出来る人 集めてみたが 成果出ず | なぜ、組織は力を出し切れないのか?【働くを詠む #02】
あなたは、4番バッターを集めれば強いチームになると思いますか?
前回の記事では、人は100%の力を出せないと書きました。
今回は、その「見えない部分」について考えてみます。
能力はあるはずなのに
一人ひとりの能力が高くても、
その力がうまく噛み合わなければ、
思ったような成果にはつながらないです。
30代の頃、同じ部署で立ち上げが停滞している新サービスのプロジェクトがありました。
当時、私は別のプロジェクトを担当していたので、少し離れたところから見ている立場でした。
メンバーは入社4年目の若手4人。
各メンバーが優秀なのは、よく知っていました。
たまに、タバコ部屋で交わされる会話を耳にしながら、私はあることに気づきはじめていました。
目指す目的がブレている
誰が何を決めるのかが曖昧になっている
やる気がないわけではない。むしろ、みんな真剣。
でも、その力がどこかで噛み合っていませんでした。
では、なぜ能力が引き出されていなかったのでしょうか。
能力が足りなかったからでしょうか
やる気がなかったからでしょうか
そうではありません。
人は機械ではなく、心を持っているからです。
プロセス・ロスという考え方
この現象を説明したのが、
社会心理学者のスタイナー(Steiner, 1972)です。
スタイナーは、集団で仕事をするときに
生じる力の目減りを
「プロセス・ロス」と呼びました。

仮に全員が10kgの引く力を持っていたら
6人で本来なら60kgの力が出るはずなのに
実際には40kgしかでていない
これは人が集まることで生じる「ズレ」や「迷い」によって、
本来出せるはずの力が失われている状態です。
この失われた差分こそが、プロセス・ロスです。
数式で表すと、次のようになります。
実際の能力 = 潜在的な能力 − プロセスによるロス
プロセス・ロスの正体
プロセス・ロスの要因には、例えば次のようなものがあります。
社会的手抜き:人数が増えることで生まれる「誰かがやるだろう」
目指す方向性のズレ:ゴールの解釈が人によって違う
役割の曖昧さ:誰がどこまでやるのか分からず、お見合いや重複が起きる

この図は、前回の「面積」にプロセス・ロスを考慮してみました。
図の青い柱は実際の一人ひとりが発揮している能力ですが、
その上部に重なっている薄い層がプロセス・ロスです。
せっかく高い能力を持っていても、
100%発揮できないため、その面積が削り取られてしまっているのです。
ロスを抑えることが重要
これまでの時代は、
多少ロスがあっても、人数(横軸)を増やすことで
組織力の面積を大きくすることができました。
しかし、労働人口の減少や人材流動化を考えると、
単純に人を増やすことは、年々難しくなっています。
一方で、
個人の潜在能力(縦軸)を高めることも当然必要ですが、
人がやる以上、ロスをゼロにすることはできません。
だからこそ、これからの組織では――
ロスを抑えることが、とても重要な仕事になります。
出来る人 集めてみたが 成果出ず
あなたの職場では、どんなロスがありますか?
目指す方向性でしょうか、
役割分担でしょうか?
では、そのロスは、どうしたら抑えることができるのでしょうか?
次回【働くを詠む #03】
前回【働くを詠む #01】
組織力 気軽に語る 見ぬままに
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