「もしかしていじめ?」と思った時、家庭で最初にできること。【教育シリーズ⑦】
前回記事をまだ見ていない方は、
先にこちらからお読みいただくことを
お勧めします↓
はじめに
前回記事の中でも書きましたが、
集団のなかで、
ある人の尊厳と安全が、
力関係や集団の圧力に
よって見えないうちに
削られていくこと。
私は、それが
いじめの本質
だと思っています。
そして、
第三者委員会で関わった
様々ないじめ案件を通して、
いじめ問題は初動が命
だと感じるようになりました。
シリーズ第2回の今回は、
私が考える
家庭での初動のポイント
をまとめていきたいと思います。
令和6年度のいじめ実態資料
その前に少しだけ資料を
みてみましょう。
令和7年 10 月 に公開された
文科省の資料より、
令和6年度(2024年)中に
起きたいじめ件数は
認知されたものだけで
76万9千件あり、そのうちの
約8割は小学校となっています。
いじめがあった証拠が無いなど、
学校で認知されなかった
のも併せたら、
極めて多くの件数があげられる
と推測されます。

下のグラフは、
いじめの認知(発生)件数の推移です。
これを見ると、
高校や中学校は大体横ばいですが、
小学校でのいじめ件数が
右肩上がりになっているのが
わかります。

いじめ発見のきっかけは、
①アンケート調査など
学校の取り組みにより発見‥48.0%
②子ども本人からの訴え‥19.6%、
③子ども本人の保護者からの
訴え‥19.6%、
④学級担任が発見‥9.3%
となっており、
①+④が学校の動きで発見できた
いじめ件数になりますが、
合計では約57%。
つまり、残りの4割超は
お子さん自身や家庭の訴え
が大切になってくるのです。
※ここまでのデータは
以下の資料に基づいています。
令和6年度 児童生徒の問題行動・
不登校等生徒指導上の諸課題に
関する調査結果
(令和8年1月16日一部修正)
https://www.mext.go.jp/content/20260116-mxt_jidou02-100002753_1_3.pdf
家庭で行なって欲しい、いじめ対応の初動
まず、
以下のサインに気づくことを
心がけます。
< 朝(登校前)のサイン>
学校へ行くことへの不安や抵抗が、
体調や行動に現れやすくなります。
なかなか起きてこない
:布団からなかなか出てこない。
体調不良の訴え
:朝になると「お腹が痛い」
「頭が痛い」など体の具合が
悪いと言い、学校を休みたがる。
遅刻や早退の増加
:以前に比べて登校が遅れたり、
早退してきたりすることが増える。
食欲の変化
:食欲がなくなったり、
だまって食べるようになったりする。
<夕方〜夜(下校後・就寝前)のサイン>
学校での出来事による
緊張やダメージが、
家庭での態度や持ち物に現れます。
通信機器への反応
:携帯電話やメール・SNSの
着信音におびえる、
パソコンやスマホをいつも気にしている。
学業・生活への意欲低下
:勉強をしなくなる、
集中力がなくなる。
金銭面の変化
:家からお金を持ち出したり、
必要以上にお金を欲しがったりする。
対人関係の変化
:親しい友達が遊びに来なくなったり
遊びに行かなくなったりする。
家庭での様子
:表情が暗い、
家族との会話が少なくなった、
ささいなことでイライラする。
閉じこもり
:自分の部屋に閉じこもる時間が増える。
夜間の異変
:寝つきが悪かったり、
夜眠れなかったりする日が続く。
<身体や持ち物の変化>
直接的な暴力や嫌がらせを
受けているサインです。
不自然なケガ
:理由をはっきり言わない
アザやキズあとがある。
持ち物の紛失・破損
:学校で使う物や持ち物が
なくなったり、壊されたりしている。
衣類等の汚れ
:服がよごれていたり、
破れていたりする。
嫌がらせの跡
:教科書やノートに
いやがらせの
ラクガキをされたり、
破られたりしている。
これらの「小さなサイン」に
気づき、丁寧に向き合うことが、
いじめの深刻化(重大事態)を
防ぐための重要なステップと
なります。
(保存版:いじめのサイン発見シート)https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/20/1405856_001.pdf
ただ、
この辺りは、親に心配を
かけさせないようにと
ひた隠しに過ごす
お子さんもいます。
言葉にならない
お子さんの異変を
キャッチするところ
から始まります。
異変をキャッチしたら
お子さんの異変がたとえ
些細なものであっても、
キャッチしたら学校への
相談を考えていきましょう。
とくに、
いじめの事実があると
思われたときは、
なるべく早く学校と
情報共有をしていきます。
この時点で学校側は、
相手方への聞き取りや
アンケート調査、
スクールカウンセラーの
介入など、何らかの動きを
取ることが多いです。
それでも、学校側が
いじめの証拠を
掴みきれない場合、
話が膠着する可能性が
あります。
しかし、
このままお子さんが
いじめ被害を受けたと
訴え続けて、学校を
長期欠席した場合、
いじめ重大事態となる
可能性が生じます。
それを未然に防いで
いくために、
先手を取って動いていく
ことが求められるのです。
お子さんに重大な被害が
疑われる場合は、
申立書を活用して
正確に状況を伝えていく
ことも有効です。
お住いの県や市町村のHPに
以下のような申立書がある
場合がありますので、
一度調べておくのも良いと
思います。
(参考例)
○青梅市HPの申立書
https://www.city.ome.tokyo.jp/uploaded/attachment/46732.pdf
○宮城県の申立書
mousitate.docx
初動の注意点① 保護者だけで抱え込まない
ここからは2つ注意点です。
まず、
保護者だけで抱え込まないこと。
いじめ防止対策推進法の
定義では、
「いじめ」は被害を受けた
お子さんの気持ちが
基準となっています。
しかし、実際には
「客観的事実の有無」
が極めて重要になります。
いじめだと思われる
証拠を見つけたら
画像などで保存して
おきましょう。
お子さんの発言を
録音するなどして
証拠保全に務める
のも有効です。
その際、
何月何日にどのような
事があったかも時系列で
記録しておくと、
後々重要な資料になります。
また、
関係機関にも適宜相談して
意見をもらいながら
進めることも大切です。
なぜなら、
学校や制度が動く時には
整理された情報が役立つから
です。
通っている学童や習い事の
先生もお子さんの不調を
感じていたり、
いじめに関する重要な発言を
お子さんから聞いている
可能性もあります。
こんな感じで、
日頃から関わってくださっている
先生方とも協力して情報収集に
務めましょう。
お子さんが心身の不調を訴えている
場合は、一度かかりつけの小児科
や内科・心療内科などに相談します。
いじめの客観的証拠があり、
診断書もいただけるようでしたら、
私が作成した
以下の申立書を活用できます。
重大事態でなくても使えるように
内容を工夫してありますので、
必要に応じて自由にDLしてください。
そして、
これまでに集めた証拠と診断書を添えて
学校に伝えていきましょう。
(この際、自分の手元にも画像で
データを残しておくことを忘れずに)
初動の注意点② なるべく感情的に行動しないこと
2つ目に注意すべき点は
なるべく感情的に行動しないこと
です。
もちろん、大切な我が子が
心身に不調をきたすまでに
至った経過を踏まえれば、
感情が大きく動くのは当然です。
ただ、
その感情のまま動いてしまうと、
結果としてお子さんのための
連携が難しくなることがあります。
そして経験上、
学校と家庭とのやり取りが
対立的になると、
お子さんの状況把握や
支援のための連携に時間と
エネルギーが割かれにくく
なることが増えてくるのです。
その結果、
家庭ー学校で密な連携が
取りにくくなるため、
双方にとって悪影響になります。
お子さんのためにも、できる限り
支援のパートナーとして
学校と情報共有していく
視点が大切です。
もしどうしても
特定の先生とのやり取りが
感情的になってしまう場合、
別な先生を窓口にしてもらうよう
学校に伝えていくこともできます。
「え、ここまで考えるの?」
「何も申立書や診断書までしなくても」
という声が聞こえてきそうですが、
周りの大人が少しでも早く
正しく動くことこそが、
初動において何よりも
大切であると痛感しています。
一件でも
いじめ重大事態が減って
いくことを願いつつ。
私はまた新たに始まった
第三者委員会に臨んでいます。
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<いじめ相談窓口>
24時間子供SOSダイヤル
:全国どこからでも、
24時間無料で悩みを
相談できます
(電話番号:0120-0-78310)。
その他の機関
:必要に応じて、
法務局(人権擁護機関)や警察、
弁護士、児童相談所、医療機関
などの専門機関も相談が可能です。
