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60代のリアル|第38話:【実録・介護の重み】面談前の緊迫感。母の人生が凝縮された書類の束を手に介護医療院へ出発する直前の記憶


前回までのあらすじ

ミスが許されない大量の封入作業と、両手が悲鳴を上げるような2時間の猛烈な残業。パート事務のシビアな現実を身をもって痛感した私。

しかし、息をつく暇もなく、母の介護をめぐる現実の歯車もまた、冷酷に、そして確実に動き出そうとしていました。



5月21日(木) 朝 9:30

今日は、一つ目の介護医療院との面談の日です。

午後からの重い予定を控えているからこそ、午前中のうちに片付けられる日常の用事は済ませておきたいと思いました。

マスクのストックが残り少なくなっていることに気づき、近くのドラッグストアへ向かいました。

カゴに入れたのは、マスク、トイレットペーパー、目薬、そして仕事や家事で荒れがちな手を守るための食器洗い用ゴム手袋です。いつもと変わらない、ごく普通の生活の買い物でした。

その後、月末の口座引き落としに備えて、ATMへ立ち寄り入金を済ませました。キャッシュカードを財布に仕舞い、お店を後にしました。

こうして日常のタスクを一つずつクリアしていくことで、午後からの面談に向けて、少しずつ自分の心を整えていくような気持ちでした。



5月21日(木) 午後

昼食を終え、出発の時間が近づいてきます。 私は机の上で、再度、今日必要な持ち物を厳密に確認しました。

▼提出書類

・介護保険証のコピー
・介護保険負担割合証のコピー
・後期高齢者医療資格確認書のコピー
・障害者手帳のコピー
・母の既往歴をまとめたメモ
・かかりつけ医の情報
・使用してはいけないお薬のリスト
・ケアマネジャーさんの連絡先
・食物アレルギーの有無
・おくすり手帳のコピー


母のこれまでの人生と、これからの生活のすべてが、この書類の束に凝縮されているように感じます。何度も見返して、不備がないかを確かめました。 最後に、その場所への地図をしっかりと手元に用意します。

14:00からの面談に遅れるわけにはいきません。 慣れない道を進む時間も考慮して、私は12:50、静かに家のドアを閉め、駅に向かいました。

つづく


第39回はこちらです。↓


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