【コピー店長の七つの知恵①】顧客の困りごとに真摯に向き合う
先日公開した本編
「1枚10円のコピー店長から学んだ『三方よしの経営学』」
では、街の小さなコピー店を50年以上営んできた店長から得た学びを「七つの知恵」として紹介しました。
こちらは本編の解説編として、本編でご紹介した「七つの知恵」を中小企業診断士の視点で深堀していくシリーズとなります。
今回は、その一つ目の知恵である
【七つの知恵①】顧客の困りごとに真摯に向き合う
について、5つのポイントをご紹介します。
本編をまだ読まれていない方は、先に読んでいただくと、より理解しやすくなると思います。
▼本編はこちら
【ポイント1】商売の種は顧客のひと言に宿る
店長の商売が変わるきっかけは、学生の何気ない一言でした。
「このあたりでコピーできるところを知りませんか?」
この一言を、単なる質問で終わらせるか。
新しい需要のサインとして受け取るか。
ここに経営者の感度が出ます。
市場機会は、調査レポートの中だけにあるのではありません。
目の前の顧客の不便の中にあるのです。
【ポイント2】過去の成功にしがみつかない
店長の店は、最初からコピー店だったわけではありません。
もともとは家電販売店でした。
しかも、父親から受け継ぎ、自分でも育ててきた商売です。
それでも店長は、コピーを求める学生の需要を見て、業態転換を決めました。
過去の成功は、誇りになります。
一方で、次の需要を見る目を曇らせることもあります。
この店長は、過去ではなく、目の前の顧客を見ていました。
【ポイント3】需要は、最初は小さく現れる
最初に来たのは、たった一人の学生でした。
その後、その学生が友人を連れてくる。
評判が広がる。
来店する学生が増える。
需要は、最初から大きな顔をして現れるとは限りません。
小さな不便。
小さな相談。
小さな口コミ。
そこに早く気づけるかどうかが、商売の分かれ目です。
【ポイント4】顧客を絞るほど不便は深く見える
店長が向き合った顧客は、医科大学の学生でした。
広く誰にでも売ろうとしたわけではありません。
医科大学生が、試験前に何に困るのか。
どんな資料を必要とするのか。
いつ混雑するのか。
どの学年でニーズが変わるのか。
顧客を絞るからこそ、困りごとが深く見える。
集中戦略とは、対象を狭めることではなく、顧客理解を深めることなのだと思います。
【ポイント5】商売の転機は想定外の相談から始まる
店長にとって、学生のコピー依頼は本業外の相談でした。
家電販売店だったので、本来なら、断ることもできたはずです。
でも店長は、困っている学生を助けたい一心で、断らずに応じました。
その結果、家電販売店だった店は、やがてコピー店へと変わっていきます。
想定外の相談には、面倒もあります。
ただ、その面倒の中に、新しい顧客価値が隠れていることがあります。
商売の転機は、計画書よりも、顧客の相談から始まるのかもしれません。
まとめ
【七つの知恵①】顧客の困りごとに真摯に向き合う
この知恵から学べることは、以下の通りです。
顧客のひと言を聞き流さない。
過去の成功にしがみつかない。
小さく現れた需要を見逃さない。
顧客を絞り、深く理解する。
想定外の相談の中に、新しい価値を見つける。
店長は、経営学の言葉を使っていたわけではありません。
しかし、その行動は、まさに顧客志向の経営そのものでした。
小さなコピー店の中に、商売の原点がありました。
さいごに
次回は、「七つの知恵」の二つ目。
【七つの知恵②】不便を仕組みで解決する
について紹介します。
学生が毎年同じように困っている。
同じミスが繰り返されている。
時間もお金も無駄になっている。
店長は、これを単なる顧客のミスで終わらせませんでした。
ここから、コピー店は単なるコピーサービスではなく、学生の試験準備を支える存在へと変わっていきます。
▼「コピー店長の七つの知恵②」はこちら
(完)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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本編では、コピー店長から学んだ「1枚10円・三方よしの経営学」を物語として紹介しています。是非、あわせて、お読みください。
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