見出し画像

裁量労働制の見直し(対象拡大)を議論する厚労省審議会での残念な経営側発言

高市早苗総理が推し進める「裁量労働制の見直し(対象拡大)」を議論する労働政策審議会(第210回)労働条件分科会(2026年7月14日開催)議事録を厚生労働省が公開しました。

公開された議事録によると、労働者側の菅村委員(菅村裕子・日本労働組合総連合会<連合>総合政策推進局総合政策推進局長)は「裁量労働制を導入している大手企業において不適切な運用が見られるという報道がございましたが、個別の事案には立ち入りませんが、いずれの労働時間制度においても実労働時間の管理を徹底させることが不可欠であって、労働時間の適正把握を義務化する必要性が高いことを改めて認識したところでございます」と意見。

連合の菅村委員が指摘した「報道」とは、東京新聞のウェブ記事『政府が称賛「〇〇の裁量労働制」のガッカリな実態 労働時間を過少申告させる会社の圧力、記録ごまかす裏技も』(2026年6月21日配信)のこと。

その記事には「政府は長時間労働の懸念がある『裁量労働制』の拡大に向け、制度導入の成功例として〇〇〇〇〇を挙げている。しかし、同社の現役社員からは、長時間労働につながる労務管理の在り方に疑問の声も。制度運用に抜け穴が生じている実態が浮かんだ」と。

この東京新聞の報道を指摘しながら「(裁量労働制においても)労働時間の適正把握を義務化する必要性が高いことを改めて認識したところでございます」との労働者側委員の発言に対して使用者(経営者)側の田中委員(田中輝器・日本通運株式会社人財戦略部専任部長)が反論。

使用者側の田中委員は「適正でない運用事例が一部に見られるということのみを理由に制度拡充(裁量労働制の対象拡大)に向けた議論そのものを行わないということではなく、必要な濫用防止策を考えつつ、労働者にとってメリットがある制度へ見直していけるよう多角的な議論がこの分科会においても行われればよい」と発言。

東京新聞が報道し、労働者側の委員が「裁量労働制を導入している大手企業において不適切な運用が見られる」と指摘した「〇〇〇〇〇」は間違いなく日本を代表する超大企業。

それを使用者(経営者)側委員が「適正でない運用事例が一部に見られる」と。「一部」と言い切った使用者(経営者)側委員には正直、落胆。

なお、〇〇〇〇〇の人財統括本部人事勤労本部長は労働条件分科会の使用者(経営者)側委員のお一人。裁量労働制の見直し(対象拡大)を議論した分科会にも出席されていたけど、一言の釈明もなし。

<関連記事>

スキ(♡)ボタンをクリックしてくださると励みになりますので、よろしくお願いします!