60代のリアル|第48話:【実録・介護の崖っぷち】プライバシーと活気、そして費用の現実。2つの施設を冷静に比較した私の報告メールとは?
前回までのあらすじ
2つ目の介護医療院の面談へ向かった私は、1階のオープンな面談席での配慮の薄さや、「面会時間は15分、完全予約制」という遠方ゆえの厳しい条件に、最初は強い戸惑いと不安を覚えました。
しかし、案内された2階の病棟は昨年リニューアルされたばかりで明るく、床には転倒防止の柔らかい素材が使われるなど、細やかな配慮が行き届いていました。
おやつ時に廊下や談話室で思い思いに過ごす入所者の方々の活気ある姿や、4人部屋でもカーテンでしっかりプライバシーが守られている環境を見て、最初の不安は大きな安心感へと変わります。
さらに、費用が1つ目の施設より月額で25,000円も安いという切実な救いもあり、帰り際に担当者の方から「他も並行して探しておいてくださいね」と温かい気遣いの言葉をかけられ、私は前向きな気持ちで施設を後にしたのです。
5月25日(月)、帰宅後
2つ目の介護医療院での面談と見学を終え、自宅に戻った私は、すぐにパソコンに向かいました。 頭が冴えているうちに、今日自分の目で見て、肌で感じた率直な所感を、母の入院先である病院の退院調整看護師さんへメールで報告するためです。
1階での面談時の戸惑い、けれど2階に上がって一変した安心感。それらを整理しながら、私は以下のようなメールを書き上げ、送信しました。
【退院調整看護師への報告メール】
〇〇様
いつもお世話になっております。〇〇(しずる)です。
本日(5/25)、「2つ目の介護医療院」の面談・見学へ伺いましたので、所感をご報告いたします。
(1)施設・病院の印象
・介護医療院が入っているのは2階なのだそうですが、改修された
ばかりということもあり、一つ目の介護医療院よりも綺麗で、
床も転倒時の怪我に配慮された柔らかい素材になっており安心感を
覚えました。
(他の階は介護医療院ではない為、見学できませんでした。
また他の階は内装改修は入っていないそうです。)
・おやつの時間帯だったこともあり、入所者の方々が廊下や談話室に
出て生き生きと過ごされている姿が印象的でした。
・4人部屋の作りもベッドの配置も現在入院している病院と同様で、
プライバシーへの配慮が感じられました。
(一つ目の介護医療院は平行に並んでいて、カーテンも開けっ放し
状態でした。)
・なお、対応できない病気が発生した際は、家族の付き添いのもと
他院を受診する形になるとの説明を受けております。
(2)費用面
・一つ目の介護医療院と比較して、1ヶ月あたり約25,000円ほど費用を
抑えられることが分かりました。
(3)今後の進め方とご相談
・二つ目の介護医療院様からは、「内部で相談後、その結果次第で
お断りする可能性もあるため、他の候補も並行して進めておいて
ほしい」と言われております。
つきましては、大変不躾なお願いで恐縮なのですが、一つ目の介護医療院をキープしていただいた状態で、二つ目の介護医療院とのお話をを進めていただくことは可能でしょうか?
以上、引き続きよろしくお願いいたします。
このメールに込めた私の本音は、とにかく「月25,000円安く、環境も良い2つ目の施設に滑り込みたい。
けれど、万が一お断りされたら行き場がなくなるので、1つ目の施設も手放したくない」という切実なものでした。
介護の崖っぷちにいるからこその、まさに必死の「キープ」のお願いでした。
5月28日(木)、退院調整看護師の方からの返信メール
メールを送ってから3日後、退院調整看護師さんから待望の返信メールが届きました。
画面を開くと、そこには私のすがるような願いをしっかりと受け止め、すぐに動いてくださったことが分かる、ありがたい内容が記されていました。
「1つ目の介護医療院から、病床が空いたら案内する、との連絡がありました」
それは、私が願った通り、1つ目の施設をしっかりと「キープ」できたことを意味する報せでした。
これで、もし2つ目の施設がダメだったとしても、最悪の事態(母の行き先が完全になくなること)だけは回避できる。退院期限のカウントダウンに怯える日々のなかで、大きな安全網がひとつ、ぽんと私の下に用意されたような安堵感がありました。
しかし、ひとまずはホッとしたものの、これによって「本命である2つ目の施設の結果はどうなるのか」というソワソワとした緊張感は、かえって強くなるばかりです。
キープの切符を握りしめたまま、私は水面下で進む次の展開を、祈るような気持ちで待ち続けることになりました。
つづく
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