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大学生の月平均の書籍費が1,000円切り|金がないから本を読まない…?

大学生の月平均の書籍費が1,000円を切ったというニュースが少しだけ話題になっていた。若者の読書離れを指摘したものだと思う。本の冊数ではなく金額で調査がされているらしい。

文化庁が発表している「国語に関する世論調査」で知られている「1か月に読む本の冊数」の質問への結果は「「読まない」が 62.6%」というもので、読書離れは以前から指摘されていた。

今回はこうして金額で話題になってしまったからか、ネット上では「本を買う金がない」という論調でリプ欄が盛り上がっていた。やはりインフレの心理的影響は大きいのかもしれない。

読書をする人ならわかるはずだけど、基本的に金がないから本を読まないという理屈にはならないので、このリプ欄の指摘は社会を批判したいバイアスに寄ったものだとすぐにわかる。SNSにコメントしている端末(スマホ)に大金を注いでいるのに本を買う金がないのはおかしな話だからだ。

思い返してみると、僕は大学生の頃にそこまで本を読んでいなかった。月に1冊読んでいれば良い方だったと思う。当時は音楽に夢中だったこともあり、本を買わずにCDを買って楽器を練習することに金と時間を投資していたのも大きい。

本をたくさん読み始めたのは、社会人になってからだ。これは別に金があるから読めるようになったというわけではなく、本を読むことの効果が実感できるようになったからだと思う。

学生の頃、もちろん人生は窮屈でしんどいものではあったけれど、日本で大学生をやっている以上、身の危険もなければ食うに困ることもない恵まれた環境だったことは間違いない。それが、社会人になってからは、病気になったり、猛烈に働かされたり、金の事を考えなくてはいけなくなったり、パンデミックが起こったり、結構たくさんの困難や課題に直面することが増えた。そして、そんな環境のもと、自分で考えて生きていかなければいけないのが社会人であり、それがなかなか難しい。

そんな経験があるからこそ、読書が大いに助けになっていたのだと思う。要は若い頃はそこまで困っていないからこそ読書の必要性が低いのだ。時間は膨大にあるにも関わらず。

大学生の月平均の書籍費が少ないことに対して、賃金上昇の様な経済対策をしたところで若者たちが本を読むようになるわけではないと思う。

世の中に存在する課題を解決するヒントは本のなかにたくさん詰まっている。直面している課題がどれほど困難で、どれほど独特で、現代特有のものに見えたとしても、それに遭遇したのは僕らが最初ではない。およそ5,000年もの間、人類はまさにその苦闘を経験し、解決し、そして何よりも重要なことに、それについて「本」を書いてきたのだ。

内省的な時を過ごしながら、人生の課題を解決するヒントを得ることができる。それが数千円で買えると考えると、インフレや低賃金が本を読まない理由にはならないとわかる。

「読書離れ」の対策をするのならば、金の話をするのではなく、読書の必要性を知ってもらうことが何よりも大切だと思う。

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