旅のはずが、引きこもり。父娘1年半の旅で起きたこと
「最近、誰とも話してないな…」
僕は娘と1年半、キャンピングカーを家にして旅をしました。
ある日、気づいたんです。
旅してるのに、引きこもりみたいだなって。
旅といえば、「人と会う/刺激が多い/開放的」──そんなイメージがあると思います。
もちろん外には出てるし、場所も景色も変わる。
でも僕らの旅は、社会との接点が静かに減っていく感覚がありました。
娘と一緒でも、ふと孤立を感じる日があったんです。
今回は、旅なのに引きこもりみたいになった理由と、接点をゼロにしないための3つの工夫を書きます。
この僕と娘のキャンピングカー旅の連載は、マガジンにまとめています。
旅なのに大半が車の中
旅って、もっと暇だと思ってました。
景色が変わって、気分も変わって。
自由を満喫しながら、ちょっと仕事して──みたいな。
でも現実は真逆。
旅は暇じゃなく生活の処理で埋まっていったんです。
移動して、買い出しして、洗濯して、食べて、風呂を済ませて、寝る場所を探す。
それだけで一日が終わる。
しかも、車の中で生活する時間が想像以上に長い。
さらに旅は、毎回同じ場所じゃありません。
土地も店も寝る場所も変わるし、娘のペースもある。
定番ができないから、気がつくとずっとその場その場に対応し続ける感覚でした。
過去、国内外、旅の経験を多少はしてきました。
だから、旅の不便さも分かっているし、その不便さこそが旅の醍醐味だとも理解していたんです。
でも一日が終わったときに残るのは、達成感というより、「1日終わった…」という疲労感になっていきました。
そしてこの状態で、誰とも話さない日が続くと、じわじわ効いてきます。
孤立の正体
そんな中でも、娘はいつも隣にいます。
会話もあるし、笑い合うこともある。
旅をしてるから、外には出ます。
買い出しにも温泉にも道の駅にも行く。
でも、出かけてる感がだんだん薄れていきました。
いつの間にか旅の後半は、娘が外に出ない日が増えていきました。
そこで、じわじわ感じ始めたことがありました。
旅をしているのに、接点が減っていく。
人との接点が、ほとんどない。
たとえば、会話があったとしても、
「ありがとうございます」
「レシートいりますか?」
──その程度です。
しかも僕らは、同じ場所に長く滞在しません。
顔を覚えられる前に移動するし、常連にもならない。
旅って、本来は人に会えそうじゃないですか。
でも現実は逆でした。
ただ、1つその時期の話をすると、コロナ禍が重なっていました。
僕らは車が家だったこともあり、人との接触を最低限にしていましたし、人一倍施設の利用にも気を使っていました。
そうして僕らは、ますます車の中で生活するようになっていったんです。
そして、気づけば社会と僕らの距離はどんどん開いていました。
そうして僕は、孤立を感じるようになったのです。
孤立がじわじわ効いた変化
孤立って、寂しいだけでは終わりません。
僕の場合は、じわじわ生活に出てきました。
人と話すって、雑談でも、ちょっとしたやり取りでも、刺激を感じたりしますよね。
例えば挨拶ひとつでも、気持ちが少し元気になることってあります。
社会の繋がりって、こうした目の見えない効果って大きいと思うんです。
僕らの場合、生活を回すだけで一日が終わるって話をしました。
これは、肉体だけの疲れではありません。毎日の生活を回す選択や判断で、精神も疲れていたわけです。
生活を回すだけで消耗していると、外からの刺激がゼロに近い日が、想像以上に効いてきたのです。
そんな状況で孤立を感じた僕は、肝心の稼ぐ方、つまり仕事やアイデア、先の計画のやる気が沸かなくなっていきました。
もちろん、孤立だけが理由ではありません。
でも、人と話す機会がもう少しあったら、仕事の意欲の落ち方は違ったかもしれません。
旅しながら稼ぐことは甘くない、という話は別記事にまとめました。
社会との接点をゼロにしないための3つの工夫
とはいえ、何も対策をしなかったわけではありません。
僕が、社会との接点をゼロにしないために意識したことは3つありました。
① 新しい土地での小さな交流を作ること
地元の店や飲食店で、会話が生まれなくても、店員さんと一言交わすだけでいい。イベントや集まりがあれば、無理のない範囲で覗いてみる。
深く関わらなくても、人がいる空気に触れるだけで、孤立感が和らぐことがありました。
それだけで、社会が少し近くなる日があったんです。
② オンラインのつながりを切らさないこと
僕自身が、ひとり起業を教える「せき塾」やコンサルをオンラインで開催していたので、塾生さんたちが大きな接点になりました。
また、SNSやオンラインコミュニティで、同じようなライフスタイルの人たちとの交流や、交流はしなくても発信を見るだけでも、情報や刺激が入ってきます。
画面越しでも、社会と繋がってると思えるだけで助かる日がありました。
③ 旅の途中に拠点を持つこと
多拠点生活を支援するサービス(ADDress)やシェアハウスのように、人とつながる機会が生まれる場所があります。僕の旅の中では、一番濃い社会との接点がADDressの拠点でした。
ずっと旅を続けるなら、孤立対策としても有効です。戻れる場所があるだけで、心が違いました。
このように僕は、交流を増やそうという目的じゃなく、社会との接点をゼロにしない目的でこの3つを意識しました。
僕は娘と一緒だったからこそ、いちばん大事にしたのは娘といい旅にすることだったんです。
おわりに

旅は自由です。
でも放っておくと、僕らのように、生活だけが引きこもりみたいになっていく。
だから、もしあなたが「旅しながら暮らす」を考えているなら、接点がゼロにならない設計だけは入れておくと安心です。
次回は、旅と娘の学校(義務教育)の両立にぶつかった話です。
続きはこちら。
👉 1年半、旅と娘の義務教育を両立させたかった。答えはすべてNOだった
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よければ、最初に書いた自己紹介の記事も読んでみてください。
せきたつや
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