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偉大な企業理念と自分の人生の関係

会社で有志の勉強会をしている。今は古参の社員が僕以外はほとんど辞めてしまい、外部から若くて優秀な人材が入ってきた。企業の新陳代謝が促進されているところであり、若い彼らが非常に意欲的なのだ。

さて、勉強会の内容だが、業界の研究やソフトなスキルを学ぶのだとすると正直つまらなくなるので、せっかく業務外に有志で集まってやるからには、我々も楽しみながらワクワクできる「企業のビジョン、ミッション、バリュー」について議論しようということになった。

ビジネス書の古典である『ビジョナリーカンパニー』を読めばわかるが、偉大な企業は創業して早期の段階で企業のビジョン、ミッション、バリューを徹底的に考え抜いている。もちろん、僕が勤めている会社も企業理念や行動規範は掲げているが、それを丁寧に解釈して現場の行動にまで落とし込めるようにしようという目論見だ。

ということで、まずは世の中の有名企業のビジョン、ミッション、バリューを調べてみたところ、やはりこれらはその会社を体現している感じがあるとわかった。

はじめに調べてみたのが、かの有名な電通の「鬼10則」である。これはビジョンというよりもバリュー(行動規範)にあたる。

1. 仕事は自ら創るべきで、与えられるべきではない。
2. 仕事とは、先手先手と働き掛けて行くことで、受け身でやるものでない。
3. 大きな仕事と取り組め、小さな仕事はおのれを小さくする。
4. 難しい仕事を狙え、そしてこれを成し遂げるところに進歩がある。
5. 取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは・・・
6. 周囲を引きずり回せ、引きずると引きずられるのとでは、永い間に天地 のひらきができる。
7. 計画を持て、長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、そして正しい 努力と希望が生まれる。
8. 自信を持て、自信がないから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚み すらない。
9. 頭は常に全回転、八方に気を配って、一分の隙もあってはならぬ、サー ビスとはそのようなものだ。
10. 摩擦を怖れるな、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、でないと君は卑屈 未練になる。

現場は最高の営業マン

賛否あるどころか、今は否定の方が圧倒的に多い鬼のような内容だ。ただ、シンプルでわかりやすく正しいと思えるものもいくつかある。個人的に5と6は野蛮な印象があって好きになれないが。

次にニデック(旧日本電産)を調べてみた。あの永守さん率いる日本の大手メーカーである。ニデックはビジョン・ミッション・バリューに加えて社是であるポリシーや行動規範・行動指針を掲げているが、そのなかのバリューに「三大精神」というものがある。

情熱、熱意、執念
知的ハードワーキング
すぐやる、必ずやる、出来るまでやる

ニデック|企業理念

これはシンプルでわかりやすい。10則もあると覚えられないうえに、行動しようと思った時にどれをもとに考えればいいかわからなくなりそうだが、この三大精神だったらすぐに行動に繋げられそうな気がする。何と言っても「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」なのだから。

とはいえ、最近この方針に現場が耐えられていない様子がニュースにもなっていた。この価値観が正しいかどうかは、その時代に働く社員達と社会によって決まるんだろうか。

その他にも調べていたところ、50社分の企業理念をまとめているサイトを見つけることができた。時間がある人はひと通り見てみることをおすすめする。世の中の見方が少し変わるかもしれない。

尚、ここに書かれているのは上述の鬼10則や三大精神のような、バリュー(行動規範)にあたるものより、もう一段階上のフェーズであるビジョンについて紹介されている。

面白いと思った企業をいくつか抜粋する。まずはGoogleが凄いと感じた。こんなビジョンはGoogleにしか掲げることができないだろう。

Google が掲げる 10 の事実
1. ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
2. 1つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。
3. 遅いより速いほうがいい。
4. ウェブ上の民主主義は機能する。
5. 情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。
6. 悪事を働かなくてもお金は稼げる。
7. 世の中にはまだまだ情報があふれている。
8. 情報のニーズはすべての国境を越える。
9. スーツがなくても真剣に仕事はできる。
10. 「すばらしい」では足りない。

出典:https://www.google.com/about/philosophy.html

特に4の「ウェブ上の民主主義は機能する」に関しては深みすらある。10の「「すばらしい」では足りない」もユーザーとして現に体験している人も多いだろう。魔法のような検索エンジンはこういった規範のうえに構築されていったのかと思うと凄い。

次にコカ・コーラも「Paint it RED!」というシンプルでカッコ良いものだった。コカ・コーラはもはやシンボリックな企業なので、こういったスローガンも成り立つのだと思う。

コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社 企業理念
Paint it RED!
未来を塗りかえろ。

https://www.ccbji.co.jp/corporate/mvv/

やっぱり偉大な企業には偉大なビジョン、ミッション、バリューが不可欠だったようだ。

企業の活動は毎日におよび長年続いていく。それを大勢の社員で実践していくのは物凄く難しいことだ。社員ひとりひとりに家族と生活があるからこそ尚更だ。だからこそ、指針となるビジョン、ミッション、バリューが必要なのだ。

とはいえ、こういった企業理念は個人の生活や幸福を担保してくれるわけではない。企業理念は社員に「働く目的意識」を与えるけれど、それはあなたと家族の生活を直接守ってくれるわけではないのだ。

「殺されても放すな」「出来るまでやる」と忠誠心を誓ったとして、殺されたら自分の人生は終わってしまう。僕も過去に病気になって仕事を辞めたが、辞めて治療に専念した判断は正しかったと今でも思っている。

自分の人生にも「ビジョン、ミッション、バリュー」を持った方がいいかもしれない。それがそのまま個人の生存戦略となり、結果的には企業ともウィンウィンの関係になるのが一番良いのではないか。


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