【26/05/23】人手不足系NEWS|採用DD専門家視点
「物流は儲からない」と嘆くのは既存企業だけ?深刻な人手不足&法規制の運輸業に新企業が2.5%なぜ増える!?
https://news.jp/i/1429030146371076476?c=113147194022725109
"脅威を機会に変える。規制は脅威になる一方で前提が変わりビジネスモデルの再考と再構築の機会になる"簡単な事ではないが。
物流業界では「儲からない」「人がいない」「規制が厳しい」という悲観論が強い一方で、それでも新規参入が増えているのは、需要がなくなったのではなく、既存のやり方では回らなくなったからだと思います。つまり、物流が終わるのではなく、古い物流モデルが終わり始めている、ということです。
採用と経営の両面から見ると、いま起きているのは単なる人手不足ではなく、事業構造の選別です。長時間労働を前提にした運行、アナログな配車、多重下請けに依存したモデルでは、法規制が強まるほど利益も人材も維持できない。一方で、新しく入る企業は最初からルール順守、効率運行、デジタル活用を前提に設計できる。だから同じ物流業でも、「厳しい業界」ではなく「再設計が必要な業界」と捉えた企業にチャンスが生まれているのだと思います。
採用現場で重要なのも同じで、足りない人をただ集める発想では限界があります。本来問われているのは、ドライバーや現場社員が無理なく働けて、適正な対価が回る仕事の設計になっているかどうかです。新しい企業が増えているのは、物流に未来がないからではなく、むしろ変われる余地が大きいから。既存企業が嘆くべきなのは市況ではなく、自社のビジネスモデルがまだアップデートできていないことなのかもしれません
急拡大する外国人労働者 「即戦力」の留学生に地元企業が熱視線 金沢で説明会
"主要ニュース配信をざっと追うだけでも、外国人雇用×地方の人手不足に関する関連記事は、1月2件前後、2月3件前後、3月3件前後、4月5件前後、5月は現時点で8件超と急増"
地方で「人が足りない」ことが、もはや一部業界の話ではなく、地域経済全体の共通課題になっていることの表れだと思います。
今回の金沢の事例も象徴的で、企業が留学生を「将来性のある人材」ではなく、すでに日本語でコミュニケーションが取れて、地域で働く意思もある「即戦力」として見始めている。これは採用市場の見方が変わってきた証拠です。実際、石川県内の外国人労働者は1万6922人まで増え、過去5年で6000人以上増加。留学生の県内就職も進み、ホテルや飲食だけでなく、運輸や製造まで広がっている。つまり地方企業は、国内人材の奪い合いだけではもう立ち行かず、外国人材、とりわけ留学生を本格的な採用ポートフォリオに組み込み始めているということです。
採用の現場から見ると、ここで重要なのは「採れるか」ではなく「選ばれ続けるか」です。留学生は確かに有力な戦力ですが、生活支援、日本語支援、キャリアの見通し、職場での受け入れ姿勢が弱ければ、都市部や他地域に流れていくのは自然なことです。だから本来は、説明会を開いて終わりではなく、採用から定着までを地域ぐるみで設計できるかが勝負になります。外国人雇用のニュースが増えているのは、制度の話題化というより、地方の人手不足がいよいよ“採用手法の変更”を迫る段階に入ったからだと思います。
今春の大学生就職率98・0% 過去2番目の高水準
"若手一括採用の限界がきた、、ついに"
就職率98.0%は確かに明るい数字ですが、採用の現場から見ると、単純に「学生にとって良い時代」とだけは言えないと思います。背景にあるのは景気の強さ以上に、少子化と人手不足によって企業側が採らざるを得なくなっている構造です。つまり、就職率の高さは日本企業の採用力向上というより、労働供給制約の強まりを映している面が大きい。売り手市場が続いているのは、学生が強くなったというより、企業が若手を確保できなくなっているからです。
さらに重要なのは、就職率が高いことと、就職の質が高いことは別だという点です。採用難の中では、企業が選考を早めたり、学生が十分に比較しきれないまま意思決定したりするケースも増えやすい。数字だけ見れば好調でも、早期離職や配属ミスマッチが増えれば、企業にとっても学生にとっても本質的な成功とは言えません。採用競争が激しい今こそ、内定を出す力以上に、入社後に活躍・定着してもらう設計力が問われていると思います。
採用DDの視点で言えば、この98.0%は「採用市場の追い風」ではなく、「若手採用モデルの限界」を示す数字でもあります。新卒を採ればよかった時代ではなく、採った後にどう育てるか、どの仕事を担ってもらうか、AIや省人化の中でどう価値発揮してもらうかまで含めて設計しないといけない。就職率の高さは安心材料である一方で、日本企業の採用と育成の再設計を迫るサインでもあると感じます。
「いい人材に出会えない」は本当か。中小企業の採用、見落とされている課題
「いい人材に出会えない」という言葉はよく聞きますが、少し見方を変える必要があると思います。もちろん中小企業の採用リソース不足は事実ですし、兼務体制の中で媒体選定から求人票作成、応募対応まで回すのは簡単ではありません。ただ一方で、本当に起きているのは「いい人材がいない」ことより、「自社に合う人材に、自社の魅力が正しく届いていない」ことではないでしょうか。
中小企業の採用課題は、知名度不足そのものよりも、“採用の解像度不足”であることが多いと思います。誰を採りたいのか、その人は何に不安を持ち、何に惹かれるのか、入社後に何を期待できるのか。この解像度が低いまま「営業経験3年以上」「主体性のある方歓迎」といった無難な求人票を出しても、求職者には違いが見えません。結果として、「いい人が来ない」という結論になりやすい。
実際には、中小企業の強みは大企業よりも具体的です。経営者との距離、仕事の裁量、専門性の深さ、顧客との近さ、地域との関係性。こうした魅力は、抽象的な企業PRではなく、働く理由として言語化された時に初めて刺さるのだと思います。採用は母集団形成の勝負であると同時に、「この会社で働く意味」をどれだけ具体化できるかの勝負です。
だから提言したいのは、採用を“募集活動”ではなく“編集活動”として捉え直すことです。求人票を出す前に、最近入社した人に「なぜ選んだか」を聞く。活躍している社員に「何が続けられる理由か」を聞く。辞退者に「何が決め手にならなかったか」を聞く。そうして集めた言葉をもとに採用情報を磨けば、中小企業でも十分に勝負できます。「いい人材に出会えない」のではなく、「自社らしい出会い方をまだ設計し切れていない」。その視点を持つだけでも、採用の景色はかなり変わるはずです。
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