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G27_授業で生成AIを“カンニング”にしない:高校数学を伸ばす「質問6文」

AIは便利。でも授業でどう使う?


生徒の質問。

「先生、わかりません」

この一言、便利なんだけど、数学ではちょっと困る。
なぜなら「わからない」の正体がわからないから。

さらに、やっかいなのは、
生徒自身が何をわからなくて「わからない」のか認識できていないこと。

  • 読めてない(問題の条件が入ってこない)

  • 追えてない(途中計算がわからない)

  • 腑に落ちない(式変形の意味が見えない)

  • 思いつかない(発想が湧かない)

ここを整理できるだけで、授業の景色が変わります。
質問が変わる。ノートが変わる。理解の伸び方が変わる。

生成AIは、その整理を手伝える。
ただし「答えを聞く装置」にすると一瞬で事故ります。

だから渡すのは、答えじゃなくて質問の型
生徒の「わかりません」を、適切な問いに変換するための「質問6文」+最初の1手(合計7プロンプト)です。



この記事のねらい


高校数学の授業で、生成AIを学力の底上げに使う実践アイディアを共有します。

ポイントは1つ。
生徒の「わからない」を“問い”に変換できるようにする設計です。

AIに求めるのは、答えじゃなくて「わからないの正体」を言葉にする手助けです。

生徒の頭の中にある「わからない」を、見える形に翻訳して、修正していく
そのための“質問の型”が、今回の主役です。



背景:なぜ“今年中に”授業で使う必要があるのか

生徒は、授業外でどんどんAIを触っています。
こちらが何もしないと、
「使い方が上手い子だけが上手く使って、そうでない子は丸投げ」になりがちです。

禁止・放置は、指導の空白を作ります。
だから授業内で、
使い方の型を教える。

ここを押さえるだけで、AIは“敵”じゃなく、
強力な学びのトレーニング器具になります。


方針:プロンプトを“仕込まない”という決断


今回のやり方は、わりと逆張りです。

ChatGPTのプロジェクトやGeminiのGemに「固定プロンプト」を入れて、
ボタン1つで回す。
それも便利です。

でも今回は、あえてそうしません。
生徒に毎回、自分の言葉で適切なものを選ばせます。

理由は3つあります。

1つ目。
反復で「問いの型」が身体に入ります。

2つ目。
自分の「わからない」の正体に向き合えるようになります。

3つ目。
質問の質が上がります。
ここが、地味に一番効きます。

プロンプトを仕込むと便利です。
でも“学び”まで自動化すると、生徒の脳が働かなくなります。


質問6文+最初の1手(フルセット/合計7プロンプト)

ここからが本体です。
そのまま配っても使えるように、短くしました。

※最初にやるのは「問い」ではなく、AIの誤読を潰すための1手です。
ここを飛ばすと、AIが別の問題を解き始める事故が起きがち。

読み取りチェック(最初の1手)

画像を読み取って、読み取った内容を表示して。数式はすべて LaTeX 形式で、余計なことは表示しない。

出力結果の一部抜粋

① 読めてない系(条件→ゴールの整理)

問題文を、①与えられている条件 ②求めるもの ③使ってよい事実(定義・定理)に分けて整理して

出力結果の抜粋

② 追えてない系(途中計算)

ここの途中計算を説明して

読み取った問題を選択して、ChatGPTに質問する。
そして、このプロンプトを入れます。途中計算を説明してくれます。

③ 腑に落ちない系(式変形の意図)

この部分はどういう発想で式変形しているのですか

④ 思いつかない系(解法の発想)

問題文を読んで、なぜこの発想になるの?

出力結果の抜粋

⑤ 視野を広げたい系(別解・見方)

この解き方以外に、別の考え方はありますか

⑥ 自己診断系(ズレを言語化)

自分はここまで考えたけど、どこがズレていますか

生徒が自分のノートの写真を撮ってこのプロンプトを使用します。


結論:6つは「良い」。ただし…


🟢 生徒にまず渡す【常用4+最初の1手】

  • 読み取りチェック(誤読防止)

  • ① 条件→ゴールの整理(読めてない)

  • ② 途中計算(追えてない)

  • ③ 変形の意図(腑に落ちない)

  • ④ 発想の理由(思いつかない)

🔵 余力が出てきた生徒向け【発展2】

  • ⑤ 視野を広げる(別解・見方)

  • ⑥ ズレ診断(自分の誤差を潰す)

※⑤、⑥は①~④が安定してからの“追加オプション”扱いでもOKです。


このセットの強さ:答えを聞く質問が1つもない


まとめると、このセットの狙いはシンプルです。
生徒の「わかりません」を、自分の頭で言語化できるようにすること。

言葉にできると、次が変わります。

  • 質問が「診断情報」になるので、先生の支援がピンポイントになる

  • やり取りがそのまま残るので、授業の最後の振り返りで“弱点だけ再トレ”になる

  • そして何より、考える筋肉がつく(答え待ちになりにくい)

生成AIは、答えを早く出す道具にもなります。
でも授業では、思考を育てる道具として使う。 その入口が、この質問の型です。


人生の限りある時間を大切に。シンパクト和 でした。
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