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ReFlowという考え方

 


小さな拠点をつなぎ、地域と世界を再循環させるために 

以前、私はICIがこれから取り組もうとしている4つのプロジェクトについて書いた。

出版、HR、社会事業者の商品を扱うEC、そして地方BPO。

一見すると、ばらばらの新規事業に見えるかもしれない。

けれど私の中では、これらは最初から別々のものではなかった。

すべては、地方の小さな会社や地域で働く人たちが、自立し、自律しながら、互いに支え合い、学び合い、仕事を生み出していくための仕組みに収斂していく。

そして、そこからまた各地域へ、各事業へ、各個人へと広がっていく。

その流れを、私は最近「ReFlow」と呼ぶようになった。


ReFlowとは何か

ReFlow

直訳すれば、再び流れること。

流れを取り戻すこと。

そして少し無理やりかもしれないが、音の響きとしては「再び花を咲かせる」という意味にも聞こえる。

私はこの言葉が、今考えていることにとても近いと感じている。

地方には、もともと力がある。

  • 良い商品がある。

  • 良い技術がある。

  • 誠実な人がいる。

  • 面白い事業者がいる。

  • 地域に根ざした知恵や文化がある。

けれど、それらが十分につながっていない。

  • 人と人。

  • 事業者と市場。

  • 商品と必要としている人。

  • 働きたい人と働く場。

  • 地域の課題と、それを解決できる実務。

それぞれは存在しているのに、流れが途切れている。

私は、その「流れ」をもう一度動かしたいと思っている。


BPOという仕事の本質

私は長年、BPOという仕事をしてきた。

BPOというと、一般的には業務代行やアウトソーシングと理解されることが多い。

もちろん、それは間違いではない。

電話対応、顧客対応、受注管理、事務局代行、資料作成、情報整理、問い合わせ対応…。

私たちがしてきた仕事は、どれも地味で、裏方の仕事に見える。

しかし、現場に入り続けていると、BPOという仕事は単なる作業代行ではないことが見えてくる。

それは、人と人の間にある仕事である。

  • 顧客と会社の間。

  • 地域と事業者の間。

  • 商品と利用者の間。

  • 経営者の想いと現場の実務の間。

  • 働きたい人と働く機会の間。

その間にある見えにくい仕事を整え、動かし、つなぎ直す。

これが、私たちが本当にやってきた仕事なのだと思う。


「人と人」の間にあるもの

ICIの最初の社名は「人と人総合研究所」だった。

英語名は、Interpersonal Communication Institute。

人と人の間にあるものを考えるための会社。

当時は、私自身もうまく言葉にできていなかったかもしれない。

けれど今振り返ると、私はずっと「人と人がどうつながれば、社会はもう一度動き出すのか」を考えていたのだと思う。

地方創生という言葉がある。

もちろん大切な言葉だと思う。

しかし私は最近、「創生」というより「再循環」ではないかと感じている。

まったく新しい何かを外から持ち込むのではなく、もともと地域にあった人、仕事、知恵、商品、市場、関係性をもう一度つなぎ直す。

止まっていた流れを、少しずつ動かす。

大きな改革ではなく、小さな実務から始める。

それがReFlowという考え方である。


なぜ「小さな拠点」なのか

この考え方の背景には、いくつかの既存の考え方や技術がある。

たとえば、P2Pという考え方。

中央にすべてを集めるのではなく、それぞれの拠点が直接つながる構造。

あるいは、ブロックチェーンのように、中央の管理者だけに依存せず、互いに確認し合いながら信頼を保つ構造。

また、脳のニューロンのように、小さな単位がつながり、学び、刺激し合い、全体として知性を持つ構造。

私はこうした考え方を、そのまま技術として使いたいわけではない。

むしろ、それを地域経済や中小企業支援、人材育成、BPOの実務に置き換えたらどうなるかを考えている。

大きな会社には、大きな会社の強さがある。

資本力、広告力、システム、物流、ブランド、組織力。

それは確かに強い。

けれど地方には、大手とは違う商品やサービスがある。

小さいからこそできることがある。

  • 意思決定が速い。

  • 顧客との距離が近い。

  • 地域の事情がわかる。

  • ニッチな需要に応えられる。

  • 小さな実験ができる。

問題は、小さいことそのものではない。

小さいものが孤立していることだ。


メッシュ状につながる世界

小さな拠点がばらばらのままでは、力を発揮しにくい。

けれど、小さな拠点が自立し、自律しながら、メッシュ状につながればどうだろうか。

  • ある地域の商品を、別の地域の拠点が紹介する。

  • ある会社のノウハウを、別の会社が応用する。

  • ある人の得意な仕事を、別の地域の業務で活かす。

  • ある地域で生まれたサービスを、別の地域でも試してみる。

  • 困った時は助け合い、うまくいった時は共有する。

  • 不正や独りよがりが起きないように、互いに見守り合う。

これは、単なる代理店網ではない。

単なるフランチャイズでもない。

小さな拠点は、多様で、自立したものであって欲しい。

だから私は、自律分散的な実践共同体のネットワーク構築を考え準備している。

私は、この自律分散型ネットワークで、地域をもう一度設計し直そうと考えている。

私は、この自律分散型ネットワークで、地方・地域と世界を結ぼうと考えている。



新しいフレームと共通言語

そのためには、共通する考え方が必要になる。

中央がすべてを指示するのではなく、それぞれが自分で考え、判断し、行動する。

けれど、完全にばらばらではなく、共通する言葉や価値観、学び方を持っている。

そのために今、私は「人や地域、仕事の流れを再循環させるための実践的な思考と行動の仕組み」を整理している。

まだ出版前であり、詳細はこれから整理していく段階なので、ここでは詳しくは書かない。

ただ一つ言えるのは、これは単なる経営改善手法ではないということだ。

小さな会社や地域の現場で、意味を見つけ、小さく試し、学び、共有しながら、次の行動へつなげていくための実践的な考え方である。

私は、これを一部の専門家だけのものにしたいとは思っていない。

学生にも、求職者にも、従業者にも、小さな会社の経営者にも、地域で何かを始めたい人にも使えるものにしたい。

なぜなら、これからの社会では、誰かが上から正解を与えるのではなく、一人ひとりが現場で考え、つながり、学びながら進む力が必要になると思うからだ。


Fellowという存在

そして、ここで大切になるのが「Fellow」という考え方である。

私は、今、この考えを広げるための仕組みも考えている。

私は、この考え方を広げる人たちを、コンサルタントとは呼びたくない。

トレーナーとも少し違う。

先生でもない。

上から指導する人ではなく、一緒に考え、一緒に動き、一緒に学び、一緒に流れを作る人。

そのような仲間を、私はReFlow Fellowと呼びたいと思っている。

Fellowには、仲間、同志、共に学ぶ人という意味がある。

この言葉がとても合っている気がしている。

ReFlow Fellowは、誰かを支配する人ではない。

地域の中で、会社の中で、人と人の間に入り、止まっている流れをもう一度動かす人である。


理想論では終わらせない

ここで誤解されたくないのは、私は理想論だけを語りたいわけではないということだ。

むしろ、理想論だけでは続かないことを、現場で嫌というほど見てきた。

想いだけでは続かない。

善意だけでは続かない。

補助金だけでも続かない。

高額なコンサルティングだけでも、地方の小さな会社には合わないことが多い。

必要なのは、実務である。

そして、市場である。

きれいごとではなく、ちゃんと仕事になり、売上になり、雇用になり、学びになり、次の挑戦につながること。

私はそこから逃げたくない。

だから、出版も、HRも、ECも、BPOも、すべてつながっている。

出版は、価値を言葉にするためのもの。

HRは、人が働き、育ち、活きるためのもの。

ECは、社会的に意味のある商品やサービスを市場につなぐためのもの。

地方BPOは、それらを現場で動かし続けるための実務基盤である。

そして、それらを小さな拠点同士で共有していく。

  • 市場も共有する。

  • 商品も共有する。

  • 人材も共有する。

  • ノウハウも共有する。

  • 失敗も共有する。

  • 学びも共有する。


世界を均質化しないつながり

私はこれを、中央集権型の大きな仕組みとして作りたいわけではない。

むしろ、水面下で少しずつ準備しながら、小さく回し、試し、つなぎ、気がついたら自律分散型のネットワークができていた、という形が理想に近い。

それは、脳のような構造かもしれない。

P2Pのような構造かもしれない。

あるいは、昔ながらの地域の助け合いを、現代の技術と実務で再構成するようなものかもしれない。

そして私は、これを日本だけで終わらせたいとも思っていない。

世界中に、小さな事業者がいる。

地域で頑張る人がいる。

大きな市場の中では埋もれてしまう商品やサービスがある。

中央集権的な仕組みの中では届きにくい声がある。

もし小さな拠点同士が、国や地域を越えてつながることができたら。

それぞれの地域性を失わずに、必要な人に必要なものを届け合うことができたら。

それは、これまでのグローバル化とは少し違う形になるのではないかと思っている。

世界を一つに均質化するのではなく、違いを残したままつながる。

大きなものに飲み込まれるのではなく、小さなもの同士が支え合う。

私は、そんな社会の可能性を見ている。


最後に

もちろん、簡単ではない。

むしろ、とても難しいと思う。

私自身、まだうまく説明しきれていない部分もある。

考えながら、動きながら、失敗しながら、少しずつ形にしている途中である。

けれど、ここまで書いてもなお、最後まで読んでくださった方がいるなら、その方はきっと、どこかで同じような違和感や希望を持っているのだと思う。

地方の未来に関心がある人。

小さな会社の可能性を信じている人。

人と人がつながることで、何かが生まれると感じている人。

大きな仕組みに違和感を持ちながらも、単なる批判ではなく、現実的な実践を探している人。

そういう人と、私はいつか一緒に話をしてみたい。

ReFlowは、まだ完成した理論ではない。

けれど、私が長年の現場で見てきたもの、感じてきた違和感、そしてこれから作りたい社会の方向性を表す言葉として、今のところ一番しっくりきている。

人と人をつなぎ直す。

仕事と市場をつなぎ直す。

学びと実践をつなぎ直す。

地域と世界をつなぎ直す。

止まっていた流れを、もう一度流す。

そして、もう一度花を咲かせる。

それが、私の考えるReFlowである。

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