旅は計画と下調べに価値あり
12月に半強制的に有給休暇を取得させられる状況にあり、年末年始休みも含めて国内旅行をすることにした。社員の有給取得率が下がると会社の評判も下がることから、休めと言われているのだ。
世の中には妙な休み方が存在することを知りながら、何とも言えない感情を胸に旅行に行くことになった。だから周囲と予定をあわせるのではなく、ひとりで出掛ける。平日だし。
さて、ここでただ家で本を読むだけの休みも魅力的ではあるけれど、3日以上のまとまった日数の自由を手にするならば、書を捨てて旅に出たい。読書は隙間時間でもできることなので、日数の条件が満たされているのならば旅に軍配が上がるのは僕だけではないはずだ。
今回の旅行で向かう先を様々な条件のもと考えて調査をした。移動方法、現地の交通事情、宿泊施設の有無と相場、それを自分の休みの条件に照らし合わせて考えていく。宿が安いエリアがあっても、そこには電車が通っていなかったり、交通が便利なエリアでも宿泊費が高騰していたり、事情は本当に様々なものが生じる。
これだけ条件が多いと、旅というのは非常に多くの要素が合致した、複雑性の高いイベントなんだとあらためて認識することとなった。これらに加えて、当日の天気も影響するし、飲食店が営業日であるかにも左右される。旅先で誰かと出会うかもしれないし、飛行機の欠航や新幹線の運休だってあるかもしれない。
これらが重なりあって様々な体験を経て、旅が終わると思い出として個人の脳内に記憶されるようになるのだ。なんて価値あるイベントなんだろうか。
そして面白いのは、旅をしている時だけでなく、下調べをして計画を立てている時かもしれない。
自分が貴重な休みを過ごす旅先であれば、自ずと自分事として調べものをするようになる。そこで自分はどういった行動をするか、Googleマップを使って調べていくうちに地形と交通事情に詳しくなっていく自分の変化がとても楽しくなってくる。
そして旅に出た後は予習をしたその土地の知識を辿るように体現しながら知識を定着させていく。この作業はイメージと実態を検証している感覚に近い。
旅が終わって自宅に戻り、お土産の日本酒でも飲んでいる時には、もともと描いていたイメージと現実の思い出との差異を確認しつつ「いいとこだったなぁ」と振り返る。この瞬間がまた良い。
その後、本を読んだりテレビを観たりする時にその土地が出てきたら、今までスルーしていたその土地を自分事の様に見入ってしまうこともある。自分の経験値がまたひとつ増加した感覚をもたらしてくれる。
こんなことを何年も繰り返しているうちに、僕のGoogleマップはマッピングだらけになってしまっている。日本中の都道府県はある程度行くことができた。もちろん、まだまだ足りない気持ちはあるが、若い頃に比べると日本の解像度はだいぶ高まっている。海外にももっとたくさん行きたいものだ。
自分事としてその土地に詳しくなれる。これがひとり旅の良いところだったりする。
