読書感想文|フォース・ウィング─第四騎竜団の戦姫─|ロマンタジーを考える
レベッカ・ヤロスの翻訳小説『フォース・ウィング』を先日読み終えました!
強かった……強烈だった……
今朝方、『フォースウィング』を読み終えた。1で終わりにしようと思ったけど、すごい気になるところで終わってしまって、「2も買わなきゃ……」ってなった……すげえ。
— 稿累華@TALES (@ko_ruiqua) June 10, 2026
どんどん事件が起きて、ばんばん巻き込まれて、なんていうか、「どうなっちゃうんだこれ?!」という感じがすごかったです。
ロマンタジーというジャンルを知るために読みはじめたんですが、「2巻買わなきゃ……」ってなってます。
すごいや……
ちなみにフォースウィングを一言で言うと↓
フォース・ウィング、調査兵団がホグワーツで訓練してたら命懸けで、空を飛ぶのは、立体機動装置でも箒でもなく、竜だったみたいな、つよつよファンタジー世界観のど真ん中に、ロマンス突っ込まれていて、もうなんだか……すごい。
— 稿累華@TALES (@ko_ruiqua) May 27, 2026
ハリー・ポッター
+
進撃の巨人
+
ロマンス
=フォース・ウィング
世界観が強い……そして、その世界観に負けないイベントの多さとハラハラ感。
主人公ヴァイオレットの周りで、どんどん仲間が死んでいくんですよ……まじで突然、呆気なく。主人公ヴァイオレットも、いつでも死にそう。
灼けつくような、恋と死を──。
早川書房さんはこんなキャッチコピーをつけてますが、まさにコレ。
ハリー・ポッターだとホグワーツに入学して一番はじめにあるのは、組分け帽子による寮決めですが、フォース・ウィングは、谷底にかけられた一本橋を渡る。平均台くらいの細さのつるつる滑る一本橋。通称「橋渡り」
まずこれを渡れないと、「騎手科」に入れない。
騎手というのは、竜に乗って国を守る人たちで、憧れでもありつつも、「騎手科」に入ったら半分以上が死ぬ、という臨死の職業。
落っこちると死ぬ。
すべると一瞬で終わり。なんかついでに暴風雨がやばい。
後ろからは、変なやつが追いかけてきて橋から落とそうとしてくる。
「一緒に騎手科に入ろう!」と言って出会った受験生が目の前で落ちて死んでいく。
もうやばいんですが(;´Д`)
そんなはじまりのフォース・ウィングです。
これに、主人公ヴァイオレットの仇とも言える騎手団長ゼイデンが、ヴァイオレットの相手役。
このふたりの恋愛がすごい。
なにがすごいって、普通に濡れ場がある。それもかなり長い。
「ハリー・ポッターに似てるよ」って小学生に絶対に与えちゃいけないやつ。
読んでいると、ふつうに投げ込まれてきます。
……すげえやってなりました。
2025年の翻訳小説部門で本屋大賞受賞作でもあり、面白いのでオススメです。
ロマンタジーとは?
さて、ここまでは、フォース・ウィングの感想でしたが、これを読んだのは、「ロマンタジー」というジャンルを知るためでした。
なんで知りたかったと言いますと、「世界で売れるロマンスが含まれるファンタジーってどういうもの?」と自分が書くにあたって、調査をしたかったからです。
私はもともと、恋愛ファンタジーというジャンルが好きで、これまでWeb小説を読み漁ってきました。
はるか昔、小説家になろうよりも前にWeb小説界隈には、「ネット小説ランキング」というものがあって、そこでとにかくファンタジーと恋愛のタグが付いたものを片っ端から読んでいたのですよね。
その時から追いかけていた、永野水貴先生が今では『恋した人は、妹のために死んでくれと言った(通称、恋した人は)』で有名になられたのは大変感慨深いです。
とまあ、恋愛ファンタジーを読み漁っているなかで、小説家になろうで異世界恋愛(通称、イセコイ)というジャンルが台頭しはじめたものの……
イセコイは、ファンタジー成分が足りないのだー!
というのが私の叫びでした。
あれだよね。これって異世界で恋愛しているだけであって、ファンタジーではないよね?
魔法がある異世界だから、ファンタジー?
いやいや、ファンタジーってもっと壮大で、ぐわあああって世界観に持っていかれるものだよ!
ここではないどこか!
全部似たような公爵とか伯爵とか、四季があるのかないのかわからない令嬢が婚約破棄されるだけだと、ファンタジーの世界観を感じないのよ……!
物足りないのよ!
もっとこう冒険心がくすぐられる世界を味わいたいの!
そんで、そのなかでのロマンスが堪能したいんだ! 私は!!
わかる人、います???
……とまあ思っていたところ、「ロマンタジー」というジャンルを知りました。
最旬ジャンル「ロマンタジー」とは?
アメリカでいまもっとも注目を集めているジャンルで、ロマンスとファンタジーを組み合わせた造語。ロマンタジーというジャンルが本格的に普及したのは2023年。新型コロナウイルスの流行で自宅待機を余儀なくされた人たちに本を読む習慣が生まれ、TikTok上でおすすめの本を紹介するコミュニティー“BookTok”が流行。そのユーザーの多くは女性で、ロマンタジーが多く取り上げられた。
「恋愛だけでは物足りない」「冒険のみでは心が動かない」
そんなあなたにぴったりなのがこのロマンタジー!
心を焦がす熱いロマンスと壮大なファンタジー世界が融合した物語が最大の魅力です。
これらの記事及び火付け役となった『フォース・ウィング』から読み取ると、つまるところ、ロマンタジーには以下の要素が含まれます。
竜や妖精、吸血鬼、魔界や、神話などがベースとなった壮大な世界観であること
物語の推進力がロマンスであること
官能的・刺激的な恋愛描写(Spice)があること
うーん。
フォース・ウィングは普通に面白かったんですが、読みながら「月がきれいですね」の日本人の感覚を持つ私は、官能描写いるか?となったのです。
あ、TL小説も読むので、これはべつに官能描写がどーのこーのの話じゃなくて、がっつり世界観のファンタジーには、ちょっとなー、という好みの問題です。
フォース・ウィングにそういったSpiceがなくても全然面白かったと思うし、なんというか、それがあることでせっかくのファンタジー世界観がもったいないなーと思ってしまったのですよね。
好みの問題かもしれない。
日本産ロマンタジーを考えるならば?
実のところ、これは、『フォース・ウィング』のヴァイオレットという主人公に対しても思いました。
彼女はヒーローであるゼイデンと最初、敵対しているんですが……
ヒーローに! 中指を立てるんですよ! 中指を!!
この女主人公像は、日本人が好むキャラじゃないなーと思いました。
サブキャラにならいてもいい。でも、たぶん、私が知っている限りだと、日本の女性向け異世界恋愛や類するもので、ヒーローに罵詈雑言を浴びせるヒロインはいても、中指は立てない。
中指立てる主人公なので、官能描写もなかなかあけすけで、ぐいぐいで、なんというか、情緒がないんですよ……! 情緒が!!
もっとこう、揺れ動くような、行間を感じるようなロマンスがいいと思うんです!
そんながっつりしなくていいと思う!!
……好みの問題かもしれない。
ただ、Webtoonなどで流行っているタイトルを読んでいても、おそらく日本人が好みそうな展開ではないので、欧米で流行るロマンタジーの構造そのままでは、日本ではうけないだろうなーと思いました。官能描写、いやな人もいるだろうし。同じく要らない人もいるだろうと思います(Xでロマンタジー検索してみたら、戸惑っている人かなりいた)。
なので、もし、日本産ロマンタジーを書く、ないし流行らせるなら、
壮大なファンタジー世界(海外ロマンタジーを踏襲)
日本人が好みそうな主人公像(がんばる応援したくなるヒロイン)
Spicyな描写なし(におわせくらいならOKかも?)
になるのではないか、と思いました。
(イセコイのロマンス展開をそのままに、世界を壮大にするイメージ)
ただ、商業を意識すると、日本の市場だけでやっていくならともかく、少子化の現在、海外展開を考えると、日本で好まれるロマンタジーが海外でうけるのかは、果たして微妙。
海外に展開する時は、Spicyな描写を入れるとか入れないとか、そういうのが必要だったりするのかな、と思ったりしました(主人公像を変えたら、それはもう別の物語なので、主人公像を変えるイメージはあまり沸かない)。
……とフォース・ウィングの感想と、海外で流行っているロマンタジーを調べつつ、日本産ロマンタジーを書くなら? と考えてみた記事でした。
おしまい。
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