作業時間8割減、最短10分。オムロン「With.Ai」が地域包括に突きつけた、専門職の本当の宿題
書類が速くなる日、専門職の目は遅くなるか。介護予防AIという静かな地殻変動
オムロンが2026年7月に発表した地域包括支援センター向けAI「With.Ai」の中身と、なぜ介護予防領域から入ったのかという戦略の輪郭。CDIの「SOIN」、ウエルモの「ミルモぷらん」との狙いの違い。そして、ケアプランの文章が10分で出るようになった後、専門職の側に何が残り、何を失いかねないのか。書類の時短ではなく、地域ケアの設計思想が動き始めている、という視点を持ち帰ってもらうための一本です。

ハレクルWithという土台の上で
ハレクルWithそのものは、2024年9月から提供されている介護予防特化のICTです。オムロンは2020年から大分県、大阪府、石川県小松市など2府県21市町村54の地域包括支援センターと組み、1000件を超える実証データと熟練者の思考過程をシステムに落とし込んできました。大分県の実証事業では、アセスメントから予防プラン策定までの業務時間が最大37%削減され、参加職員の100%が業務の質の向上を実感したと報告されています。
ハレクルWithの特徴は、生活の困りごとを工程に分解して原因を探る設計です。「お風呂に入るのが大変」というひと言を、浴室までの移動、浴槽をまたぐ、体を洗う、といった動作の連なりに分けて、どこでつまずいているのかを見立てる。ICFという国際生活機能分類の考え方が、静かに骨組みになっています。
その上に、生成AIによる「見極めアドバイザー」と「ステップ式ケアプラン生成」が乗る。これがWith.Aiの姿です。作業時間37%削減の実証を、AIによって80%削減まで押し上げようとしている。数字の飛距離は大きいですが、地続きの進化です。
今回概要まとめ図
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