上海旅行3日目|七宝老街の水郷と田子坊の路地裏
海旅行3日目、最終日は行列必至の点心店「沈大成」の朝食から始まり、南京路や豫園の喧騒とは対照的な七宝老街の水郷風景、田子坊の路地裏ショッピングを経て帰国するまでの一日だ。前日までの疲労とどう折り合いをつけたかも含めて、この最終回で3日間の体力度ものさしを総括する。
1日目、2日目の続きとして読んでほしい。
1.上海旅行3日目のスタート|沈大成の朝食と小籠包の実力

行列ができるほどの人気店で、小籠包と朝ラーメンを注文した。

小籠包は一級品だった。皮は薄く、それでいて破れることなく肉汁をしっかり閉じ込めていて、朝から幸先の良い一皿だった。

箸で持ち上げた瞬間にわずかにたわむ皮の薄さと、ひと口噛んだ瞬間に染み出してくる肉汁の熱さは、蒸したてならではの感覚だった。
1日目に食べた小杨生煎の生煎包は、鉄板で焼き上げる分だけ皮が厚めで肉汁の量も多かったが、沈大成の小籠包は同じ点心でも薄さと繊細さで勝負するタイプだと感じた。

朝ラーメンは、こってりした点心のあとでも重たく感じさせない、あっさりとした一杯だった。2日目のポップコーンが皮の残らない軽さで印象に残ったのと同じように、この朝食も最終日にふさわしい軽やかな満足感を残してくれた。

前日までの痛みは、多少和らいでいたものの、まだ完全には抜けていませんでした。この日の朝は、もう正直歩けないくらい足が痛かったですが頑張りました笑
T9で一息、そして七宝老街へ
朝食のあとは、T9 Premium Teaでひと息ついた。店内はラグジュアリーな雰囲気で、心地よいひとときとともにお茶を味わえた。1日目・2日目とは違い、この日は移動の合間に座って休む時間を意識的に作れた

2.七宝老街の水郷風景|南京路・豫園とはまったく違う上海の顔
T9を出て向かったのが、七宝老街だ。

石橋と水路、赤い提灯が並ぶ景色は、ここまでの2日間とはまったく違う、静かで趣のある上海だった。石畳の路地と水路沿いに古い建物が連なる街並みは、ネオンとスクリーンで押してくる南京路歩行街や、赤と金のライトアップで華やかに浮かび上がる豫園とは、明らかに空気が違った。

耳に届く音も、これまでの2日間とは種類が違った。雑技団の会場に響いていた歓声や、上海ディズニーのパレードを彩る音楽、南京路歩行街のざわめきとは違い、七宝老街では水路を流れる水音と、観光客が小声で話す声くらいしか耳に入ってこなかった。南京路のネオンや豫園のライトアップに比べると、提灯の灯りは石畳を照らす程度の淡い光で、食べ歩きの屋台から漂う出汁や甘い香りだけが時折鼻先をかすめていく、そんな静かな街だった。

食べ歩きをしながら、ゆっくりと水郷の街並みを歩いた。前日までの2日間は常に人混みをかき分けるような歩き方だったが、七宝老街では立ち止まって景色を眺める余裕があった。

南京路や豫園の賑わいとは対照的な、もう一つの上海の顔がここにあった。せっかくなので、ここまで訪れた観光地の「賑わい度」を、星5段階で比べてみたい。

3.賑わい度ものさし

数字にしてみると、この3日間で歩いた道のりが、実は「賑やかさの高低差」でもあったことが見えてくる。1日目の南京路・豫園というピークから、3日目の七宝老街というもっとも静かな場所まで、上海は表情の幅がかなり広い街だと感じた。1日目・2日目と賑わいの中を歩き通してきた体には、足の痛みとは別に、情報量の多い景色を処理し続ける疲れも溜まっていたのだと思う。七宝老街の静けさは、その疲れをそっと差し引いてくれる時間で、最終日にこそこういう場所を配置しておくべきだと、歩きながら感じた。
田子坊の路地裏ショッピング|世界の国旗が並ぶフォトジェニックな一角
七宝老街の後は、田子坊へ向かった。ここでは、狭い路地を歩き回るという、これまでとは違うタイプの時間を過ごした。

世界各国の国旗が頭上に飾られた狭い路地に、雑貨屋やカフェ、バーがひしめき合っていて、フォトジェニックな一角だった。

この一帯はかつてフランス租界の一部だったと言われていて、レンガ造りの古い建物がそのまま店舗として使われている様子も印象的だった。そう聞いてから見上げる建物には、これまでの南京路や豫園、七宝老街とは違う、どこかヨーロッパの街角を思わせる佇まいがあった。

狭い路地を一歩進むごとに雑貨屋の店先やカフェの看板が次々と入れ替わり、次の角に何があるか分からないまま歩を進める感覚は、計画的に見どころを回ってきたこれまでの2日間にはなかった楽しさだった。

「Blan Bunny」というティーショップで、お土産用のセットを購入した。狭い路地を縫うように歩くショッピングは、南京路の大通りを歩く感覚とも、七宝老街の水路沿いを歩く感覚とも違う、この日ならではの楽しみ方だった。
上海旅行最終日の締めくくり|南京東路の夜景から浦東空港へ
田子坊を出た後、市内に戻り、南京東路の夜景を眺めた。3日間拠点にしてきた街を、もう一度歩いておきたかった。

1日目の朝に初めて降り立ったときの南京東路と、3日間の記憶を積み重ねたうえで見るいまの南京東路は、同じ場所のはずなのに少し違って見えた。

その後、浦東空港へ向かい、帰国の途についた。上海の街を車窓越しに眺めながら過ごす、この旅の締めくくりの時間だった。
まとめ|上海旅行3日目の体力度ものさしと、3日間の総括
3日間の締めくくりとして、1日目・2日目に続く体力度ものさしを、3日目も評価してみたい。
体力度ものさし

3日目の朝は、正直まだ足の痛みが十分に抜けていなかった。それでも七宝老街や田子坊は、南京路や豫園、上海ディズニーほど歩行距離を要求してこない場所だったため、体感としては1日目・2日目より明らかに軽かった。痛みがゼロになったわけではないので★2までは下げられないが、★5が2日続いたあとの3日目としては、十分に回復に向かえる負荷だったというのが正直な評価だ。
3日間を通しての学びは、大きく2つある。
ひとつは言葉の壁だ。2日目記事の英語通用度ものさしで、上海ディズニーの英語通用度を★1と評価したが、これはパーク内に限った話ではなかった。沈大成での注文も、T9でのオーダーも、大衆点評での予約も、結局は3日間を通じて翻訳アプリなしでは成立しなかった。
1日目の誕生日ディナー予約では、大衆点評の画面を翻訳アプリで撮っては読むという作業を繰り返し、予約難易度ものさしで★4と評価した。
2日目の上海ディズニーでも、トイレの場所ひとつ尋ねるのに翻訳機を介したやり取りが必要だった。
3日目の沈大成やT9でも同じことが起きたのを見ると、これは特定の場所や施設に限った話ではなく、上海という街全体に共通する前提だったのだとあらためて思う。
20カ国以上を旅してきた中でも、ここまで言葉に頼れなかった国は記憶にないくらいだ。
もうひとつは体力配分だ。1日目に雑技団・誕生日ディナー・豫園を詰め込み、2日目に上海ディズニーと外灘を重ね、体力を使う観光をあえて前半に集中させた結果、3日目は七宝老街・田子坊というゆったり歩ける場所に触れて、ようやく体も気持ちも落ち着いた。1日目は南京東路から豫園までの道のりを直線距離で5km分と見積もり体力度★5とつけたが、2日目はその疲労を持ち越したまま上海ディズニーを歩き回り、体感としては★5でも足りないくらいだったと振り返った。その積み重ねが、3日目の朝の足の重さとして残っていたわけで、1日目か2日目のどちらかに歩行負荷の低い時間を挟めていたら、3日目の朝はもう少し違った感覚で迎えられたかもしれない。

これから上海旅行を計画する人には、体力を使う観光は1〜2日目に、歩行負荷の低い観光地は最終日に置くことをおすすめしたい。加えて言うなら、1日目・2日目のどちらかに、歩行距離の短い時間を意図的に挟んでおくと、最終日の消耗をもう一段軽くできるはずだ。旅の終わりを、痛みではなく落ち着いた気持ちで締めくくれるはずだ。
完璧な旅程よりも、崩れたときにどう立て直すか。上海での3日間は、そのことを教えてくれた旅だった。
