジロックの参加者を「ブルジョワ」の「ヒッピー遊び」と形容する批判的なポストをみかけた。言わんとしていることはわかる。と同時に、数日間の「ヒッピー遊び」のために十万円費やす「ブルジョワ(といわれるだけの可処分所得のある人)」が数万人日本にいることは、かなりいい事実だと思う。
— Shun Fushimi 伏見 瞬 (@shunnnn002) August 1, 2025
フジロックを楽しむには、いい友人といい宿に出会う以上のものがない。これはフジの悪い点でもあって、大勢がワイワイしてる中で一人ライブを見る時の寂しさが大きすぎる。テントも椅子も持たず一人でフジに行った高校生の時に痛感した。サマソニだとそもそも観客がドライだから寂しさがない。
— Shun Fushimi 伏見 瞬 (@shunnnn002) July 28, 2025
かつてフジロックと言えば、テント泊が定番であり、フェスを語る上での大きな醍醐味の一つでもあった。また、会場周辺の宿は、開催発表を待たずして熟練のフジロッカーたちによって占拠されるのが常だ。
このような状況の中、「如何にしておひとり様でフジロックを快適に楽しむか」という課題が生まれる。この問いに対する答えを、ブルジョワな視点から探求し、最高の体験を手に入れるための戦略をここにまとめる。
費用と戦略
フジロックを快適に過ごすための費用と戦略は以下の通り。
宿泊
: ホテルに費用を惜しむな。エンゼルグランディア越後中里のような、越後湯沢駅との往復シャトルバスが出ているホテルは快適性を保証する。二人用の部屋を一人で使う場合、4泊5日で20万円を超える費用を覚悟すれば、誰にも邪魔されない最高の空間が手に入る。


交通費
: 上越新幹線往復、シャトルバス、荷物配送費などで約2万円。
食費
: フェス飯は行列で諦める可能性があるため、越後湯沢駅周辺やホテルの朝食バイキングを活用する。朝食バイキングは、しっかり食べてエネルギーを蓄えるための重要な時間だ。特にエンゼルグランディアのフレンチトーストは必食である。
装備
: ワークマンのレインコートは2サイズ上、リュックを背負うならポンチョが基本。旅用圧縮袋やヘッドライト、吸水タオルなど、快適なフェスライフを送るための備品に約4万円を投資する。
チケット
・その他: フジロックチケット代は、現在価格で59,000円。グッズやお土産代を含めると、8万円ほどの予算が必要となる。
これらを合計すると、一人フジロックの総額は約35万円〜37万円となる。この費用は、Lady GagaやBillie Eilishといったメガスターのライブチケット数本分に相当する金額であり、決して安くはない。しかし、一年間の音楽体験をフジロックに集中させることで、この費用は十分に正当化される。
一人だからこそ可能な最高の過ごし方
一人で参加することの最大の利点は、誰にも気を使わない自由な時間の使い方にある。(ちなみに日本からコーチェラへの参加費用は35万円。日本からのパッケージツアーが、航空費抜きで50万円ほど)
会場入り
: 早めに越後湯沢に入り、荷物をホテルに預け、チェックインまで周辺を散策する。
部屋の活用
: 広めの部屋を借り、自分好みにアレンジする。テレビのタイマー機能を目覚まし代わりに使い、ホテル内を散策する時間も設ける。
入浴と食事
: 朝と帰宅後の1日2回以上の入浴で疲れを癒す。食事は朝食バイキングでしっかりと済ませ、前夜祭でフェス飯を堪能しておく。
会場での行動
: 会場内はカード型Suicaにチャージしてスムーズに過ごす。ライブは好きなアクトを好きな場所で、気の向くままに楽しむ。前夜祭でアクトを2組ほど観た後、早めにホテルに戻り翌日に備えるという、自分だけのペースで行動する。
準備と持ち物リスト
椅子:
あちこち動き回ることを想定し、背もたれのない小型で、片手で持てるものを選ぶ。
靴:
トレッキングシューズは、普段よりワンサイズ上のものを。
普段履きできる防水靴でも問題ない。
日本野鳥の会長靴を万が一の御守りとして持っておくと安心感が増す。(ワンサイズ上がオススメ)
衣類:
下着は捨てても良い下着をチョイスし、できるだけビリビリに破いて、帰りに捨てて帰る。
レインコートの上は、体に斜めがけで結んでおくと邪魔にならない。
持ち物:
休足時間とメディキュット靴下は、ホテルで寝る際に疲れをとるのに有効。
クエン酸とアミノ酸、そしてゼリー飲料は必須。
のど飴は持っていけるだけ持っていく。
携帯用消臭スプレー(トイレ用)は必須。
日焼け止めと虫除けスプレーは、効果が薄れるため頻繁に塗り直す。マダニには特に注意。肌を露出する場合は常に虫除けスプレーをふる。(猫を飼っている方はハッカ液NG)
ジッパー式のジップロックを財布代わりに活用する。
足りないものは越後湯沢駅近くのマツモトキヨシで調達する。
その他:
アーティストグッズは、並んでまで買う必要はない。空いている時間にあれば購入しても良いが、荷物になることを忘れてはいけない。
子連れのフジロッカーには積極的に話しかけ、飴や塩タブレットを渡してコミュニケーションをとってみる。
まとめ
おひとり様フジロックは、孤独に耐えながら音楽を聴く体験ではない。ブルジョワな予算を投じて誰にも邪魔されず、自分の感性に従い音楽と向き合うための、最も贅沢な選択肢である。ホテルを12時チェックアウトのコースにすれば、帰りの混雑も避けられ、最後に越後湯沢のへぎそばで旅を締めくくることができる。6月を貯蓄期間とする計画的な準備と、これらの心構えがあれば、フジロックは一人でも存分に楽しめる。
