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音楽が持つ「背中を押してくれる勢い」が好き

僕は学生の頃、音楽に傾倒していた。楽器の練習もすることで、リスナーとしてもプレイヤーとしても音楽生活を楽しんで暮らしていたのだ。

そんな僕も就職をして現実的な生活を経験してからは、音楽ではなく読書をするように変化することとなる。音楽が嫌いになったわけではないが、早期退職経験がありながら、病気の身体の様子を見つつ、現代社会を生きていくためには音楽を聴いている場合ではないと思ってしまったのが大きい。

音楽に比べて読書は思想を形成してくれるだけでなく、知識を得ることができて考える力を身に付けることができる。将来に向けて物事を考え、準備して備えることに繋がるのだ。

一方で音楽には刹那的な側面がある。メロディーに心惹かれて気持ちは高揚し、歌詞に心を動かされることもある。しかし将来に役立つような実感はなかなか得られず、酒と音楽に溺れて記憶を失くすことすらある。

だから僕は大人になってから、音楽よりも文学を好むようになった。この選択に後悔はないし、これからも本を読み続けることになると思う。

しかし最近、音楽には文学にない影響力があることにも気づいた。それは「背中を押してくれる力」とでも言うべきか、行動に繋がる勢いをくれるものだと思ったのである。

最近、忙しく過ごしていることによって、生活が乱れてきてしまい人との連絡もマメに取らず、食生活も酒を飲んで済ませたり、自分の人生を雑に生きてしまっていた。このままではダメだと頭ではわかっていたが、ダラダラと時間だけが過ぎていたのである。

その時、PrinceBusterの『Enjoy Yourself』という曲を聴いていたら、急に自分の生活の一瞬一瞬が大切な時間に生まれ変わるような気持ちになった。PrinceBusterはジャマイカのスカ音楽を代表するミュージシャンであり、陽気なサウンドのなかに社会へのメッセージを込めた楽曲で知られる。

僕が強く心を動かされたのが下記の歌詞であり、スカの明るいホーンセクションとともに歌いあげられている。

'Cos you can only be young but for once.

「若く在ることはできる。ただし一度だけ」といったところだろうか。

これを聞いて人生の短さと過ぎ去る時の速さを痛感し、僕は日常をダラダラと過ごすことを急に辞めた。親や兄弟、友人に急に連絡を取り始めるようになった。そしてこの曲は更に学びの大切さと体制への反抗を歌い上げてくれる。

Go to school,learn the rules, don’t be a faker. It’s not wise, for you to be a foot stool.

「教育を受けて規範を知れ、ただ自分を偽ってはいけない。誰かの奴隷になるのは愚かだ」といった解釈が僕の和訳だが、力強いメッセージだと思う。

おかげで自分の人生を生きようと思えている。行動も変わり、理想の生活リズムを取り戻しつつある、何よりもメンタルの調子がすこぶる良い。

こういった「背中を押してくれる勢い」は、音楽が持つ爆発的な力によるものな気がする。文学にこの勢いはないんじゃないか。

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