見出し画像

あなたに会えて幸せ/第5章第22話【番外編】


将棋好きなミクの父(ネット将棋3級)が訪ねてきた。

「トモキくん、将棋できるかい?」
「ええ、少しは、、、」
「良かった🎵 相手してくれないか?」

トモキは、車椅子・ミクの父は、丸椅子。
お互いに駒を並べる音が、パチパチと響く。

「お義父さん、先手どうぞ」
「お願いします」
「お願いします」

10手ほど進む。

(お義父さん、穴熊か。それなら)

「え? トモキくん、随分おかしな手だね」
「・・・(無言のトモキ)」

(トモキくん、あまり将棋を知らないのかな?)

だが、ミク父の穴熊は、完成する前に、トモキの速攻により崩れ去った。
対するトモキは、いつの間にか美濃囲いが完成してる❗

「くぅ、、、俺の負けだ❗」
「ありがとうございました🙇」
「ありがとうございました🙇
 トモキくん、強いじゃないか。
 今の戦法、なんて言うの?」
「藤井システムですよ☺️」
「ええ~❗
 これが、あの恐るべし藤井システム❗」

ミクの父は、ガックリ肩を落とした。

「少し、感想戦しますか?」

ふたりは、初手から振り返った。

「この手ですよ。お義父さん。
 僕の角でお義父さんの玉をロックオンして
 桂馬を跳ねます」
「そうか、桂馬かぁ、、、。
 そこから崩れたものなぁ」 

真剣に将棋盤を見つめるふたり。

「ところでトモキくん。
 君は、ミクの父である私に
 【手加減して、勝ちを譲って花を持たせる】
 とは、考えなかったのか?」
「手加減して、勝ちを譲って花を持たせる?」
「そうだ」
「考えませんでした。
 お義父さんに対して、そんな失礼なことできません」

ミクの父は、トモキの目を見つめた。

(ミクは、凄い男を連れて来たんだな。
 この若さで、この器の大きさ。
 俺の負けだ)

「トモキくん、俺に将棋を教えてくれないか?」
「こんな僕で良ければ☺️」
「ありがとう💓
 死ぬまでには、初段になりたいんだ❗」
「死ぬまでと言わず、3年後には。
 早ければ来年」
「ナニ❗ そんなに早く!」

トモキは、ネット将棋のアカウントを作り、
ミク父に伝えた。
その日から毎晩、ミク父とトモキの対局が続いた。

「ちょっとぉ!
 私をほったらかして、毎晩どこの女と話しているのよ❗」
「どこの女って、、、。
 君のお父さんとネット将棋。ほら☺️」

トモキが見せてくれたネット将棋の相手は、
父の顔アイコンだった。

「だろ? この勝負が終わったら、
 一緒にお風呂入ろうよ❤️」
「まぁ❤️」

(完)
  

第23話に続く


最初から読む







いいなと思ったら応援しよう!

もうひとつの《1リットルの涙》 よろしければ、サポートをお願いいたします。