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自分で選ぶと,脳は動き出す― 自由進度学習は,「子ども任せ」ではなく,「教師の設計」が問われる

こちらの話の続きです


選択には,責任ではなく,振り返りを添える

子どもに選ばせるとき,
「自分で選んだんだから,最後までやりなさい」
と言いたくなることがあるかもしれません

もちろん,自分で選んだことに向き合う経験は大切です

でも,選択をすぐに「責任」と結びつけすぎると,
子どもは選ぶことを怖がります

「失敗したら責められる」
「間違った選択をしたら怒られる」
「だったら,先生に決めてもらった方が楽」

そうなってしまうと,自己決定は育ちません

大切なのは,
選択には,責任より先に振り返りを添えること
です

「この方法でやってみて,どうだった?」
「次は,どこを変えてみる?」
「この選び方は,自分に合っていた?」
「困ったとき,どの助け方が使えた?」
「次に同じような場面があったら,どうする?」

こうした問いがあると,失敗した選択も学びになります

うまくいかなかったことを責めるのではなく,
次の選び方を考える材料にする

その積み重ねが,子どもの自己調整する力を育てていきます

自由進度学習は,「子ども任せ」ではなく,「教師の設計」が問われる

自由進度学習という言葉だけを聞くと,
子どもが自由に進んでいるように見えます

でも,実際には,教師の設計がとても大きい

どの単元で取り入れるのか
どの課題を用意するのか
どこまでを共通にするのか
どこからを選択にするのか
困った子にどう支援が届くようにするのか
子ども同士の参照をどう生むのか
教師はどこで見取り,どこで声をかけるのか
評価をどのタイミングで返すのか

自由に見える学びほど,教師の準備が要ります

子どもに任せるためには,
任せられるだけの環境をつくる必要があります

ここを抜きにして,
「これからは子どもに任せましょう」
と言っても,うまくいきません

任せるとは,放っておくことではない
任せるとは,子どもが自分で進めるように,
教師が学びの場を設計することです

学校改革としての「選ぶ」

自己決定や自己選択は,授業の方法だけの話ではありません

これは,学校のあり方にもつながります

子どもが,いつも先生に決められた通りに動く学校
子どもが,自分で考え,選び,試し,振り返る学校

この二つの学校では,子どもに育つ力が変わってきます

これからの学校で大切にしたいのは,
「正解を早く出す力」だけではありません

自分に合う方法を選ぶ力
分からないときに助けを求める力
うまくいかなかったときにやり直す力
人の考えを参照しながら,自分の考えをつくる力
自分の学び方を振り返る力

その力は,子どもが選ぶ経験の中で育っていきます

だから,学校改革としての自己決定は,
単に「自由にさせること」ではありません

子どもを,学びの受け手から,学びのつくり手へと変えていくことです

自分で選ぶと,脳は動き出します

それは,
「好きなことだけをすればよい」
という意味ではありません

学びのゴールがある
見通しがある
選択肢がある
困ったときの助けがある
振り返りがある

その中で子どもが選ぶから,学びは自分ごとになります

自己決定は,放任ではありません
自己決定は,学びへの入口を子どもに返すことです

教師がすべてを決めて,子どもを動かすのではなく,
子どもが自分で学びを動かせるように,教師が場を整える

そのとき,子どもは少しずつ,
「やらされる学び」から,
「自分で進める学び」へと歩き出します

個別最適な学びも,自由進度学習も,特別な流行ではありません
子どもが自分の学び方を知り,自分で選び,自分で調整していくための仕組みです

そしてそれは,
子どもが安心して学び出す学校づくりの,次の一歩なのです

次……


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