経済的にも豊かになる推し活があった
中島聡さんの『メタトレンド投資』という本を読んだ。
中島さんは「右クリック」「ダブルクリック」「ドロップ&ドラッグ」など今では当たり前になっている機能を実装した元マイクロソフトの伝説のプログラマーで、メルマガの『週刊 Life is beautiful』が人気だ。
中島さんの様なトップレベルの知識やスキルを持ち、尚且つ現場に詳しい人が市場をどの様に捉えて投資をしているか、それを知ることができるうえにその考え方も学ぶことができる。
そして、この本の中に「推し活投資」という面白い考え方が出てくる。テクノロジー株の話がたくさん出てくるが、そんななか「推し活投資」というポップな表記が面白いと思ったが、その考え方も極めて本質的なものだ。
これは、要するに企業をアイドルやアーティストを応援するように投資するという考え方で、中島さんも実践している投資法らしい。これは個人的に割と共感ができることで、投資は推し活だなと思うことは実際に多くある。
短期的な利益を追い求める投資家にとって、その企業が将来どの様な価値を社会に提供するかは大事ではない。チャートを読んで利幅を利用していかに儲かるかが焦点となる。
一方で推し活投資の場合は、推しの企業の現在の株価は問題ではなく、将来的に社会に認知されて愛される存在になるまで応援し続けるのである。もちろん、その成果が出た時は心の底から喜べることだろう。
僕は「推し活」という営みを面白いと思いながらも少しネガティブなイメージで捉えていた。ハマったファンを企業が搾取しているように見えてしまうんである。
ただ、この「推し活投資」という考え方では、株を購入した企業を心の底から応援していることから、何があろうと長期的に保有して応援し続けることになることが説明されている。
投資の成功の鍵は長期保有であり、狼狽して売ってしまわないことだ。応援しているがゆえに必然的に長期投資ができる。それが「推し活」として実現できるのなら、実践してみる価値はあるんではないか。
本書では中島さんがTeslaやAppleの製品をどれだけ愛しているかが、ひしひしと伝わってくる。投資家としても消費者としても魅了されているがゆえに、その魅力にいち早く気づき凄まじい時価総額になった今でも保有し続けている理由がよくわかる。
企業側としても、こういった投資家は歓迎すると思う。アイドルやアーティストが長期的な視点で応援してくれることを望むのと同じだ。
以前、アイドルやアーティストに熱中し過ぎて企業に搾取される現象に対して「推し活はほどほどに」といった文脈の投稿をした。
この時は「推し活」は消費や浪費の一種に思っていたが「推し活投資」の概念を知り、持ち株が成長することで推し活をしながら経済的にも豊かになれる方法があることを学んだ。
人は社会的動物であることから、誰かを応援すると幸せを感じるらしい。しかし、せっかく身銭を切って応援するならば、長期的に腰を据えて価値ある企業を応援していきたい。それこそが幸せの鍵になるのかもしれない。

