測るだけ それでは人は 動かない | スコアは目的でしょうか【働くを詠む#14】
あなたの職場では、スコアが出たときに、何が始まりますか?
前回の記事では、なぜ、スコアを上げることを目的に
してしまうのでしょうかと書きました。
今回は、なぜその状態が起こるのかについて考えてみます。
エンゲージメントサーベイの結果
前回より2pt下がって、全社平均を下回ってしまいました。
といった結果が共有されます。
そして、言われます。
改善に向けた取り組み計画を提出してください。
すると、本来は組織の状態を知るための
指標だったはずなのに、
どうやってスコアを上げるのかを
考える会議が始まります。
私の職場でも、こんな会議が行われます。
今回のエンゲージメント結果、スコアが
2pt下がってしまいました。
これを上げるには、どうしたらいいかな?
すると、議論は自然と、
会話が少ないんじゃないか?
挨拶していないよね?
そして、
まずは挨拶をしよう、コミュニケーションを増やそう
という方向に進みます。
もちろん、それ自体が悪いわけではありません。
ですが、そこで出されるのは、誰も反対できない。
けれど、誰も本気になれない。
そして、リーダーの言葉に、
とにかくスコアを上げよう
という意図が透けて見えた瞬間、
会議の目的は、組織を良くすることではなく、
数字を良くすることへと変わってしまいます。
誰も間違ったことを言っていないのに、何かが噛み合わない。
その違和感の正体が、今回のテーマです。

疑似相関
少し統計の話になりますが、
その違和感に繋がる有名な例があります。
夏場にアイスクリームの売上が伸びると、
水難事故も増える。という話です。
実際にこの2つには相関があります。
ですが、アイスクリームが多く売れると、
水難事故が起きると言われても
本当かな?と誰もが思いますよね。
その通りで、下図のようにこの2つには因果関係はなく、
共通して影響している気温上昇という
第3の変数による疑似相関です。
一方、
エンゲージメントサーベイを提供する企業から、
調査結果やレポートを引用してこんな話を
聞くことはありませんでしょうか。
エンゲージメントが高い企業は、
業績も高いと言われます。
しかし、統計の例と同じで「スコアを上げれば業績が上がる」
と考えるのは少し早計です。
その間には、「働く意味や手応えを感じられる職場づくり」という、
本来取り組むべき要因が存在しているのではないでしょうか。
その取り組みの結果、
エンゲージメントも業績も向上するのだと考えられます。
この「見えにくい実感」が数値化されたことで、
いつの間にか、
本来の「現場の目的」が、「スコアの向上」に
置き換わってしまっているのです。

スコアは結果
エンゲージメントサーベイは
料理でいう味見です。
味見をすると、
味が薄い濃すぎる
バランスが悪い
など、今の料理の状態がわかります。
改善のヒントも得られます。
ただし、
味見そのものが料理を
美味しくするわけではありません。
必要なのは、
なぜ味が崩れているのか?
何を調整する必要があるのか?
それらを考え、
料理そのものに手を入れることです。
エンゲージメントも同じです。
「働く意味や手応えとしての実感」を
得るための取組み結果を知り、
改善を続けていくための、組織の味見なのです。

測るだけ それでは人は 動かない
スコアは目的ではなく、結果です。
味見だけでは、料理は美味しくなりません。
あなたの職場では、
味見だけで終わっていませんか?
料理を美味しくするには、
味見のあとに手を加える必要があります。
では、味見のあとに、どんな取組みをすれば良いのでしょうか?
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