じぶんハードル
社長の実存合理性と小話 第2話
営業代行会社の社長と打ち合わせをしていたときのことです。
その社長は、新しいサービスを作ろうとしていました。
とてもいいアイデアだったので、私は言いました。
「これ、まず小さく始めてみたらどうですか?」
すると社長は少し考えてから言いました。
「いや、やるならちゃんとしたサイトを作って、動画も作って、プロモーションも設計して、広告も回して…そこまで準備してからですね。」
「それ、いつできそうですか?」
「うーん…半年くらいですかね。」
「そのサービス、今日から始められませんか?」
すると社長は少し困った顔をして言いました。
「いや、それだとちゃんとしてないじゃないですか。」
この瞬間、私は心の中で…ああ、出た。
じぶんハードル。
人はなぜか、自分の前にハードルを置きます。
しかも面白いことに、
誰も頼んでいないのに自分で置く。
そしてさらに面白いことに、
なぜか高くする。
最初は30cmくらいだったはずのハードルが
「いや、サイトが必要だ」
「ロゴも必要だ」
「ブランド設計もしないと」
「SNSも整えないと」
と言っているうちに
2メートルくらいになる。
そして、社長は必ず最後にこう言います。
「準備が整ったらやります。」
この競技のすごいところは、
誰とも戦っていないことです。
自分でハードルを置いて
自分で高くして
自分で飛べなくなる。
そして、社長は最後にこう言う。
「まだタイミングじゃないですね。」
ではなぜ人は、じぶんハードルを上げるのでしょうか。
理由はいくつかあります。
一つは、失敗したくないから。
もう一つは、評価されたくないから。
でも実は、一番多い理由は
「負けたら恥ずかしいから…」です。
なぜなら、
小さく始めると
すぐ結果が出るからです。
結果が出ると、
自分の実力がバレてしまう。
(誰に?:ここがポイントです。)
だから人は、「準備」という名前のハードルを
どんどん高くしていく。
でも面白いことに、
うまくいっている社長ほど
このハードルが低い。
というより、ほぼ置いていない。
「とりあえずやってみよう」
これだけです。
やってみて
修正して
またやる。
この繰り返しです。
出来る社長は、行動が早い!
私たちが、これ…と言ったら、もうはじめている。
以前、ある社長がこう言っていました。
「成功している人って、準備がすごいんでしょ?」
実際は違います。
成功している人は、ハードルを低くするのが上手い。
だから
・動き出しが早い
・修正も早い
・経験値が増える
結果として、
経営が早い。
なので私は最近、
社長にこう聞くことがあります。
「それ、本当に必要なハードルですか?」
すると大体の場合、少し沈黙が流れます。
そして社長はこう言います。
「…また、自分でハードル置いてましたね。」
この瞬間、ハードルが一つ消えます。
経営とは、実はすごくシンプルで
ハードルを越えるゲームではなく
ハードルを減らすゲーム
なのかもしれません。
END
「社長の実存合理性」とこばなし
「社長の実存合理性」とこばなしシリーズは、マガジンでまとめて読めます。ランチの後に、お酒のつまみになるとうれしいです。是非、読んで感想を聞かせてください。
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