AI翻訳が教えてくれないこと
この前ペペロンチーノの正式名称を初めて知った。
正式名称は「スパゲッティ・アーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーノ (Spaghetti aglio, olio e peperoncino)」で、アーリオ (aglio)はニンニク、オーリオ (olio)は油、特にオリーブオイルのことを指す。
ペペロンチーノ (peperoncino)は唐辛子で、エ (e)は英語でいうandを意味する。
つまり、正式名称を直訳すると「ニンニクとオリーブオイルと唐辛子のパスタ」なのだが、日本では「ペペロンチーノ」だけが独立してしまい、お店で「ペペロンチーノください」と注文するケースを直訳すると「唐辛子ください」と言っているようなものになっている。
僕はこういったどうでもいい発見が好きで、ついつい深く調べてしまう傾向がある。そんなことしているうちにスキマバイトでもすれば、今頃はひと財産築けていたかもしれないと思うこともあるが、ついつい調べてしまうのだからしょうがない。
スペイン語を勉強したことがある人であれば、アメリカのロサンゼルスが「Los Angeles」で「天使たち」という意味だと知っているが、これは日本人にはなかなか気づくことができない。Los(ロス)は定冠詞で英語の The に相当し、Ángeles(アンヘレス)は天使(ángel)の複数形だ。
ラスベガスもスペイン語で「Las Vegas」でVega(ベガ)が肥沃な草原を指す。スペイン語は男性名詞と女性名詞があり、Lasは女性でLosは男性名詞だ。今やカジノや巨大ホテル、高層ビル、ネオンサインが立ち並ぶエンタメ大都市になってはいるけれど、元々は肥沃な草原だったんだろう。
だから何だと言われればそれまでではあるが、定着した言葉にこういった背景があることを知ると、僕は何だか気が楽になることがある。
なぜかと言うと、ペペロンチーノに関しては「世の中結構適当だな」と思うことができるし、ロサンゼルスやラスベガスに関しては高尚な地名だと思っていたら、ただスペイン語由来の土地名だっただけという拍子抜けた気づきを得ることができる。
日本語のレンズを通して世界の物事を見てしまっていることに気づけるのだ。欧米に対して何かカッコよさや美しさを感じることがあるが、ペペロンチーノもただの唐辛子だったことを知ると、異国への妙な憧れも現実的なイメージへと元通りになる。
こうして世の中への視点に気づきを与えてくれる語学学習は、ただの翻訳機械を駆使したコミュニケーションツールを上回る価値をもたらしてくれる。
やっぱり語学学習は良いものだ。時間を作って勉強がしたい。
