カレーは物語る-教室がスパイスの香りに包まれた、世界を見る授業|食×授業#1
私は、料理が好きです。
決して舌が肥えているわけではないのですが、
食べるのも、作るのも大好きです。
また、その料理の由来や、
それを食べてきた人たちの暮らしを考えるのが、好きなのです。
1.カレーでワクワク
カレーは、日本人にとってとても身近な料理です。
日本には東京の神保町、北海道の札幌、神奈川の横須賀など
「カレーの街」と呼ばれる場所がいくつもあり、
私も何度もお気に入りの店に食べに行きました。
みなさんも、家庭で、給食で、外食で、
気がつけばカレーを口にしていませんか。
でも、ふと思ってしまうのです。
「初めてカレーを作った人は?」
「なんでカレーを作り始めたの?」
などなど・・・
ここから、私の“社会科的なワクワク”が始まってしまいます。
2.日本のカレーと、インドのカレー
例えば、日本のカレーと、インドのカレー。
同じ名前でも、中身はずいぶん違いますよね。
インドのカレーは、スパイスが主役です。
滅菌、臭み消し、食欲増進――
スパイスには、それぞれ大切な役割がありました。
これらを使うのは、
高温多湿な気候の中で、
食材を守るための知恵でもあったのです。
食べ方には、宗教が表れます。
スプーンではなく右手で食べ、
左手を使わないこと。
それらの行為は、右手は清浄で左手は不浄と考える
ヒンズー教徒にとって大切な意味なんですよね。
また、雨の少ない北部は小麦で作ったチャパティに
雨の多い南部はインディカ米につけて食べたことは有名です。
一方、日本のカレーはどうでしょう。
とろみがあり、ごはんにかけ、
みんなで同じ鍋を囲むような料理になりました。
そこには、
シチュー文化の国イギリスのカレーが日本に伝わってきた歴史や、
「みんなで同じものを食べる」という日本の文化が見えてきます。
このように、
カレー一皿からだけでも、
気候も、宗教も、文化も見えてくるのです。
私は、これが面白くてたまらないのです。
*ちなみに実際の授業では、このカレースパイスセットを
各班に1セットずつ置きました。(この授業後は、我が家の食卓はカレー
の日がかなり多くなります・・・笑)
3.なぜ、海軍はカレーを食べたのか
また、日本のカレーといえば、
横須賀の「海軍カレー」を思い浮かべる人もいるかもしれません。
でも「陸軍カレー」って聞いたことありませんよね。
なぜ、カレーといえば海軍なのでしょうか。
理由のひとつは、
航海の中で曜日感覚を失わないためだと言われています。
海の上では、
今日は何曜日なのか分からなくなります。
「金曜日はカレー」
そう決めることで、
生活のリズムと健康を守っていたそうです。
4.授業で食べ物の話を
食べ物は、
命を守り、暮らしを支えるもの。
カレーは立派な教材です。
だから、授業で食べ物の話をしてしまうのです。
実は、生徒たちも、
食べ物の話が大好きでした。
「えっ、そうなの?」
「知らなかった!」
「食べたーい」
「飯テロだー」
そんな声が、教室に広がります。
食べ物は、
誰にとっても身近で、
誰にとっても自分ごとです。
だから私は、
気がつくと授業の中で、
食文化の話をたくさんしていました。
カレーは、面白い。
そして、何よりおいしい。
今日もきっと、
どこかの教室で、
カレーの話から、
小さな学びが始まっているのかもしれません。
今日の話が、社会科の面白さを思い出すきっかけになれば嬉しいです。 このテーマを「中学社会科の視点」で読み解く授業は、メンバー限定でお届けしています。 土曜夜の社会科教室で、学びなおしを一緒に楽しみませんか。
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