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アンドロイド転生1408

約2年前にNASAの宇宙飛行士候補生に選ばれたカナタ。アメリカのヒューストンにあるジョンソン宇宙センターで集中的な基礎訓練プログラムを受けた。それは厳しいものだった。

①宇宙船のシステムの他、天文学、物理学など幅広い科学技術分野の知識の習得

②国際宇宙ステーションなどで、システム操作やロボットアームの習得

③無重力状態での作業をシミュレーションするための水中訓練や宇宙服の操作訓練

④ジェット機などの訓練機を操縦し、飛行スキルを維持・向上

⑤陸上および海上のサバイバル訓練及び緊急事態への対応能力を養成

⑥多言語習得訓練

⑦継続的な体力トレーニング

以上なのだが、それらを全て2年で成功させることは困難であり、多くが脱落していく。だがカナタはプログラムを修了した。卒業式が開催され、そこで正式に「宇宙飛行士」として認定されたのだ。

・・・

2131年7月31日 
茨城県白水村 共同の居間にて

卒業式の様子が全世界で同時刻に放映された。遠く離れた日本の茨城県の山奥にあるホームでも、その場面を村民一同で観ていた。卒業生の中にカナタの姿があった。

誇らしげな表情に父親のアラタが呟いた。
「あれは…俺の息子か?」
誰かがそうだと言って笑った。するとアラタは顔をくしゃくしゃにして泣き出した。

「俺はよう…何だかよう…。あれだ…ほれ、かぐや姫の翁になった気分だ…」
「姫じゃなくて皇子ってところだな!」
また誰かが言い出すと全員が笑った。

一同が再びテレビに注目すると、NASAの責任者が卒業生に向かって言葉をかけた。同時通訳で日本語に切り替わる。

「これからあなた達は、様々な宇宙飛行のミッションにアサインされる資格を得ます。商業宇宙ステーション、月、火星など。そしていつかは太陽系を飛び出す可能性も秘めています」

その言葉を聞いて、今度は母親のミユキがさめざめと泣き出した。誇らしさと、遠いところに行ってしまうような寂しさ。「万感の思い」。まさしくそれだと言えた。アラタは妻を抱き寄せた。

・・・

数時間後 両親の部屋にて

夫婦の前にはカナタのホログラムが浮かび上がっていた。いつもの如く、呑気な笑顔を見せている。アラタは思い切って尋ねてみた。

「それで?どこに行くんだ?月か?火星か?」
カナタは苦笑して首を横に振った。
『まだ不明だ。実際のミッションにアサインされたら、またそこから訓練が始まるんだ』

「えっ!そうなのか?」
『うん。数ヶ月から1年以上だってさ』
「訓練ばかりだなぁ…」
『やっぱり宇宙は特殊な環境だからな』

そうなのだ。そのミッションの目的、搭載される機器、宇宙船のシステム、そして共に飛行するクルーとの連携に焦点を当てた、より専門的で集中的な訓練が必要なのだ。

母親のミユキが呟いた。
「長く困難な道のりがあるのね…。じゃあ…ジェシカさんとはどうなるの?」
『俺は宇宙船からプロポーズしようって決めてるんだ。全世界に放映するんだぜ』

アラタは呆れた。
「振られたらどうするんだ?」
『俺達はソウルメイトだから、大丈夫』
「ソルト?」
『日本語で魂の伴侶って意味だよ』

アラタは「小っ恥ずかしい」と言って笑ったが、ミユキは手を叩いて瞳を輝かせた。
「素敵じゃない。あなたにそんな人が出来てお母さん嬉しいわ!」

『じゃあ、会ってくれる?』
「勿論よ!」
『よし、ちょっと待ってろ!』
両親はその言葉に驚いた。


※宇宙飛行士候補生に選ばれたシーンです


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