デイケアに、通い始めた日【障害者枠でお仕事をはじめるまで④】
この記事は、シリーズ記事になりますが、
他の記事を、読んでいなくても、大丈夫な内容です。
適応障害で休職した私は、復職の目途どころか、
退職することしか考えていませんでした。
そんな中「障害者枠で働く」という新たな選択肢を知り、
精神障害者福祉手帳を手に入れました。
しかし障害者枠で働くためには「支援者」が居た方がいいことが、わかりました。
支援を受けるために、就労移行支援事業所に通所しようとしましたが、手続きには期間がかかります。
待っている間、主治医からの提案でデイケアを見学し、通うことになりました。
デイケアとはどういう場所なのか、私はわからないまま、通い始めました。
前回記事
「障害者枠で働く」
その目標は決まっていました。
で、どうして私は、デイケアへ通うことになっているのか、私は自分でも少し不思議でした。
「私は何をしているんだろう」
そんな気持ちを抱えたまま、デイケア初日を迎えました。
正直、行きたくなかったです。
体験で訪れた時、急に卓球をすることになったり、人が多くて疲れてしまったり、あまり良い印象が残らなかったからです。
それでも信頼している主治医に勧められましたし、
今は手続きを待つしかない時期だったので、
「仕方ないか」と自分に言い聞かせて家を出ました。
デイケアへ着くと、体験の日より利用者さんは少なく、
卓球台も片付けられていました。
初日を迎えるにあたり、私は最初から決めていました。
今日は、静かな部屋で、何もせずに過ごそう。
念のために「今日は静かな部屋で過ごします」と書いた紙を持ってきました。
スタッフにプログラムなど参加を促されたら、見せる予定です。
特に何もなく、いちばん静かな部屋に入れました。
部屋を見渡します。
精神の病気について書かれた本がたくさん並んでいます。
部屋の奥には、畳二畳ほどの小さなスペースがあり、そこで横になって休んでいる人がいます、どうやら寝ているようです。
「寝てもいいんだ。」
少しずつわかってきました。
無理に誰かと話さなくてもいい、
頑張って何かをしなくてもいい、
寝てもいい。
静かな部屋と思って入った部屋は、本当に静かで、私は少しだけほっとしました。

することがないので、
本棚から、自分の病気について書かれた本を一冊手に取りました。
読もうとしたのですが、何故か読めませんでした。
文字は目で追える、それだけで、頭には何も入ってこない。
本が読めなくなってるのかも。
漫画なら読めるかもしれないと思って探してみましたが、置いていません。
結局、スマホをぼんやり眺めながら時間を過ごしました。
ふと周りを見ると、この部屋には二十代から三十代くらいの、比較的若い人が多かったです。
それぞれが静かに、自分の時間を過ごしている。
誰も無理に話しかけてこない。
そんな空気が心地よかったです。
お昼になると、昼食が運ばれてきました。
病院食が昼食に出ると聞いていました。
病院食は、味が薄くてあまり美味しくない。
そんな勝手なイメージを持っていまして、あまり期待していませんでした。
でも、その頃の私は、ろくな食事をしていなくて、
ご飯があって、おかずがあって、野菜がある。
それだけで十分ありがたかったです。

静かな部屋で一人、ゆっくり食べる昼食は、
思っていたよりずっと、美味しく感じました。
この日はコーラスのプログラムがあり、別の部屋から歌声が聞こえてきました。
人前で歌うなんて、私には考えられない。
私はそう思って、参加をしなかったのですが、
プログラムは毎日あります。
「そのうち参加しないといけないのかな」
そんなことをぼんやり考えながら、私はデイケア初日を終えました。
私は、「障害者枠で働く」という目標を持っています。
なので、デイケアへ通う意味が、よく分かりませんでした。
でも、手続きを待つしかない時期ですし、他にすることもありません。
今は深く考えても仕方がない。
そう思うことにしました。
初日を終えても、達成感や感動といったものはなく、
昼食を自分で用意しなくてもいいことへのありがたさと、
本が読めなくなっていたことが、少し不安でした。
私、何してるんだろう。
目標ができれば、少しは安心できると思っていたのですが、
少しずつ、不安が形になっていくことを、感じていました。

この記事は不定期更新のシリーズ記事になります。
次回記事はこちらです。
障害者枠でお仕事をはじめるまで。
