経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2026(原案)と労働時間法制
骨太の方針2026の正式名称は「経済財政運営と改革の基本方針2026」になります。高市総理は骨太の方針2026(原案)をもとに調整を進めて7月中旬に閣議決定するように目指しています。*骨太の方針2026は今日(2026年7月21日)に閣議決定されました。
経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)
経済財政諮問会議が本日(2026年6月30日)開催。議事は「経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針)に向けて」。資料は『経済財政運営と改革の基本方針2026(原案)』。
経済財政運営と改革の基本方針2026(原案)(PDFファイル)
高市早苗総理は、経済財政諮問会議とりまとめ発言で「本日の(骨太の方針2026)原案を下に与党とも更に調整を進め、来月(7月)中旬に骨太方針を閣議決定することを目指します」と述べています。
労働時間法制等に係る政策対応について
『経済財政運営と改革の基本方針2026(原案)』14ページには「心身の健康維持と従業者の選択を前提に、柔軟で多様な働き方を実現するため、労働時間法制等に係る政策対応について、夏以降の労働政策審議会において議論を行う」と記載されています。
(4)人材力の強化・人材総活躍
全世代の国民一人ひとりが活き活きと活躍することで、日本人の底力を解き放つ。誰もが、年齢や性別、障害や疾病の有無、生まれた年代や住んでいる地域、家族の状況などによって、誰一人取り残されない、不公平がなく活躍できる社会を目指していく。
(人材の育成・能力発揮)
17の戦略分野やエッセンシャル分野を始めとする幅広い人材の育成・確保のため、国・ 地域における取組を推進する。教育政策、産業政策と雇用政策を始めとする関係政策を連携させ、人材育成を一気通貫で推進する。人づくりの礎である教育の質を向上させる。また、産学官が連携し、必要なスキルや処遇の明確化、プログラム開発、費用負担の軽減や 情報提供の充実等を通じて、リ・スキリング機会を拡充する。アドバンスト・エッセンシャルワーカーの育成に取り組む。
こうしたスキルアップや技能尊重の機運醸成に向けた国民運動を展開するとともに、 2028年技能五輪国際大会の日本開催の準備を進め、技能士・業界団体等の連携による人材育成の取組を推進する。
労働力供給制約下での雇用保険制度における対応の在り方について、2026年内を目途に結論が得られるよう検討する。心身の健康維持と従業者の選択を前提に、柔軟で多様な働き方を実現するため、労働時間法制等に係る政策対応について、夏以降の労働政策審議会において議論を行う。
国家公務員が持てる能力を遺憾なく発揮し、国民生活と国益を支える役割を果たせるよう、採用活動を強化するとともに、民間企業等に伍する職場環境の整備、人材マネジメン トの強化、人事管理機能の高度化、処遇改善を進め、公務を選ばれる仕事とする。
(人材総活躍)
若者や女性を含めた労働者の「働きがい」と「働きやすさ」の向上に向けて、男女間賃 金差異の是正等に向けた職場の雇用管理上の問題への対応、「成長戦略」分野における女性活躍、仕事と育児・介護等との両立支援、性差に基づく健康問題への対応、女性の活躍を阻む固定的な性別役割分担意識等の解消等について、関連する基本計画等に基づく取組を進める。「地域働き方・職場改革」等を通じて地方公共団体の関連する取組も後押しする。さらに、就職氷河期世代等の就業・処遇改善や社会参画を促すため「新たな支援プ ログラム」の実施に取り組む。
孤独・孤立対策として、「重点計画」に沿って「予防」の観点を重視した居場所・つながりづくり等の対策に取り組むNPO等を支援する。また、身寄りのない高齢者等の支援、生活困窮者自立支援制度や自殺対策など地域共生社会の推進、障害者の自立及び社会参 加等のための施策に取り組む。旧優生保護法補償金等の支給を着実に進める。
社会課題の解決に向けて、休眠預金等活用制度等を通じたNPO法人の支援、公益法人・信託による公益活動の促進、PFSの普及に取り組む。
自民党・日本成長戦略本部の提言がベース
自民党のウェブサイトには「党日本成長戦略本部(本部長・岸田文雄元総裁)は(2026年)6月11日、同本部が取りまとめた提言を高市早苗総理に申し入れました」「政府が策定する『日本成長戦略』や『経済財政運営と改革の方針(骨太の方針)』等に一体的に反映させることを求めました」と記載されています。
結局、高市総理は自民党の求めに応じています。つまり『経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2026(原案)』のベースは自民党の『日本成長戦略本部提言』になっています。
(くりかえしになりますが)『経済財政運営と改革の基本方針2026(原案)』14ページには「心身の健康維持と従業者の選択を前提に、柔軟で多様な働き方を実現するため、労働時間法制等に係る政策対応について、夏以降の労働政策審議会において議論を行う」と記載されています。
『経済財政運営と改革の基本方針2026(原案)』14ページの引用文は、一字一句変わることなく自民党の『日本成長戦略会本部提言』10ページにも書かれてあります。
ただし自民党の提言には「夏以降の労働政策審議会において議論を行う」に続いて「裁量労働制については」以下の文言がつづいていますが、『経済財政運営と改革の基本方針2026(原案)』には削除されています。削除されているというよりは「省略」されていると言うべきかもしれません。
『経済財政運営と改革の基本方針2026(原案)』の労働時間法制等に関する内容は、自民党の『日本成長戦略会本部提言』10ページから11ページに記載された「裁量労働制については」以下を補って読むことにより初めて理解できるということになっています。
また厚生労働省が今年(2026年)6月2日に公表した『日本成長戦略会議・労働市場改革分科会とりまとめ』が、労働時間法制等については自民党『日本成長戦略本部提言』のベースとも言えます。『日本成長戦略会議・労働市場改革分科会とりまとめ』も読む必要があると思います。
日本成長戦略会議・労働市場改革分科会とりまとめ(PDFファイル)
追記:規制改革推進に関する答申(案)
規制改革推進会議が一昨日(2026年6月29日)に開催されましたが、議事は「規制改革推進に関する答申(案)について」。答申(案)には1年変形労働時間制および裁量労働制の見直しについて労働政策審議会(厚生労働大臣諮問機関)で検討するようにと記載されています。
城内内閣府特命担当大臣は記者会見において「昨日(2026年6月29日)、第28回 規制改革推進会議を開催し、『規制改革推進に関する答申』が決定されました。政府として、今回の答申を踏まえ、『規制改革実施計画』として速やかに閣議決定し、スピード感を持って実行に移してまいります」と発言しています。
1年変形労働時間制と裁量労働制について答申で言及(規制改革推進会議)|Hiromasa Saeki
追記:日本成長戦略(案)
日本成長戦略会議(第6回)が今週の火曜日(2026年6月30日)に開催。議事は「日本成長戦略(案)について」。議長は高市早苗総理大臣。
「日本成長戦略(案)」には裁量労働制の対象の在り方、変形労働時間制、連続勤務規制、勤務間インターバル制度の法的位置付け、つながらない権利の在り方、副業・兼業に当たっての健康確保、テレワークの活用促進などについては「夏以降の労働政策審議会(厚生労働大臣の諮問機関)において議論を行う」と記載されています。
日本成長戦略(案)に裁量労働制、変形労働時間制、勤務間インターバル、つながらない権利|Hiromasa Saeki
追記:骨太の方針2026(原案)修正
一昨日(2026年7月7日)午後2時から自由民主党の政調全体会議(2回目)が開催。議事は「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2026(原案)」。
ロイターが昨日(2026年7月8日)に配信したウェブ記事『金融政策めぐる骨太文言、修正の可能性 政権方針は維持=関係筋』には「政府が7月中にも閣議決定する「7月7日午後に自民党本部で開かれた会合では、財政・金融政策に詳しい議員から、『市場で骨太ショックと言われている。日銀の独立性に配慮した記述も併記してバランスを取ってほしい』との要望が出た」と書かれています。
NHK ONEは一昨日(7月7日)に『政府 高齢者窓口負担見直しなど加えた修正案提示 骨太の方針』と見出しをつけたウェブ記事を配信しています。
NHK ONEは「ことしの『骨太の方針』の原案をめぐり、政府は(7月)7日に開かれた自民党の政調全体会議で、これまでの与党の検討を踏まえ、新たな記述を加えた修正案を提示しました」と報じています。
そして修正案の中には「医療保険制度改革では70歳以上の医療費の窓口負担について『年齢によらない真に公平な応能負担を実現する観点から見直しを行い、改革工程表をことしの年末までに策定する』としています」とウェブ記事には記載されています。
骨太の方針2026(原案)修正|Hiromasa Saeki
追記:骨太の方針2026閣議決定先送り
「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2026」の閣議決定は7月14日の予定でしたが、今日(2026年7月13日)の日本経済新聞の報道によると、政府は「閣議決定を先送りする」とのこと。
なおロイターが7月10日に配信したウェブ記事には「高市早苗政権の主要政策を盛り込んだ『経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)』を巡り、政府が今月(7月)21日の閣議決定を目指す方向で調整していることが分かった。当初は14日にも閣議に諮る想定だったが、消費減税の実現に向けた政府・与野党の議論が進んでいないことなどから、日程を再調整する必要があると判断した」と記載されています。
経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2026の閣議決定を先送り|Hiromasa Saeki
追記:骨太の方針2026閣議決定!
「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2026」「日本成長戦略」「規制改革実施計画」「地域未来戦略(地方創生に関する総合戦略の変更)」は今日(2026年7月21日)閣議決定されました。
経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2026 閣議決定|Hiromasa Saeki
骨太の方針2026・日本成長戦略・規制改革実施計画と裁量労働制の対象拡大|Hiromasa Saeki

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