教育講演:産業保健職のためのポリヴェーガル理論(第32回日本産業精神保健学会)
第32回日本産業精神保健学会の報告の続きです。ちなみに予告編はこちら。
写真は講師の上谷実礼先生(ミレイ先生)と、福岡の保健師、井本ひとみさんと撮影したもの。noteへの掲載をご承諾いただき誠にありがとうございました。
▼ポリヴェーガル理論とは
医療関係者であれば交感神経、副交感神経はよくご存じだと思いますし、ストレスの説明をする時にも必ず言及していると思います。副交感神経の8割は迷走神経が担っているのですが、ポリヴェーガル理論は迷走神経を背側迷走神経複合体と背側迷走神経複合体に分け、3つの自律神経から私たちの生体反応を考えていく理論です。
▼アーカイブ視聴は9月30日までです!
大会参加者はアーカイブ動画を見ることができますが、期限は9月30日です!まだ「教育講演4ポリヴェーガル理論」をご覧になっていない方は、ぜひ覗いてみてください。
▼ポリヴェーガル理論、最初は何が画期的かよくわからなかった
ポリヴェーガル理論を知ったのは数年前なのですが、当初は何が画期的なのか、よくわかっていませんでした。転機となったのは2024年、大分のセラピスト、吉里恒昭先生の「『ポリヴェーガル理論』がやさしくわかる本」を読んでからです。
こういうことだったのか!という感動・納得すると共に、早速30分で話せるレクチャー資料にまとめ、産業医先の安全衛生委員会などで紹介するようになりました。今月もある会社で行ったセルフケア研修で紹介したのですが、「めっちゃ面白い!」と大好評でした。ともかくわかりやすいんです。
▼「怪しい男」がミレイ先生に近づく…
そんなわけで今大会の準備を進める中でポリヴェーガル理論を紹介したいと考えました。吉里先生から定期的に情報をもらう中でミレイ先生のことを知りました。アドラー心理学の本を出されているのは知っていたのですが、ポリヴェーガルも守備範囲だったのか。吉里先生を通してミレイ先生の師匠にあたる津田真人先生のことも知りました。吉里先生に頼もうか、津田先生か、ミレイ先生か。でも津田先生もミレイ先生も面識ないし、などと迷っているうちに時間が過ぎ(他のセッションの調整でバタバタしていたのです…)、講演の枠だけは確保したものの、演者が決まりませんでした。いざとなったら自分で話すか、とさえ思っていたのです。
チャンスが訪れたのは5月に仙台で行われた第98回産業衛生学会でした。初日、会場に到着し、受付ブースで名札ケースに参加証を入れ、顔を上げたら、何と目の前にミレイ先生がいたのです!わわわ、ミレイ先生だ!「ミレイ先生ですよね!?」と突進した私。「はい…」。学会参加者だから怪しい人はいないでしょうが、知らないおじさんから迫るように声をかけられればビビりますよねえ。ミレイ先生だって会場に着いたばかりだったのに。さすがにちょっと引かれているようでしたが、その場で名刺交換させていただき、夜の懇親会では大会事務局長の佐倉先生にも紹介することができ、教育講演の話が一気に進んだのです。こういう運命の出会いもあるものだなあと本当に感慨深いです。
▼ミレイ先生の新刊が出ました
そして学会が終わった直後の8月27日、ミレイ先生の新しい著書が発売になりました。
このタイトル、しびれます。そして、やられた!と思いました。私もいくつかの出版社からお誘いを受けているのですが、どうもそういう才覚に乏しいのか、一向に話が進みません、というか私の頭が回りません。今まで患者さんや従業員には、症状も含めあなたに起こっていることで無駄なものは一つもない、と力説してきましたが、ここまで突き抜けた表現はできませんでした。やられた。すごい。ミレイ先生と話していると、自分が学んできたことや事例の見方が随分と重なるなあと感じます。この本、すでに何人もの方に勧めたり貸したりしています。私が本を作るとしたら、やはり専門である交流分析の視点から書くことになりますが、その中に間違いなくポリヴェーガル理論も入れると思います。私も頑張ろう。ポリヴェーガル理論の考え方が広く知られることを願っています。
