美徳とは 知りつつ利他は しんどいな | 利他は意識するものでしょうか?【働くを詠む #10】
利他は、「頑張って意識すべき美徳」なのでしょうか?
前回の記事で、組織として協働するときに、自分の事だけを
考えていれば良いのでしょうかと書きました。
今回は、協働に必要なことの一つである利他について考えてみます。
利他
組織の中で、こんな言葉を聞くことは少なくありません。
利他の心で取り組もう
もっと思いやりを持とう
ただ、どこか腹落ちしない。
維持し続けるのはしんどい……。
そんなモヤモヤを感じたことはないでしょうか。
漏れる仕事
以前、停滞していたプロジェクトを途中から引き取ったことがあります。
メンバーは、優秀な若手4人。
まず取り組んだのは、それぞれの強みを活かせる役割分担でした。
その役割が、プロジェクトの成功にどうつながるのかを伝え、
日々の仕事が目的からずれていないか、見続けました。
ただ、どれだけ役割を組んでも、
誰の担当にも当てはまらない仕事は出てきます。
たいてい、
地味で目立たず、誰の手柄にもならない、面倒な裏方の仕事です。
そこは、私が引き取りました。
誰かに割り振ることもできました。
でも、それぞれの強みを最大限活かし、
プロジェクトを成功させるには、
それが一番合理的だと判断したからです。
スポーツの事例
スポーツでも、似た構造を見ることができます。
サッカーには、ボールに直接関わらない
「無駄走り」と呼ばれる動きがあります。
味方のためにスペースを作るだけの、自分の得点にはならない動き。
野球には、送りバントや進塁打。
自分の打率には残らず、ランナーを先に進めるためだけの一打。
どちらも、一見「自己犠牲」のように見えます。
でも、それを選ぶ選手にとっては、特別な献身ではありません。
「チームで勝つ」という同じ目的が共有されているからこそ、
自然に選ばれる、合理的な一手なのです。
合理的な行動
これらは、「良いことをしている」のではありません。
同じ目的が共有されているからこそ、
それが最も合理的な選択になる――
そういう構造があるだけでした。
利他とは
他者のための「自己犠牲」ではなく、
同じ目的の共有という構造の中で、
自然に選ばれる最適な行動でした。
利他は、美徳ではない。
特別で、意識するものでもない。
最も効率的な行動です。
では、なぜ組織ではうまくいかないのか。
多くの組織では、こう言われます。
利他の心で取り組もう
もっと思いやりを持とう
それを求めている時点で、
利他が「できていない」のではなく、
共通の目的の共有が不十分なだけではないでしょうか。
その時には、
他者のための行動が、しんどいものになってしまうのです。
美徳とは 知りつつ利他は しんどいな
利他を求める組織は、
共通の目的の共有が不十分であり、
個人の善意に依存しているのかもしれません。
利他は良い行いではなく、
共通の目的を共有しているときに
自然に生まれる行動や考え方。
私たちが求めている『一体感』の正体は、
ここにあるのかもしれません。
あなたの職場では、
利他は頑張って生まれていますか?
それとも、自然に生まれていますか?
でも、他にも「共通の目的の共有」が前提なことがありませんか?
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公欲に 私欲を重ね 動き出す
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