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ダムヌンサドゥアック水上マーケット ぼったくり値段7倍の罠

ダムヌンサドゥアック水上マーケットには"ぼったくり乗り場"と"正規乗り場"があり、料金差はなんと7倍。線路すれすれで傘をたたむメークロン市場と合わせて巡った、タイ旅行シリーズ第3回。知らずに降りれば1,500〜3,000バーツ、知っていれば400バーツ。その分かれ道を、実際に歩いて確かめてきました。

この連載でずっと言ってきた、
タイを測るもう一本のものさし。

「本物と、観光客向けを見分ける」

でも書いてきたその視点が、
いちばんはっきりした形で
目の前に現れたのが、この日でした。

向かったのは、バンコク近郊の二大名所。

線路の上に市場が広がるメークローン市場と、
ダムヌンサドゥアック水上マーケットです。

どちらも有名ですが、
この日いちばん記憶に残ったのは、
絶景でも名物料理でもなく、

「同じ水上マーケットに、

値段のまるで違う"2つの乗り場"がある」

という事実でした。順番に書いていきます。

市場の線路すれすれを進む列車

ダムヌンサドゥアック水上マーケット&メークロン市場|バンコクからの行き方

ダムヌンサドゥアック水上マーケットと
メークロン市場、
この2つをどうバンコクから結ぶか。

まずは私が実際にたどった、
"川で途切れる"
不思議な鉄道ルートから説明します。

メークロンへ向かう鉄道が、
そもそも面白い路線でした。

この線は、途中の川(ターチン川)で
線路が物理的に途切れていて、
乗客は渡し船で対岸に渡り、
別の駅からもう一本の列車に乗り継ぎます。

バンコクの他の路線ともつながっていない、
独立した"盲腸線"のような存在です。

私はこう乗り継ぎました。

BTS等で ウォンウィエンヤイ駅へ  

国鉄 約1時間・10〜12B マハチャイ駅  

徒歩5分+渡し船 約5分・約4B ターチャローム側

徒歩10分 バーンレーム駅  

国鉄 約1時間・約10B メークローン駅着

ウォンウィエンヤイ駅構内(ウォンウィエンヤイ駅→マハチャイ駅)

ひとつ大事な注意点があります。

後半のバーンレーム〜メークローン間は、
1日に数本しか列車がありません。

ここを逃すと数時間待ちになるので、
乗り継ぎは時刻から逆算する必要がありました。

バーンレーム〜メークローン間

時間と手間はかかりますが、
渡し船を挟むこの道中こそ、

渡し船(約100メートルの川を渡るためだけの船)

じつはこの日いちばん
"タイの日常"に触れられた時間でもありました。

冷房なしの扇風機だけの車内、
窓から入る風、干物を売る沿線の商店。

野菜や干物を売る沿線の商店

ツアーのバンで一気に行っていたら、
まず味わえなかった景色です。

バーンレーム駅ののどかな風景

傘たたみ市場"タラート・ロム・ホップ"|列車すれすれのメークロン市場

メークロン駅に着くと、想像していなかった
独特の光景が広がっていました。

メークローン駅は、市場のど真ん中にあります。

つまり
線路の上にそのまま市場が乗っている、
と言ったほうが正確です。

メークローン駅

普段は、レールの上ギリギリまで
野菜や魚や果物が並び、
日よけの傘が張り出しています。

そこへ、1日に数回、本物の列車がやってくる。

警報が鳴ると、店主たちが数十秒で傘をたたみ、
商品を引っ込め、列車が数センチの隙間を
縫ってゆっくり通り抜けていく。

警報が鳴り店主たちが傘をたたむ瞬間


そして最後尾が過ぎた瞬間、
また何事もなかったように傘が開き、
市場が元に戻る。

地元では
「タラート・ロム・ホップ(傘たたみ市場)」と
呼ばれているそうです。

列車通過直後、再び傘が開くメークロン市場

大事なのは、これが観光客のために
作られたショーではないこと。

地元の人が普通に買い物をする
"生きた市場"に、
たまたま線路が通っているだけという点でした。

だからこそ、列車が来ていない時間の、
何でもない市場の様子にも味がありました。

列車が来ていない時間ののどかなメークロン市場]

見どころは、この列車の通過です。

ただし、乗ってきた列車の車内からだと
市場の様子はほとんど見えません。

いったん降りて、線路脇に立って
"通過を見る"のがハイライト
でした。

通過のタイミングは、市場に着く列車と
出ていく列車の時刻でおおよそ決まっています。

※本数が少なく、時刻は変わることがあります。行く前に必ず最新を確認してください

私は昼前にメークローンへ着き、市場から
出ていく列車を線路脇で見送りました。

列車が目の前を通り抜けた瞬間は、
想像より近く列車にあたる怖ささえ覚えました。

また、店主の手際の良さはピカイチだからこそ、
狭い道を列車が通るこの一瞬こそが、
この市場の主役であると感じました!

目の前を通り抜ける列車

ダムヌンサドゥアックの「ぼったくり乗り場」と正規ルート|値段は7倍違う

そしてここからが、
この記事でいちばん伝えたい本題です。

ダムヌンサドゥアック水上マーケットには、
料金がまるで違う"2つの乗り場"がありました。

メークローンから、
乗合のソンテウで20分ほど(20〜30B)

ダムヌンサドゥアック水上マーケット行きます。
ここがこの記事でいちばん伝えたい部分です。

乗合のソンテウ

ロットゥーやソンテウ、タクシーは、
多くの場合、市場そのものではなく、
約1km手前の「乗り場」で観光客を降ろします

そこで待っているのが、客引きです。

「市場へは船でしか入れない」
「入場にはこのボートツアーが必要」と言われ、
料金は1人1,500〜3,000バーツを
吹っかけられることもあります。

通常の相乗りボートの相場は、1人およそ400バーツでした。

これはほぼ"仕組まれた入口"でした。

偽物の水上マーケット

事実はこうです。

水上マーケットの入場そのものは無料

そして、船がなければ入れない、というのは嘘。

降ろされた乗り場から左に進んで、
15分ほど歩けば、市場の本来の入口と、
正規の乗り場にたどり着きます。

ですが、ぼったくり水上ツアーは、
およそその7倍ほど高い金額設定されています!

私も、最初はこの
"ぼったくり乗り場"で降ろされました。

実は、観光客を狙って、
タクシーやツアー会社が現地の
”ぼったくり水上ツアー”とタッグを組んで

観光客を狙い、高額な水上ボートツアーに
勧誘するというのが現地では横行しています!

私は、その誘いを断って、
そのまま15分歩き、本物の乗り場へ。

そこで乗ったボートが、ちょうど400バーツ。

正規の乗り場

”数センチ横を高値の客引きが
通り過ぎていく世界”と、
正規料金の世界が、たった1kmと
知っているかどうか」だけで分かれている。

これが、この日いちばん強く残った光景でした。

運河を進むボートから見た水上マーケットの様子

だまされないための見分け方メモ|相場・時間帯・注意点

この日の経験を、
そのまま使える形にまとめておきます。

  • 降ろされた場所が市場の入口とは限らない。「船でしか入れない」は疑ってよい

  • 入場は無料。「入場料が必要」と言われたら、それも作られた話

  • 乗り場で高値を提示されたら、いったん離れて、市場の本来の入口まで歩く(左方向へ15分ほど)

  • 相乗りボートの相場は1人400バーツ前後。桁が違えば、それはツアー用の値段

  • 混雑と客引きが少ないのは早朝。午前8〜10時にツアーが集中するので、写真も雰囲気も早いほど良い

派手な絶景の裏に、
これだけの"分かれ道"が仕込まれている。

それを知っているだけで、
同じ場所が、まるで違う体験になりました。

あわせて読みたい

タイ旅行シリーズの行程・費用まわりは、
こちらの総集編にまとめています。


この日で測れたもの

正直に言えば、ダムヌンサドゥアックの
水上マーケット自体は、
「観光地化されすぎ」という声も多い場所です。

観光地化されたダムヌンサドゥアック水上マーケットの様子

私自身も、水の上の市場そのものより、
そこへたどり着くまでの道中。

水上マーケットへ向かう運河の風景

川で途切れる鉄道や、
傘をたたむメークローンの市場のほうに、
強く心を動かされました。

メークロン市場の傘たたみ市場の様子

それでもこの日を大事に思うのは、
「本物と、観光客向けは、
こんなに近くに並んでいる」ということを、
体で分かったからでした。

1kmの距離と、15分の徒歩と、少しの知識。

その差が、払う金額も、
見える景色も変えてしまう。

旅で損をしないというのは、
結局この"見分ける目"を
持てるかどうかなのだと思います。


次回予告

次回は、バンコクから北へ。
かつての首都、アユタヤの遺跡へ向かいます。

バンコクの寺院が、今も人が祈りを捧げる
"生きた寺"だとすれば、
アユタヤは、破壊されたまま時が止まった
"廃墟の古都"でした。

同じ「タイの寺」でも、
生きているものと、朽ちたもの。

その対比を、ものさしにして歩いてみます。

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