思考と感情がどう生まれているか、ちゃんと知っておきませんか|【心理学】
ここまで3つの記事で、
運の話、
習慣の話、
そして信念の話をしてきました。
最後に、もう一歩だけ深いところに踏み込んでみたいんです。
「あなたの信念って、そもそも、どこに住んでいるんだろう」
実はこれ、
2600年も前に、古代インドの人たちが詳しく分析していたんです。
彼らは、
私たちが「心」と呼んでいるものを、
4つの層に分けて見ていました。
表面の浅い層から、奥の深い層へ。
一段ずつ降りていく感じで、見ていきますね。
いちばん表面の層:五感
まず、いちばん表面にあるのが「五感」です。
目・耳・鼻・舌・肌の5つ。
あなたが今、この文章を見ている。
コーヒーの香りを感じる。
誰かの話し声が聞こえる。
これがあなたの心の入り口です。
外の世界からの刺激は、すべてこの5つから入ってきます。
中間の層:意識
その5つの感覚から入った刺激が集まる場所が、「意識」と呼ばれる層です。
現代の言葉でいうと、
これが「顕在意識」。
あなたが自覚できている意識のことですね。
「今、コーヒーを飲んでいる」
「美味しいな」って気づいているのは、この層の働きです。
ここまでは、けっこうわかりやすいですよね。
問題は、ここから奥の話なんです。
あなたの心で、毎瞬こんなことが起きている
奥の層の話に入る前に、
ひとつ、あなたの中で何が起きているかを実況してみたいんです。
たとえば、職場で上司の表情をぱっと見たとします。
なぜか胸がざわつく。
「あ、また怒られるかも」って思って、体がこわばる。
すこし不安になって、声をかけるタイミングを失う。
これって、ひとつの出来事に見えますけど、
中では4つのステップが起きているんです。
①五感で刺激を受ける(上司の表情を見る)
②その刺激が、過去の記憶と結びつく(昔、似た表情で怒られた経験)
③思考が生まれる(「また怒られるかも」と意味づけが起きる)
④感情が動く(不安、緊張、焦り)
この4ステップは、
コンマ何秒の速さで、毎瞬あなたの中で繰り返されています。
ここで気になりませんか。
②の「過去の記憶と結びつく」って、どこで起きているんだろう、って。
それが、ここからの話なんです。
深い層:好き嫌いが住む場所
意識の下に、
「末那識(まなしき)」と呼ばれる層があります。
ここは、「好き」「嫌い」が住む場所なんです。
同じ料理を食べても、
Aさんは「美味しい」、Bさんは「ちょっと苦手」って感じる。
これって、
料理そのものが違うんじゃなくて、
それぞれの中にある「好き嫌いの層」が、
違うジャッジを下しているからなんです。
この層は、
あなたが気づかないところで、
ずっと働いています。
あなたが「好きだ」「嫌いだ」と頭で考える前に、
ここですでに反応が起きてる。
そして、もう一段奥があるんです。
最深層:あなたの記憶と信念がしまわれた「蔵」
「好き嫌いの層」のさらに奥にあるのが、
「阿頼耶識(あらやしき)」。
心の最深層です。
このアラヤって言葉、面白いんですよ。
ヒマラヤ山脈の「ラヤ」と同じ語源で、
「蔵」っていう意味なんです。
ヒマラヤは「雪の蔵」。
じゃあアラヤは何の蔵かというと、
あなたの今までの行為すべてが蓄積されている、
心の最深層の蔵なんです。
生まれてから今日まで、
あなたが見聞きしたこと、
体験したこと、
考えたこと、
感じたこと、
口にしたこと、
行動したこと。
そのすべてが、この蔵に積み重なっています。
意識的に覚えていることだけじゃありません。
忘れてしまったことも、
無意識のうちにやっていたことも、
全部この蔵に入っているんです。
ここがね、前の記事でお話しした「信念」の正体なんです。
あなたが自分や世界について、
深いところで信じ込んでいるもの。
それは、この最深層の蔵の中で、
長い時間をかけて形づくられてきたものなんです。

さっきの4ステップの正体
ここで、上司の表情で胸がざわついた話に戻りますね。
①五感で刺激を受ける(表面の五感の層が働く)
②その刺激が、過去の記憶と結びつく(最深層の蔵に蓄積された記憶と照らし合わさる)
③思考が生まれる(意識の層で意味づけが起きる)
④感情が動く(「好き嫌いの層」と連動して感情になる)
つまり、あなたが今この瞬間に感じている思考も感情も、
最深層の蔵に何が蓄積されているかで、まったく違う形になるんです。
同じ上司の表情を見ても、
過去に成功体験がたくさん蓄積されている人は「あ、今日も頼られそうだな」って思考になる。
失敗体験のほうが多く蓄積されている人は「また怒られるかも」って思考になる。
刺激は同じでも、思考と感情がまったく違ってくる。
これが、あなたの心の奥で、毎瞬起きていることなんです。

あなたが毎日していることは、たった3種類
じゃあ、その「蔵」には何が蓄積されていくのか。
それは、あなたの「行為」です。
行為って言うと色々あるように聞こえますけど、
実はたった3種類しかないんですよ。
①体ですること(行動)
②口で言うこと(言葉)
③心で思うこと(思考)
これだけなんです。
古代インドではこれを「身口意(しんくい)」って呼んでいました。
身体の「身」、「口」、意識の「意」で、身口意。
要するに、体・口・心の3つです。
ガンジーが、
「思考が変われば、言葉が変わる。言葉が変われば、行動が変わる」
って言っていたのを、覚えていますか。
あれと、まったく同じ3つの話なんですよ。
あなたが毎日、
心で何を思い、
口で何を話し、
体で何をするか。
この3つを毎日繰り返すことで、最深層の蔵がつくられていきます。
そして、その蔵が、
あなたの「思考の生まれ方」「感情の動き方」「世界の見え方」を、また決めていく。
だから、毎日の小さなことが効いてくる
ここでね、運命の話とちゃんと繋がるんです。
毎日、ネガティブな思考を繰り返している。
毎日、愚痴や悪口を口にしている。
毎日、自分を粗末に扱う行動をしている。
これを続けていると、
最深層の蔵にはネガティブな信念が積み上がっていきます。
そしてその蔵が、これから先のあなたの思考と感情と行動を、また同じ方向に引っ張っていく。
逆もあるんですよ。
毎日、丁寧な思考を選ぶ。
毎日、優しい言葉を口にする。
毎日、自分を大切にする行動を取る。
これも積み上がります。
そして、最深層の蔵を、少しずつ書き換えていく。
着地
「分かっているのに変えられない」って、よくある悩みですよね。
それは、あなたの根性が足りないからじゃないんです。
最深層の蔵に積み重なっているものが、
まだ十分に書き換わっていないだけなんですよ。
蔵を書き換える方法は、たったひとつしかありません。
毎日の「体・口・心」 → 体ですること、
口で言うこと、心で思うこと → を、少しずつ整えていくこと。
あなたの運命の根っこは、
心のいちばん深い場所にある蔵に、
今もリアルタイムで書き込まれ続けています。
だからこそ、
今日この瞬間に何を思い、
何を口にし、
何をするかが、
想像以上に大事なんです。
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<おまけ>|【エッセイ】より。
よければ、聞いてみてください✨
【第五弾:歌ってみた】
明日への手紙 ── 手嶌葵
【第四弾:歌ってみた】
恋に落ちて-Fall in love- 小林明子
