骨太の方針2026(原案)修正
一昨日(2026年7月7日)午後2時から自由民主党の政調全体会議(2回目)が開催。議事は「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2026(原案)」。ロイターによると「市場で骨太ショックと言われている。日銀の独立性に配慮した記述も併記してバランスを取ってほしい」との要望があったとのことです。*「骨太の方針の閣議決定を先送り」を追記しました(2026年7月13日)
骨太の方針2026(原案)
経済財政運営と改革の基本方針(骨太)の方針2026(原案)34ページには「こうした当面の経済財政運営は『強い経済』の実現を目指しており、そのためにも『安定的な物価上昇』の実現に資する適切な金融政策運営を伴うことが非常に重要である」と書かれています。
経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2026(原案)
第4章 当面の経済財政運営と令和9年度予算編成に向けた考え方
1.現下の経済情勢と当面の経済財政運営について
(略)こうした当面の経済財政運営は「強い経済」の実現を目指しており、そのためにも「安定的な物価上昇」の実現に資する適切な金融政策運営を伴うことが非常に重要である。
日本銀行には、日本銀行法第4条及び政府・日本銀行の共同声明の趣旨に沿って政府と緊密 に連携し、賃金と物価の好循環を確認しつつ、2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現に向けて適切な金融政策運営を行うことを期待する。
金融市場「骨太ショック」
ロイターが昨日(2026年7月8日)に配信したウェブ記事『金融政策めぐる骨太文言、修正の可能性 政権方針は維持=関係筋』には「政府が7月中にも閣議決定する「7月7日午後に自民党本部で開かれた会合では、財政・金融政策に詳しい議員から、『市場で骨太ショックと言われている。日銀の独立性に配慮した記述も併記してバランスを取ってほしい』との要望が出た」と書かれています。
またロイターのウェブ記事には「同会合で配布された同日時点の原案では、6月30日公表原案では1回しか登場しなかった『安定的な物価上昇に資する適切な金融政策』との文言が2回登場する形で加筆されていた」とも記載されています。
共同通信が昨日配信したウェブ記事『「骨太方針」金融政策記述修正へ 利上げけん制の懸念拡大で』には「政府は(7月)7日、与党に示した前文で『強い経済の実現に向けては、「安定的な物価上昇」の実現に資する適切な金融政策運営が行われることが非常に重要である』と記述。原案になかった『「安定的な物価上昇」の実現』を加えた」と書かれています。
政府が経済財政運営の指針「骨太方針」案の金融政策に関する記述を修正する方向で調整していることが8日、分かった。6月公表の原案の記載が日銀の利上げをけん制しているとの懸念が拡大。政策金利の引き上げが遅れてインフレが進むとの思惑から、国債売りを促して歴史的な長期金利上昇を招く一因となっており、金融市場に配慮したとみられる。
政府は7日、与党に示した前文で「強い経済の実現に向けては、『安定的な物価上昇』の実現に資する適切な金融政策運営が行われることが非常に重要である」と記述。原案になかった「『安定的な物価上昇』の実現」を加えた。
利上げは物価高を抑える効果がある半面、家計や企業の借金負担を増やして景気を冷やすことになる。修正により、性急な利上げを控えるよう求める態度が軟化したようにも読み取れる。
取りまとめに当たる内閣府の関係者は「単なる文言調整だ」と語った。前文とは別の箇所で元から同様の記述があり、表現を統一させただけだとの理屈だ。別の政府関係者は「市場に誤解されたので変える」と説明した。
自民党の公式サイトで確認すると、7月7日の会合は「政調全体会議」(2回目)になります。
神田潤一・衆議院議員はX(ツイッター)に「私からは、『先週からの円安・金利上昇は「骨太ショック」と呼ばれている。円安は物価高に繋がり、金利上昇は財政の制約になる。どちらも高市政権の「責任ある積極財政」の足を引っ張ることになるため、市場からの信認確保には最大限配慮すべき』 という旨の発言をしました。 最終的に、政府との交渉・修正は政調会長に一任されました」と投稿しています。
(14:00-15:40)自民党政調全体会議
— 神田潤一(衆議院議員3期目) (@Jun1CanDo) July 7, 2026
いわゆる「骨太の方針2026(案)」について審議(2回目)。
私からは、… pic.twitter.com/RMnxY8gZjd
70歳以上の医療費窓口負担
骨太の方針2026(原案)について金融政策の文言修正ばかり報道されていますが、NHK ONEは一昨日(7月7日)に『政府 高齢者窓口負担見直しなど加えた修正案提示 骨太の方針』と見出しをつけたウェブ記事を配信しています。
NHK ONEは「ことしの『骨太の方針』の原案をめぐり、政府は(7月)7日に開かれた自民党の政調全体会議で、これまでの与党の検討を踏まえ、新たな記述を加えた修正案を提示しました」と報じています。
そして修正案の中には「医療保険制度改革では70歳以上の医療費の窓口負担について『年齢によらない真に公平な応能負担を実現する観点から見直しを行い、改革工程表をことしの年末までに策定する』としています」とウェブ記事には記載されています。
「年齢によらない真に公平な応能負担を実現する観点から見直し」とは具体的にはわかりませんが、改革工程表を今年(2026年)年末までに策定するということです。注視していきたいと思います。
ことしの「骨太の方針」の原案をめぐり、政府は7日に開かれた自民党の政調全体会議で、これまでの与党の検討を踏まえ、新たな記述を加えた修正案を提示しました。
この中で、医療保険制度改革では70歳以上の医療費の窓口負担について「年齢によらない真に公平な応能負担を実現する観点から見直しを行い、改革工程表をことしの年末までに策定する」としています。
また、現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げを目指す内容も盛り込んでいます。
さらに、安全保障分野では退職した自衛官とその家族を支援するため組織の新設を含め取り組みの強化を検討するとともに「防衛省の組織を抜本的に強化する」としています。
一方、食料品の消費税減税と給付付き税額控除については「国民会議」の実務者会議で議論が続いていることから記述が見送られ、今後の対応を小林政務調査会長に一任しました。
修正案は、自民党に加え日本維新の会の政調全体会議でも大筋で了承されました。
政府は、与党の手続きを経たうえで来週にも閣議決定を目指すことにしています。
メディカルサポネットの昨日(2026年7月8日)のウェブ記事には「自民党と日本維新の会は7月7日、7月中旬に閣議決定する予定の『骨太方針2026』(経済財政運営と改革の基本方針2026)に反映させる社会保障改革項目の『具体的な骨子』について合意した。焦点の70歳以上高齢者の医療費窓口負担については、維新が主張する『原則3割負担化』の明記を見送った。『骨子』は高齢者の窓口負担について『原則3割となっている現役世代との間で年齢によらない真に公平な応能負担を実現する観点から見直しを行う』と記載」と書かれています。
いずれにしても次週には「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2026」「日本成長戦略」「規制改革実施計画」3文書が閣議決定されますので、正式な3文書を確認したいと思います。
追記:骨太の方針の閣議決定を先送り
「骨太狂想曲」の舞台裏(ロイター)
ロイターのウェブ記事『マクロスコープ:「骨太狂想曲」の舞台裏、高市政権の思惑と見透かす市場』(2026年7月10日配信)には「いくら多少の加筆をアピールしても、高市氏の政策方針が変わったわけではない」と書かれています。
そしてロイターのは「『強い経済』の実現には適切な金融政策運営が非常に重要だとする文言は、加筆後の原案にもその趣旨を残している」と指摘しています。
ただ、いくら多少の加筆をアピールしても、高市氏の政策方針が変わったわけではない。歴代政権の骨太に再三登場し、石破茂・前政権が策定した昨年版には10カ所で言及があった「財政健全化」の文字は消失した。主要部分には2040年度までの累計で370兆円を超える官民投資を想定し、国内民間設備投資を年230兆円、名目国内総生産(GDP)を1100兆円に近づける経済成長を目指すなど、積極財政政策が列記されている。こうした「強い経済」の実現には適切な金融政策運営が非常に重要だとする文言は、加筆後の原案にもその趣旨を残している。
この記事が配信された日、ロイター通信記者の鬼原民幸氏はX(旧ツイッター)に「記事を書きました」「日銀の利上げ方針を『支持する』くらいのことを書かなければ意味がない」と投稿しています。
記事を書きました。
— 鬼原民幸 Tamiyuki KIHARA (@tamiyukikihara) July 10, 2026
【「日銀の利上げ方針を『支持する』くらいのことを書かなければ意味がない」】
マクロスコープ:「骨太狂想曲」の舞台裏、高市政権の思惑と見透かす市場#ロイター#Reutershttps://t.co/TKepS7BpF8
金利上昇懸念で骨太決定ずれ込み(日本経済新聞)
日本経済新聞(電子版)は今日(2026年)午前5時にウェブ記事『金利上昇懸念で骨太決定ずれ込み 消費減税は未決着、市場反応見えず』を配信しています。
日経のウェブ記事には「政府は経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)の閣議決定を先送りする。当初(7月)14日ごろに想定していた日程を延ばす。長期金利の上昇などを踏まえ、財政規律の緩みや低金利への誘導を懸念する市場の反応を注視して文言を調整する」と記載されています。
また元日本経済新聞記者の磯野直之氏はX(旧ツイッター)に「長期金利が上昇するのは、政府が国債を増発しつつGDP比での国債発行残高を低下させていく方針を示すからだ。これは、インフレを激しくしなければ達成は難しい。骨太の方針を決定し、実行すれば、将来のインフレ高進を見込んで長期金利はもっともっと上昇するだろう」と本日5時46分に投稿。
長期金利が上昇するのは、政府が国債を増発しつつGDP比での国債発行残高を低下させていく方針を示すからだ。これは、インフレを激しくしなければ達成は難しい。骨太の方針を決定し、実行すれば、将来のインフレ高進を見込んで長期金利はもっともっと上昇するだろう。 https://t.co/8Q0IO8zU1V
— 磯野直之 (@IsonoNaoyuki) July 12, 2026
いずれにしても、「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2026」の閣議決定は7月14日の予定でしたが、今日(2026年7月13日)の日本経済新聞の報道によると、政府は「閣議決定を先送りする」とのこと。
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