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Google Geminiによる議事録の自動化|監視社会と発言の委縮

AIが凄まじい速さで一般にも定着してきている。特にビジネスのシーンでは活用事例が増え続け、既にAIは「なくてはならない存在」になっているケースも多いと思う。

こういったAI関連のニュースでは「人間の仕事が奪われる」といった話ばかりされる傾向があるが、そんな話は正直なところ飽きている。確かになくなる仕事も多いだろうけど、仕事中毒の人間や暇をつぶす能力がない人間は結局のところ働き続けるんじゃないか。未来は予測できないのだから、根拠のない不安を煽るニュースに振り回されていても時間の無駄だと思う。

とはいえ「これは時代が変わるな」と、未来を予測したくなるような瞬間が日増しに増えてきている。javaScriptを書いてWEBページを改修するような作業はプログラマーの仕事だったが、今ではAIに代わりに書かせることで多くの人が実践できるようになった。プログラマーの仕事はより高度に、そして上流工程に向かうようになってきた。

僕が最近「これは時代が変わる」と思ったのが、AIによる会議の文字起こし機能だ。僕の会社ではGoogleのGeminiを使用することができ、GoogleのWEB会議ツールであるGoogleMeetでGeminiを使えば、オンライン会議を自動で録画録音してくれ、全文を文字起こししたうえに要約までしてまとめてくれる。この文字起こしと要約の精度が驚くほど高性能なのだ。

これによって議事録を書く仕事があっという間になくなった。多少の漢字変換の違いはあるが気にならない範囲で、議事録としては充分である。人間の場合は書記の文章能力や議論の理解度によって議事録の精度は異なるが、Geminiの場合は常に一定のレベルで議事録が完成する。

しかし、これによって社内の会議は全て記録が残るようになる。会議中についつい上司や同僚の悪口をつぶやいたとしたら、それはGeminiによって文字起こしと要約をされて記録に残る。議事録が格納されたフォルダー内をGeminiがクローリングして、その悪口を検索することなんかもできてしまうだろう。

まだこういった事例は顕在化していないけれど、もし一度この問題が話題にでもなったとしたら、その話題を聞いた社員はどうなるだろうか。会議は文字起こしと要約がされて簡単に見つけられると知ったら、会議中の発言には充分に注意を払うようになる。

次第に会議での発言は全て要約される前提となって、評価を意識した発言が増え、リスクを取りに行くような発言はなくなる。上司や同僚、組織への意見も言いづらくなり、改善すべき点が表出されなくなっていく。

こうして社員は窮屈に働き続けるようになり、組織は新陳代謝を促される機会を失い硬直化して停滞を始める。AIによって効率化されるはずだった会社がAIによって停滞してしまうかもしれない。

AIは人の秘密を黙っておいてくれたり、忘れてくれる様なことはしない。やましいことを考えている人間にとっては、都合の悪い存在になりそうだ。

AI時代を生き抜くためには、起こり得る問題の本質を理解する必要がある。参考になる名著を読むことで、今のうちから備えておいた方がいいんじゃないか。

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