働き方改革関連法施行後5年の総点検 調査結果を厚生労働省が公表
厚生労働省は働き方改革関連法施行後5年の総点検(調査)結果を本日(2026年3月5日)公表しました。
「働き方改革関連法施行後5年の総点検」調査
厚生労働省は働き方改革関連法(働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律)施行後5年の状況を把握するため、労働者を対象とするアンケート調査、企業・労働者を対象とするヒアリング調査(働き方改革関連法施行後5年の総点検)を実施し、その結果を取りまとめ(2026年)3月5日に公表しました。
働き方改革関連法施行後5年の総点検(調査)は、2025年に石破内閣で閣議決定された「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2025改訂版」などに基づき、働き方の実態とニーズを把握することを目的とした調査になります。
この調査結果を踏まえつつ、日本成長戦略会議・労働市場改革分科会や労働政策審議会・労働条件分科会において、労働基準関係法制について議論することになっています。
労働者ヒアリング調査 調査結果(現状の労働時間について①「現状のままがいい」②「減らしたい」と回答した労働者)
・現状の労働時間に関する希望について、「現状のままがいい」と回答した労働者は70人(計97人)だった。その理由としては、現状に不満がないから(59人)、そのうち、家庭等プライベートとの両立の観点から回答した労働者が23人だった。その他、残業をするま で仕事をしたくない、体力的に今以上に働けない等が挙げられた。
・現状の労働時間に関する希望について、「減らしたい」と回答した労働者は14人(計97人)だった。その理由としては、ワークライフ バランスの観点から(9人)、その他体力維持の観点等が挙げられた。
労働者ヒアリング調査調査結果 (現状の労働時間について③「増やしたい」と回答した労働者)
・現状の労働時間に関する希望について、「増やしたい」と回答した労働者は13人(計97人)だった。その理由としては、収入の観 点から(9人)、業務量の観点から(4人)、若手の教育の観点から等の声があげられた。
・「増やしたい」と回答した労働者のうち、 ①上限規制の枠(月100時間・複数月平均80時間、年720時間等)内で増やしたいと回答した労働者は9人 ②上限規制の枠(月100時間・複数月平均80時間、年720時間等)を超えて増やしたいと回答した労働者は3人 ③月45時間・年6回の回数制限を超えて増やしたいと回答した労働者は1人だった。
・「増やしたい」と回答した労働者の月の時間外労働時間数(平均)の状況は以下のとおり。
0時間超10時間以下3人、10時間超20時間以下4人、20時間超30時間以下1人、30時間超40時間以下3人、 60時間超80時間以下1人、夏30時間超40時間以下・冬60時間超80時間以下1人

労働時間「増やしたい」1割(時事通信)
時事通信は「厚生労働省が(3月)5日公表した『働き方改革』に関する調査結果によると、労働者を対象としたアンケート(有効回答数3000人)で『労働時間を増やしたい』と回答した割合は10.5%だった。『このままで良い』が59.5%で最も多く、「減らしたい」は30.0%。一方、月80時間の上限を超えて残業することを希望したのは0.5%と、『限定的』(同省)だった」(労働時間「増やしたい」1割 上限超え希望は限定的―「働き方改革」調査)と報じました。

第1回 日本成長戦略会議 労働市場分科会
調査結果を公表した厚生労働省サイトのページには「厚生労働省では、今回の調査(働き方改革関連法施行後5年の総点検)結果を踏まえつつ、(日本成長戦略会議)労働市場改革分科会や労働政策審議会(労働条件分科会)において、労働基準関係法制について議論していきます」と記載されています。
その第1回 日本成長戦略会議 労働市場改革分科会が(2026年)3月11日、厚生労働省省議室で開催されます。
議題(予定)は(1)労働市場改革分科会の取扱い等について、(2)労働市場をめぐる現状と課題等について。
上野厚生労働大臣が調査結果について発言
3月6日の厚生労働大臣の会見で記者が「厚生労働省が昨日、働き方の実態などを調査した結果を公表し、『労働時間を増やしたい』と答えた人は10%あまり、「このままでよい」と回答した人は59%あまりでした。こうした調査結果の受け止めと、これを受けて高市総理が指示されている労働時間の規制の緩和や裁量労働制の見直しについて、労使様々意見もある中で今後どう議論を進めていくのか、お考えをお聞かせください」と質問しています。
上野厚生労働大臣は「昨日、厚生労働省において、働き方改革関連法施行後5年の総点検を公表しました。労働者アンケート調査においては、労働時間の増減希望について、労働時間を『増やしたい』と回答した割合は約10.5%、『このままでよい』が59.5%、「減らしたい」が30.0%、となっています」と答えて総点検調査結果を説明しています。
また「このうち『増やしたい」の10.5%の内訳をみると、週所定労働時間35時間以下で年収200万円未満の方で3.4%となっています。週所定労働時間35時間超又は年収200万円以上で、上限規制でもある月80時間の範囲内で労働時間を増やしたい方が4.9%となっています。同じく上限を超えて労働時間を増やしたい方は0.5%という結果になりました」と続けて調査結果を説明しています。
そして上野大臣は「これは、パートタイム的に働いている方と、フルタイム的に働いている方で上限の範囲内で労働時間を増やしたいという方の2類型が多かったと考えられます。『もっと働いてもらいたい』あるいは『もっと働きたい』といったニーズについては、『時間外労働の実態と上限規制との間には隙間があり、規制の範囲内で労働時間を増やしたい』という場合が多いのではないかと思われるところですが、今回の総点検調査でも、改めてそのような実態が示されたものと受け止めています」と述べています。
そして上野大臣は高市総理の答弁にもふれて「これまで総理も『過労死認定ラインでもある上限規制を超えるなどということを決して言いません』と答弁されていますが、私も同じ考えです」と述べています。
また上野大臣は「今回の結果をみても、上限規制それ自体の問題というよりは、その範囲内での働き方の問題ではないかと考えているところです」と記者の質問に回答しています。
さらに上野大臣は「いずれにしても、裁量労働制も含め、労働時間規制の検討に当たっては、心身の健康維持を前提にして、働き方の実態とニーズを踏まえて、日本成長戦略会議の下に設けられた労働市場改革分科会や労働政策審議会において、運用・制度の両面から、議論を進めていきたいと考えています」と付け加えています。
なお、労働政策審議会(厚生労働大臣諮問機関)労働条件分科会が3月13日に開催されます。議題は働き方改革の「総点検」について(報告事項)。 総点検の調査結果は昨年(2025年)11月には労働政策審議会に報告される予定でしたが、どうしてこれほど遅れたのかは不明。
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