アンケート 意味も知らずに ただ埋める | エンゲージメントは誰のため?【働くを詠む #13】
ここからは第三章です。
「組織を診るとは」について考えていきます。
そもそも、
あなたは、なぜエンゲージメントサーベイに答えているのですか?
現場での状況
「これ、本当に意味あるんですかね」
「どうせ良い点つけておけばいいんでしょ」
「とりあえず回答しておいてね、って感じですよね」
出向先から戻ってきて、
最初のエンゲージメントサーベイが配信されたときに
周りからそんな声が聞こえてきました。
順調にサーベイの目的は浸透していると思っていました。
残念というより、こんな風に思われているんだとーー
そんな気持ちでした。
そして、「このサーベイは私が導入したんだ」とは言えず、
苦笑いしながら、
「素直な気持ちを回答すればいいんだよ」と
何とか言えただけでした。
ただ、自分に指を向けると導入した時の私自身も何も
わかっていませんでした。
「エンゲージメントとは何なのか。」
私が本気で考え始めたのは、この出来事が出発点でした。
第三章は、その問いについて整理していきます。
役割によって異なる目的

エンゲージメントは、「会社が好きかどうか」や
「満足しているかどうか」ではありません。
組織の目標や仕事に意味を感じ、自ら関わりたいと
思える状態を表しています。
つまり、気分の良し悪しではなく、
行動につながる心理状態とも言えます。
ただ、この言葉が少しややこしいのは、
立場によって見ている目的が異なることです。
経営にとっては、持続的成長や人的資本経営のための指標。
人事にとっては、状態を指標化し、全社スコアを向上させること。
現場にとっては、自身の働く意味や手応えとしての実感。
同じ言葉でも、意味合いが変わります。
あなたの職場では、どんな目的になっていますか?
そして、多くの企業で、エンゲージメントスコアが
全社KPIとして掲げられます。
それ自体は間違いではありません。
ただし、その意味が正しく現場に共有されないまま
展開されたとき、その数字は
「状態を知るためのもの」から
「達成すべきノルマ」へと変わります。
そして、誰も信じていないのに、
誰も否定しない形式的な仕事が残ります。
私が目の当たりにしたのは、まさにその状態でした。
現場にとっての意味
では、現場にとってエンゲージメントとは、何なのでしょうか。
人が主体的に動く状態を測ろうとしているのなら、
その状態とは何なのでしょうか。
前回の記事#012(人が動く構造)で整理したように、
私は、その状態とは公欲と私欲が満たされている状態だと考えています。
つまりエンゲージメントは、その充足状態の表れです。
そう考えると、エンゲージメントは会社のためだけの指標ではありません。
自分が納得感を持って働けているか、
力を発揮したいと思える状態かを映すものでもあります。
つまり、エンゲージメントは
自身の働く意味や手応えそのものです。
アンケート 意味も知らずに ただ埋める
あのとき周りから聞こえてきた言葉は、
エンゲージメントの目的が十分に
共有されていなかったことの
表れだったのかもしれません。
あなたにとっての、エンゲージメントの目的は何ですか。
そして、エンゲージメントは重要な指標です。
ただ、指標である以上、それ自体で組織が変わるわけではありません。
にもかかわらず、多くの組織では、
なぜ、エンゲージメントそのものではなく、
「スコアを上げる」ことを目的にしてしまうのでしょうか?
次回【働くを詠む #14】
前回【働くを詠む #12】
流行追い 入れた施策が 回らない
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