ネットで管理されつつある我々 シープルになりつつある我々・・・ 4 クラウド
4 クラウド
クラウドを愛用されている方も多いであろう。確かに便利なものである。
どこからでもネットにさえ繋がる環境にいれば自分のデータにアクセスできる。仕事、プライベートに大いにお使いになっている方も多いであろう。
実はこれもよく考える必要がある。
「クラウド」日本語で「雲」。「雲」と言っても雲の上に何やら自分のデータがありそこにアクセスしているわけではない。
地上にしっかりとハードディスクがありそこに我々のデータが保存されているのだ、ということ。
そしてそのハードディスクはそのクラウドの会社が管理しているということ。
翻って言えば、そのクラウドの会社は我々の預けているデータに自在にアクセスできる、ということ。これを我々は踏まえるべきであろう。
今や企業もこのクラウドを大いに利用している。一昔前なら会社の情報管理は当たり前だがその会社で行っていた。文書課みたいなところがあり、そこでその会社の情報が書類で管理されていた。
ネットが普及してくるとそれを自分の会社のハードディスクで電子管理するようになった。
2000年ころに会社でこのような部署で働いている人と話をしたことがあったが、随時ハッキングに晒されかなり大変であるとのことであった。
時代が進み2010年頃からこの様な業務をクラウドの会社に委託する様になったようである。
ハードディスクの管理は大変であるがこれは大いにスケールメリットが効く。つまりノウハウがあれば、100テラ程度のデータを管理するのも1億テラのデータを管理するのも手間は同じ様なものである。
大きな会社がどんどん値段を下げられる。
そして現在、この様にハードディスクを管理する巨大な会社は主に次の4社となった。Google、アマゾン、マイクロソフト、そして、中国である。
例えば、製薬会社のMR。私の医院にもよく訪れるが彼らの出勤業務。 いつ、どこの病院、医院で、どのような話をしたかとか、どの製品をアピールしたか、などを報告しなければならない。この様なことは以前は会社に戻りその様な書類を作っていたそうだ。今は、Google Formやマイクロソフト・ワンノートを使うと実に簡単に、もちろん現場でリアルタイムに出来る。そのMRの勤務の内容は、まず札幌第1営業者に送られ、同時に、札幌支社、北海道支社、そして本社に同時に送ることが出来るだろう。本社は自分の会社の従業員一人一人の勤務状況を詳細に把握できる。実に便利である。
しかし、一方でそのハードディスクを管理しているGoogleやマイクロソフトもその会社の職員の勤務状況を把握できるのである。職員の勤務状況ならその会社にとって他人に知られても構わないのであろうか。
今や勤務状況だけでなく会社の情報のほとんどをクラウドに委託しているようである。
当院に出入りする業者に時々お宅の会社の情報を管理するハードディスクはどこにあるの、と尋ねることがある。「本社かな」と心許なく答える方もいるが、ある大手のセキュリティー会社の人は「ウチはAmazonです。だから安心です」と胸を張った。
小生が色々とその問題点を指摘すると「大事なデータは本社で管理しているのではないか」とちょっと声のトーンを落とした。
会社として保存するからには全てが大事なデータではないのだろうか。それを明瞭に区別することが出来るのであろうか。 いや、今や自社のデータを大手のクラウドで管理するのは世界的に一般的になってきている。しかし、そのデータ管理に関してはヨーロッパ系の会社は神経を尖らせている。
自分のデータをある大手の会社に任せているがそのハードディスクはアメリカのとある州にあるというのである。会社としてはそのデータを他人が見るなど言語道断であろう。しかしその州で「我々はセキュリティー上、それらにアクセスする権利がある」ということで裁判になったりしている。
日系の会社はこの点鈍感なようである。
つまり、当たり前だが、ハードディスクの管理者は全データにアクセスすることができよう。しかもそこにあるのは宝の山である。「そのようなことはしないだろう」と思う方がお人好しすぎはしないだろうか。
私は思うのである。自分のデータはどんなに大変でも自分で管理すべきものである。一昔前の書類で管理する時代でも電子管理が当たり前となった現代でもそれは同じである。どちらも大変であるのだ。それを人任せにする企業に栄光はない。衰亡あるのみであろう。
その様な実例を我々はいままで いくつも見ているだろう。
データを他人に握られたら、それはシープルになったということである。シープルの運命は決まっている。牧場主の好きな時に毛を刈られ、最後は肉になるだけである。
中締めの記事 6部作
ネットで管理されつつある我々 シープルになりつつある我々
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