【登山と経営】MBA本より高尾山? ー “見たことがある"と"やったことがある"の埋めがたい違い
誰もが知っている山の話があります。「富士山は高さが3,776mあり日本一の山だ」「エベレストは世界最高峰で、誰もが登れるわけではない」──。これらの情報は、テレビや本、インターネットで簡単に手に入ります。私たちは、まるでその山を登りきったかのように、その険しさや偉大さを語ることができます。
しかし、百名山のガイドブックをすべて読み、地図上のルートを完璧に記憶したとしても、それは百名山を登ったことにはなりません。景色をただ見るだけの経験と、自分の足で一歩ずつ登った経験には、埋めがたいほどの違いがあります。
これは、スタートアップで働く私たちや起業家や自ら立ち上げた事業責任者の仕事も同じではないでしょうか?
「登山と経営」シリーズ第二弾は、知っていることと、見ることと、経験することの大きな違いについて書きます。
1. 知識は「山を見たこと」にすぎない
現代人は情報の洪水の中で生きています。ビジネス書やMBA関連の書籍は、数えきれないほど出版されています。「稲盛和夫氏の偉業」や「孫正義氏の群戦略」は、多くの人が知っている成功物語です。
これらの本や物語を読むことは、いわば「高い山を見たこと」にすぎません。
私たちは、著名な経営者の成功法則や、壮絶な苦労話を知ること、そして語ることで、あたかも自分もその一部であるかのような錯覚に陥ることがあります。素晴らしい経営論を語り、市場の動向を分析し、複雑なビジネスモデルを解説できる。それは、立派な「知識」であり、決して無駄なことではありません。しかし、それは、例えるならば「登山の知識」であって、「登山の経験」ではないのです。
百聞は一見にしかず、と言いますが、さらには、百見は一登にしかず、です。

2. 経験こそが「山に登ったこと」
では、「山に登ったこと」とは何でしょうか?
それは、高尾山のような身近な山であっても、自分の足で一歩ずつ登り、汗をかき、息を切らし、頂上からの景色を肌で感じる体験です。
途中で雨に降られ、道に迷い、足の痛みに耐えながら、それでも前に進む。その中で、「今日はここまでだ」と引き返す勇気や、「もう少し頑張ろう」と自分を鼓舞する力が養われる。これらの感情や決断は、本を読んだだけでは決して得られません。
この体験こそが、私たちの仕事における「小さな実践」にほかなりません。
知識:オンラインマーケティングの書籍を読み、理論を学ぶ
経験:実際にSNSアカウントを立ち上げ、フォロワーを増やすために試行錯誤する
知識:採用に関するセオリーや心理学を学ぶ
経験:何度も面接を繰り返し、失敗を重ねながら自社にフィットする人材を見つけ出す
これらの一つひとつの「小さな登山」の積み重ねが、やがて大きな山を登るための「筋力」となり、「判断力」となります。
3. 知識と経験の雲泥の違い
「雲泥の差」という言葉は、まさにここにあります。
頭の中にある情報と、身体で覚えた感覚は、全くの別物です。私たちは、知識だけでは決して経営者にはなれません。しかし、日々の業務で小さな山を登り続けることで、いつか大きな事業という山に挑む力が身につきます。
稲盛和夫の偉業を知ることと、自らの手で売上を立てた経験
孫正義の投資術を聞くことと、自ら出資をし伴走をした経験
どちらが、あなたの血肉となり、次の一歩を踏み出す力になるでしょうか?
4. まずは、目の前の「山」に登ってみよう
壮大な偉業も、まずは小さな一歩から始まります。
自分の足で小さな山に登るように、まずは目の前の小さな仕事に情熱を注いでみませんか。自らの手で成し遂げた達成感は、ビジネス書数百冊分にも勝る価値があります。
その一つひとつの経験が、いつか必ず、あなただけの大きな山を登る力になると信じています。
GenZeeはビジネスにおける険しい山登り(稲盛さんや孫さんの1万分の1くらいの高さですが)はそろそろ終えて、リアルの山登りに挑戦します。
…ということで、明日は百名山の一つ、金峰山に登ってきます。
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