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「エコロジーはエコノミー」と土谷イオン副社長、脱炭素・脱プラの知見が競争力を左右する時代に

イオンは、「価格凍結宣言」としてPB「トップバリュ」の食品約3500品の価格を、5月11日から8月31日までグループ約10,000店で据え置く。

さまざまなコストが上昇するなか、イオンが価格を据え置く背景には、厳しさを増す消費の実態と、不透明な先行きに対する強い危機感がある。

小売りの最前線を担うイオンには、
「必要な量を買うのを控える」「価格を見て、安い商品に切り替える」「まとめ買いは負担が大きく、できない」

「献立の“もう一品”をあきらめる」「主食をコメだけに頼らず、パスタなども活用してやりくり」「外食や中食の利用も控えめに」

「家族の人数が多く、食費の負担が重い」「価格と量の安心感がある商品を選びたい」「まとめ買いして備えたい」
――といった消費者の“声”が、直接・間接に届いている。

特にこれから夏場にかけては、在宅時間の増加に伴い電気使用量が増え光熱費負担が重くなる。さらに、夏休み期間中は在宅率の上昇によって食費が増加するほか、旅行やレジャーへの支出も発生する。加えて、猛暑の長期化により、暑さ対策関連の費用も膨らむ。

夏場は支出が増えやすい時期で、この季節の家計を支えるべく打ち出したのが、イオンの価格凍結だ。

これを商品開発から販売までを一元管理し、サプライチェーン全体のムダを徹底的に削減することで実現を図る。

具体的には、必要な生産数量を精緻に算出して計画的に製造することで、過剰生産によるコスト発生を抑制する。さらに、製造委託先へ発注した商品は全量買い取りとし、余剰在庫の発生を防ぐことで無駄なコストを削減する。加えて、計画的な製造・出荷で在庫日数を短縮。イオンが委託先から直接集荷することで、中間コストの低減も図る。

こうした施策を、商品特性によって組み合わせることで、上昇基調にあるコストを吸収し、価格維持につなげる考えだ。

そのなかで大きな役割を果たすのが、イオンが長年にわたり培ってきた脱炭素・脱プラの知見となる。

例えば、日配の「かに風味・かまぼこフレーク」では、トレー包装を袋タイプに変更することで、プラスチック使用量の約43%削減につなげた。

惣菜の「大盛麺&つゆ」では、つゆ用のカップ容器を廃止するなどして、プラスチック使用量を約10%削減した。

イオンでは、従来から地球環境負荷の低減に熱心に取り組んできた。これは容器包装に限った話ではない。

吉田昭夫・イオン社長は「イオンモールへの太陽光パネルの設置を積極的に進め、発電した電力を活用してきた。従来は環境負荷低減を主眼としてきたが、足元では原油市場へのリスクヘッジとしての意義も大きくなっている」と話す。

これまで、脱炭素・脱プラの取り組みは、直接的な収益貢献が必ずしも大きいとは言えなかった。しかし、中東情勢の緊迫化や、原油関連コストの先高観が強まるなか、脱炭素・脱プラの知見そのものが、小売業の日々の競争力を左右する時代に入りつつある。

土谷美津子イオン取締役執行役副社長

今の状況は、環境課題への対応をあらためて見直す好機でもあると捉えています。私たちには、まだまだ工夫できる余地があるのではないか、と思っています。

例えば、よりシンプルなパッケージに変更する。品質に影響がなければ中袋を廃止することなども検討していきたい。

また、印刷についても見直しの余地があります。パッケージの色数を減らしてインクの使用量を抑える一方で、デザイン力を磨き、シンプルでも“おしゃれ”で、お客さまが手に取りたくなるパッケージを生み出す挑戦をしていきたい。

さらに、野菜のバラ売りや量り売りといった販売手法についてもあらためて推進し、エコノミーとエコロジーの両立をめざしていきたいと考えています。

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