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依存しないで生きる|現実を味方に付ける生き方

若い頃に夢中になって読んだ橘玲の『貧乏はお金持ち』が新版になって発売されたらしい。読んでみれば本当に「貧乏はお金持ち」なのだとわかるので、気になる人は未読ならば読んでみてほしい。

ちなみに僕が読んでいた旧版というか文庫版はこちら。妙な表紙だが、本当に役立つ(身も蓋もない極めて現実的な)知識と生きていくうえでの希望を手に入れられることは間違いない。

本書には様々な知識が詰め込まれているが、僕が本書から学んだのは知識だけでなく、国や企業に対してのスタンスだ。

人は誰もが国家や企業に属して生きており、基本的には逃れることができない。社会が発展すれば恩恵を受けることができるが、衰退すれば共に沈みゆく運命にもある。人はひとりでは生きていけないにも関わらず、経済が衰えると国民の暮らしも貧しくなってしまう。

そんな社会ではネガティブなニュースが蔓延し、国民からは国家にも企業にも多くの批判が寄せられるようになる。賃金は下がり、物価は上がり、税金はまた増えていく。

しかし、国家も企業も全国民を適切に管理できるほど完璧な制度設計ができているわけではなく、社会制度には往々にして歪みが生じている。本書ではそういった「歪み」を利用して、個人が自由に生きていく方法を教えてくれるのだ。

国を変えたいと思うのなら投票に行くかロビー活動を行うしかない。企業を変えたければ、転職するか自分で起業するしかない。

だが、国家も企業も正しく理解をして受け入れることができれば、その制度を利用して最大限の利得を得ることができる。基本的には、国家や企業が会社員を利用するものだが、逆に会社員が国家と企業を利用して生きていくことができるのだ。このスタンスを学べることが本書の魅力のひとつだと思う。

何事も自分の人生のために「利用する」というスタンスでいることで、本質を見失わずに取り組むことができるはずだ。

例えば、学歴や資格についても、それが目的になってしまっている人は多い。難関大学に入学することができても、結局のところ就職ができずに困っている人は多い。TOEICで高得点を獲得できても翌月の給料は変わらず転職ができるほどでもない。「学歴があっても意味がない」「資格を持っていても意味がない」そう思うかもしれない。

しかし、それらを目標に据え置くことで勉強をしていたのならば、それは自分を奮い立たせるための目標として機能していたことになる。

会社員をしていると、本質的な価値のない膨大な仕事を引き受けることが往々にしてあるが、それを無意味だと捉えるのではなく、仕事をこなすだけで恩恵が得られると考えた方がいい。会社員は多く稼いでもそれに見合う報酬は少ないが、稼げなくてもそこそこの給与が貰えるものだ。

人生に希望を見出せずにいると、国家や企業に搾取されている気持ちになることは多い。だけど、国家や企業に不平不満を言ったところで自分の思い通りに変わらない現実がある以上「利用する」というスタンスでいた方がいいだろう。

何かに依存して生きていくより、何かを利用しながら主体的に生きていく方が、幸福感は高まると思う。そんなことを本書からは学んだ。

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