#27 大学教員の憂鬱 僕の休日、休暇はこうして終わる
大学教員は休みがあっていいよね、なんて言われることがある。
よくよく聞いてみると、だいたいこうだ。
「学生が夏、冬、春と休みになった時は、教員も休みでしょ?」
……おい、ちょっと待てぃ。
そんなこと、あるわけなかろう。
学生の休みは、教員の休みではない。
講義が止まるだけで、仕事が止まるわけじゃない。
むしろ、学生がいない時期にしかできない仕事が、山ほどある。
そして、「講義がある時期」と「学生が休みの時期」では、仕事の種類が変わる。
例えば、講義がある日の話をしよう。
朝はメールから始まる。返事を書いた瞬間に、もう一日が始まってしまう。
実験の段取りをして、講義と実習に流されていく。
昼は「休憩」じゃない。
学生の質問とレポート確認で溶けて、ファミマで買ったペプシで糖分を補給して、午後の講義に向かう。
夕方からは研究と事務。
実験を回して、書類を書いて、提出物を確認する。
そして、会議で時間が溶けて、ようやく大学を出る。
家に帰るのは、遅い時間だ。
風呂に入って、やっと食べて、「今日はこれで終わり」と思いたい。
思いたいだけで、現実は非情だ。
スマホが震える。学生からの相談。締切の催促。
対応して、とりあえず片づけて、次の講義の資料を触る。僕は毎年アップデートする。だから、資料作りからは逃れられない。
そこからが、論文と原稿の時間になる。
気づけば深夜で、頭の中だけが回っている。
結局、「仕事が終わる日」じゃなくて、「仕事をいったん畳む日」になる。
もう午前2時だ。
じゃ、休日は。
なぜか、いつもと同じような時間に目が覚める。
寝坊して、コーヒーを淹れて、「今日は何もしないでゴロゴロしたい」と決めたい。
無理です。それは無理なんです……おわかりか?
洗濯して、部屋を片づけて、まず生活を立て直す。
そのあと、講義資料を直す。気づけば半日が溶ける。
残りの時間で書類を書いて、買い物をして、風呂に入って、また資料を触る。
学生からの連絡があれば返す。
休みなのに、仕事の気配だけが途切れない。
たまに、何も迫っていない休日もある。
掃除と洗濯を終えたら、ふらふら出かける。歩く日も、バイクの日も、電車の日もある。
帰ってきたら、また洗濯して、ゴロゴロして、気づけば夜だ。
じゃあ、学生の長期休みの時はどうなってるのか!
ひたすら実験と、次の学期の実習室準備。
そして、タイミングが合えば学会の準備。
授業がないだけで、仕事がなくなるわけじゃない。
だから、教員には休みがない。笑
でも、そんな時期に卒業生と飲み会があったりする。これは楽しい。
ふと「今日だけは人間だな」と思える。
ちなみに、今年は3月になっても新年会が開催されている。
これは、僕が忘年会をサボったせいである。
結局、みんなに見えてるのは、教室が閉まってる時間だけなんだろう。
休みはある。
でも、休みは「ある」のに「使えない」休みが多いのである。
そして今日も、休日が終わる。
机の上には、終わってない仕事が整列している。
僕の休みだけが、どこにもない。
好きな研究に携われる環境にいるのは嬉しい。
でも、それ以外の仕事が多すぎるのは不満かな。
教員になってみないとわからない現実がある。
あのとき文句ばっか言っていた先生に、今なら謝れる。
すいませんでした。
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