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掌編小説「クリスマス ギフテッド」第3話「トナカイ」#いつきちゃんのアドベンドカレンダー


そろそろ無茶ぶりになってきた〜(笑)

前回までのお話はこちら↓



「トナカイ」


七年前のあの日、
「今夜、ロシアンルーレットをしましょうよ」
真由子がクリスマス準備に追われるキッチンに入って来た沙枝子は、イタズラっぽく笑った。
「え?」
「うふ、真由子さん、私クッキーを焼くわね」
沙枝子はいつもジンジャーを効かせた彼女特製レシピのクッキーを焼く。三歳だった裕樹には少し大人の味過ぎると真由子は感じたが、裕樹はそのクッキーが大好きだった。
「沙枝子さん、ロシアンルーレットって?」
「クッキーの一枚にわさびを入れちゃいましょう」
沙枝子は真由子にウィンクした。彼女は優しくて上品な女性だが、茶目っ気もユーモアも持ち合わせていた。
 材料を練ってオーブンの天板にサンタクロース、靴下、クリスマスツリー、トナカイの形をしたクッキーを並べると後ろを向いて、真由子にわさびのチューブを渡した。
「真由子さんが入れて」
「えー、私が?」
「そうよ、その方が面白いじゃない」
真由子はトナカイの鼻の部分にわさびをたっぷりと注入した。
ーー赤鼻のトナカイじゃなくて、緑鼻のトナカイなんて気持ち悪くて、きっと誰も選ばないわ
「じゃあ、焼くのは真由子さんお願いね。あ、それから明日の朝、素敵なプレゼントを発表するわ」
沙枝子はまたイタズラっぽく笑うとキッチンを出て行った。

ーーあの楽しかった日々は、もう二度と帰って来ない。
真由子は、おでんの大根にカラシをつけて頬張りながら、あの家での日々を思い出していた。
その時、再びプルプルとスマホが震動してラインの着信を告げた。

『真由子、僕ね、クリスマスは真由子のお料理が食べたいの』
約束通り裕樹からだった。
『坊っちゃん、私はもうクビになっちゃったんですよ』
『うん、知ってるよ。だからプレゼント渡したでしょう。それでお家に入って来てよ』
『そんなこと、できません。お母様に叱られます』
『大丈夫だよ、23日の夜ならパパとママはお出掛けするから。僕一人だもん』
『でも』
『待ってるから、必ず来てね』
そこで裕樹のラインは終わった。
 普通なら不法侵入になってしまうから断るところだ。でも真由子には出来なかった。沙枝子が亡くなってから、ずっと裕樹を育ててきたのは自分だと言う自負があった。小学校の入学式も仕事で忙しい裕樹の父に代わって真由子が出席した。参観日も運動会も塾の送り迎えも学芸会も⋯
真由子の十年間は裕樹と共にあった。
ーー今年は何を作ろうかしら?ローストチキンとビーフシチュー?あぁ、サラダも必要ね。お野菜も食べさせてあげなくちゃ。
さっきまで落ち込んでいたのに、裕樹と二人きりのクリスマスを楽しめることに真由子の心は弾んでいった(約1100字)

(明日は『もみの木のてっぺんの星』書けるかいな? 笑)

とりあえずつづく(笑)

最強寒波がやって来たって(泣)
皆さん、風邪引かないでねぇ~♡




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