こっそり教える人には言えない生存戦略|中小企業の会社員
この前、離職の連鎖に関わる投稿を書いたが、なんとその翌日に僕の会社でまた退職者が出てしまった。仲良くしている同僚の女性が慌てて電話をかけてきたので、思わず「離職の連鎖は川を渡る前の水牛に似ている」ことを喋ってしまったが(詳細は下記の投稿を参照)、よく笑ってくれたので救われた気持ちになった。危機的状況では笑ってやり過ごす能力が必要だ。
この時にあらためて思ったのだが、組織によっては、何かを成し遂げることではなく、問題を起こさず健やかに貢献し続けるだけで出世するケースがあるということだった。
この退職の連鎖によって僕に部長から連絡があり、他の中間管理職を撤退させて平社員に戻し、僕を統括のポジションにしてしまうのはどうかと会話ベースで話してきた。統括はSVとよばれるので部長(GM)に次ぐ部内でNo2の存在だ。
何もしていないにも関わらず、周りが脱落しているのを水牛の例えで笑い話にしているうちに昇格しそうになったんである。
橘玲の『残酷な世の中で生き残るたったひとつの方法』という本がある。
結論はぜひ読んで確かめてほしいが、要はNo1を目指すのではなく、一段落レベルを下げた環境に身を置き続けることで相対的な高評価をキープできるということが書かれている。少なくとも僕はそう解釈した。
ロングテールという言葉があるが、それをもとに人生の生存戦略を説明してくれており、身もふたもない、そして夢もない内容だとは思ったが、物凄く納得がいっている内容でもある。今の僕がその様な状況になっているからだ。
僕が昔勤めていたIT企業の現場でも、仕事の成果があがらずに悩んでいた時があったが、現場では入館カードを飲みの席で紛失してしまう社員や、デスクの鍵を紛失する社員が数人存在した。また、メールの誤送信や危険なサイトにアクセスしたことによるセキュリティリスクに及んだ社員もいた。(重大なインシデントにはなっていない)
こういった社員というのはどこの職場にも一定数存在してしまう傾向がある。そういった誰かが大きな問題を起こすと、何ら成果を挙げていない社員でも「入館カードを失くさないでくれて有難い」「セキュリティ事故にいつも気を付けてくれてありがとう」といった感謝をされるようになる。
当たり前のことをやっているだけで、当たり前のことで大きなミスをした社員に勝つことができるのだ。
これは、ビジネススキルが高い人ばかりで構成されている優秀な企業では起こり得ないかもしれない。だが、中小企業や人手不足の現場など、そういった環境ではこういった社員は必ず存在する。だとすれば、そういった職場の状況を読み取り「これだけは守るべき」ということを見分けて、粛々と仕事をしていれば、それだけで出世に繋がることも割と往々にしてあるのだ。
夢のない話だと思うかもしれない。ただ、これを読んで自分に向いているかもしれないと思った人はぜひ試してみてほしい。もちろん成功する保証はしないが、それは必死に成果を挙げようと努力した場合も同じことだ。
