どうしても惹かれるのはきっと自分にないものを持っているから~灯火杯を振り返って~
先日発表になった灯火杯。
受賞された皆様、おめでとうございます。
参加された皆様、お疲れ様でした。
私は今回は応募はせず、審査員という形で参加させていただきました。といっても私は人様の文章の良し悪しを判断することはできませんので、個人的に好きだなぁと思うものを選ばせていただきました。選好ですね。
ということで、こちらの作品を選ばせていただきました。
選好理由は灯火さんの結果発表ページに書かせていただいたのでこの記事では割愛します。
今回、すのう賞の副賞として3つのうちからお好きなものをお選びください(①メンバーシップ記事進呈 ②あなたのnoteの印象伝えます ③全力紹介)という形になっていたんですが、Temppさんはどれも欲しくないんじゃないかと思いました。笑
私がTemppさんに惹かれるのが、まさにそういうところにあると思います。
幸い③の全力紹介をお選びいただいたので、ここからは極めて個人的な私の本質と憧れの対象についてを語りつつ、Temppさんを全力で紹介していきたいと思います。若干Temppさんの世界観に文体が引っ張られていますが、そのままお送りします。
はじまりはじまり。
私はこれまで1年以上noteを続けてきましたが、その中でたくさんの方と出会い言葉を交わし、お互いの作品を読んだり読ませてもらったりして過ごしてきました。
もしもnoteの世界が海ならば、私はイワシです。ちなみに動物占いは羊でした。何が言いたいかというと、noteという世界の中で私はいつも周りを見て、気にして、読まれたいから読まれるためにはどうしたらいいか、自分の在り方は間違っていないかといつも不安で仕方がないのです。
他の方にはどう映っているか分かりませんが、もし私がほんの少し目立っている瞬間があるように見えるとしたらそれはイワシの群れの中でたまたま反対を向いていたに過ぎません。
noteを続けていると「ご自分の世界」を確立されている方に会います。ご自身の書きたい世界を書くために、それ以外のことはどうだっていいというような。
私はどうしたってそういう人に憧れてしまいます。
これまでに「私の推しnoterさんです!」と公言させていただいている方にはそんな方が多いです。
Temppさんは私から見るとまさにそんな存在です。
最初にTemppさんを知ったのは昨年の創作大賞の時。こちらの作品を読んだことがきっかけです。
江戸や明治を舞台に妖怪退治。あらすじを見て、これ絶対好きなやつ…!!と思って読み始めました。夢中になって読みました。読み終えて、感想文も書かせていただきました。面白かった。世界観にどっぷり。この方、すごい書き手さんなんじゃ!?って思いました。
で、読み終えてから、Temppさんが実はすでに商業出版されていることを知りました。第7回アルファポリス歴史・時代小説大賞で奨励賞を受賞して作家デビューされています。
こんなすごいこと、私だったらもうずっと看板に掲げて自慢しまくりますよ。「受賞しました!出版しました!」って。でも、Temppさん、それほとんど言わないんです。公募にも毎月のように出しているのに、なんかこう、飄々としているように見えます。
書きたい世界を書いている。そこにどんな反応があろうとなかろうと、どこ吹く風(に見える)。しかもそれを毎日のように。
あまりにも毎日更新されているので、正直言って読めません。(ごめんなさい)5万文字の連載と7千文字くらいの小説が日々バンバン更新されていきます。Temppさんの作品全部読むには圧倒的に時間が足りないのです。(ごめんなさい)
Temppさんの作品のどこが魅力的かというと、今回の灯火杯応募作もそうなんですが、生きるとか死ぬとかそういうグラグラの場所を切り取っているシーンです。
これまでにも他の作品もいくつか見させていただいたんですが、ホラーもサスペンスも時代小説も、どこそこかに暗い影が潜んでいます。本当にギリギリのゆらゆらしている場所。
そしてその書き方が私には絶対にできない表現で。こんな表現どんなにポケット逆さまに振ったって出てこない。そういうのがポポンと出てくるのがTemppさんです。
今回の灯火杯で、実はすのう賞候補を最終3作まで絞りました。もうどうしようもなく悩んで悩んで、共感できるとか、タイトルが好きとか、読後感が好きとか、うんうん唸って審査をしました。
でも最終的に「自分にはどうあがいても絶対に書けない。あまりにも予想を裏切ってきたことと没入感」ということでこちらを選ばせていただきました。
桃太郎、うさぎと亀、浦島太郎。表面上は軽快にアイス食べながら夜の街を歩く2人だけどそうじゃない。
終わりが暗いままだったらさすがに選べなかったかもしれません。でも、最後にエールが残っていました。ご本人は「春感が足りなかったかな」なんておっしゃってましたが、アイスは溶けるのに肌寒い夜。なんとなく不安定なところに春を感じました。
Temppさんはnoteの中ではいわゆる声が大きくて目立つようなタイプの方ではありません。でもこんな風に、「自分の世界」を黙々と描き続ける書き手の方に、私はどうしたって憧れを抱いて隠せないのです。
あ、あとですね、何度か書いているのですが、私は「好きな作品」を書く「中の人間」に興味がもてないタイプの読者です。(とんでもないこと言い出した)
書いた人がどんな人か、男か女かとか全く興味がないし、「うわーこの人面白い作品書くなぁ!」と思った時「一体どんな人が書いてるんだろう?」とは考えません。書かれた作品をふいに見に行って「ひゃーまたすごいの書いてるの見ちゃった♡」みたいなことはします。
もちろん交流させていただく方は違いますが、創作、小説とかを書く方の人間的な生活や性格は、書かれた作品とは全く切り離して捉えています。
そのため、今回もTemppさんの全力紹介をさせていただいているわけですがTemppさん自身のことは何も知りません。これからもそのままだと思います。
長くなりました。
Temppさんこのたびはすのう賞の受賞、おめでとうございます。素敵な作品をありがとうございました。
Temppさんの魅力がたくさんの方に伝わるといいなという想いと、でもこうして紹介することが逆にご迷惑になっているんじゃないかと不安も込めて終わりとさせていただきます。なんか神聖な空間に土足で踏み入れるような、狼の縄張りに突っ込んでいく羊ような気持ちになるのです。
「マジで個人的な好みで審査しやがって!」と思う方がいらしたらごめんなさい。だって好きだったから。
灯火杯にご参加の皆様、そして何より主催をしてくださった灯火さん。
この度はありがとうございました✨
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