JAL & ANA二刀流|最強のカード構成を探す旅 ~所有のロマンと実益の狭間で~
こんにちは。 陸マイラーや旅行好きにとっての永遠のテーマ、それは「ANA派か? JAL派か?」。 しかし、ある領域まで達すると、その問いは無意味になります。なぜなら、「両方持てばいい(二刀流)」という結論に至るからです。
今回は、SFC(ANA上級会員)とJGC(JAL上級会員)の両方を手にした、いわゆる「紫組(赤+青)」と呼ばれる達人たち、そして独自の哲学を持つ「クレファン」たちの実例をもとに、「人生を豊かにする最強のカード構成」を考察します。
マイル還元率の計算に疲れた方こそ、ぜひ読んでみてください。そこには「数字」を超えた「美学」がありました。
1. 達人たちの「カードデッキ」実例集
まずは、それぞれ全く異なるアプローチで「最適解」を導き出した4名の先輩ユーザーの構成を見てみましょう。
photo さん| 数々の名カードを経て辿り着いた「実利と補完」
<現在の構成>
メイン: ANAワイドゴールド
サブ(予備): JAL・JCBプラチナ
<解約した過去のカード>
<分析> photo さんの構成の凄みは、「これら名だたるゴールド・ダイナース級カードをすべて解約した上で、現在の2枚に絞った」という点にあります。 特に約3年利用したアメックス・ゴールドについては、「T&E(トラベル&エンターテイメント)カードとしてライフスタイルを変えるきっかけになった」「有事の神対応は有名」と評価しており、「解約後に唯一喪失感があった」と語ります。 その上で、現在はメインをANAワイドゴールドで実直に固め、サブにはJALの「プラチナ」を採用。かつてアメックス等で体験した「手厚い保険」や「サービス」を、サブカードのJCBプラチナ機能で補完するという、経験者ならではの無駄のない「守りと攻めの布陣」です。
opas さん| 豪華絢爛なラインナップからの「戦略的撤退と再構築」
<現在の構成>
保有中: JCBザ・クラス(元アメックス・プラチナから移行)
保有中: SPGアメックス(現Marriott Bonvoy アメックス・プレミアム)
保有中: ANA JCBゴールド
保有中: JAL Club-AゴールドVISA
<現在の悩みと次の一手> 一見すると、最上位の「JCBザ・クラス」に加え、航空系ゴールド2枚、ホテル系最強のSPGという「隙のない完璧な布陣」に見えます。しかし、SPGアメックス(現Marriott Bonvoy アメックス・プレミアム)の年会費は大幅に引き上げられ、ここにきて opas さんは、「維持費に見合う実益が本当に得られているのか」という点を、これまで以上にシビアに見直す局面に立っています。
実際、筆者が行ったシミュレーションでは、年間の決済額が概ね1,000万円に満たない場合、Marriott Bonvoy アメックス・プレミアムをカード構成の中核に据える合理性は、相対的に下がりやすいという結果になりました。
航空系: 関西在住でJAL優位(ハワイ・沖縄など)のため、ANAは解約検討。JALも搭乗頻度と天秤にかけ、一般カードへのランクダウンを視野に。
ホテル系: SPGは年1回の特典利用だけになっているため解約検討。代わりに日常決済(月20~30万)を集約する先として、「ヒルトン・アメックス・プレミアム」の取得を画策中。
海外用: 決済用にアメックス・グリーンが必要か検討中。
これは、ステータスカードを並べる段階を卒業し、「今の自分の生活圏(関西・ヒルトン重視)」に合わせてカードを総入れ替えする、非常に現代的で賢い「断捨離」の事例です。
ponchiguma1021 さん| 役割分担の鬼。「T&Eと遊び心」
<現在の構成>
メイン(決済): アメックス・ゴールド(月76回の決済集中)
航空系: ANAダイナースSFC & JAL JGC DC(紫組、航空券&機内販売専用)
日常の相棒: Viewスイカカード
<分析> ponchiguma1021 さんの構成は見事なまでの「適材適所」です。 食事やホテルはアメックス、飛行機はそれぞれの航空系、そして日々の雑務(電車・駅売店)はSuicaが「ホテルのポーター」のように働くと語ります。 特筆すべきは、航空系カードを使わない月でも「Edy1万円チャージ」や「携帯代引き落とし」を設定し、カードを冬眠させない工夫。さらに「ANA利用時にわざとJALカードを出して係員の反応を楽しむ(逆も然り)」というエピソードからは、カードそのものをコミュニケーションツールとして楽しむ余裕すら感じられます。
mitsu_cp9a さん| 究極の到達点。「ダブル二刀流」
<現在の構成>
エアライン: ANA SFC & JAL JGC(紫組)
ホテル: ヒルトンVISAゴールド(提携先変更により、現ヒルトンAMEXプレミアム カード) & SPGアメックス(現Marriott Bonvoy アメックス・プレミアム)
<分析> 航空系の二刀流を完成させた mitsu_cp9a さんが次に目指したのは、ホテルの二刀流。 「SPGアメックスのデザインが最もエレガント」と語るmitsu_cp9a さんは、実利だけでなく「所有する喜び」を知っています。空のステータスと陸のステータス、これらをすべて揃えた状態こそ、トラベル系カード構成の「完成形」と言えるかもしれません。
もっとも、この完成形は誰にでも無条件に成立するものではありません。Marriott Bonvoy アメックス・プレミアムを主軸に据えるには年間おおよそ1,000万円、ヒルトン・アメックス・プレミアムであれば年間300万円以上の決済が、現実的な前提条件となります。
それでもなお、この構成を選ぶという判断そのものが、mitsu_cp9a さんにとっては「旅をどう楽しみたいか」という価値観の表明なのです。
2. 「最強構成」を組むための3つの視点
達人たちの事例から見えてきた、失敗しないカード構成のポイントを整理します。
① 「試してから絞る」か「最初から実利か」
photo さんのように、一度はダイナースやアメックスの「世界観」を知った上で、自分に必要な機能だけを残す(ANAゴールド+JALプラチナ)方法は、結果として後悔のない構成になります。逆にopas さんのように、ライフステージの変化(住居や旅行先)に合わせて、容赦なく「豪華カード」を解約・入れ替えできる決断力も必要です。
② メインカードは「決済」か「T&E」かで決める
ponchiguma1021 さんんのように「アメックスでT&E(ダイニング・ホテル)を楽しむ」のか、opas さんのように「ヒルトンで無料宿泊を狙う」のか。 航空系カード(ANA/JAL)はマイルこそ貯まりますが、「旅の道中(食事やホテル)」の特典は弱い傾向にあります。 人生を豊かにするのは、実は航空系以外のカード(アメックス、ダイナース、ホテル系、JCBザ・クラス等)かもしれません。
③ 海外旅行保険と「サブカード」の役割
二刀流の最大の敵は「年会費」です。しかし、安易に一般カードにすると、今度は「海外旅行保険」が手薄になります。 opas さんが質問していた「海外ショッピング用にアメックス・グリーンを持つべきか?」という悩みもここに通じます。
photo さんの解: サブカードをJAL・JCBプラチナにして保険をカバーする。
ponchiguma1021 さんの解: アメックス・ゴールドの盤石な保険に頼る。
3. 結論:パズルを解く時間は、旅の始まりである
「年会費を圧縮しつつ、ステータスは維持したい」 「マイルも貯めたいけれど、ホテルのアップグレードも捨てがたい」
あちらを立てればこちらが立たず。このジレンマに悩み、Excelとにらめっこしながらカードの取捨選択をしている時間。 実はこれこそが、実際に旅行に行くのと同じくらい楽しい時間なのではないでしょうか。
ponchiguma1021 さんがViewカードを「ホテルのポーター」と呼んだように、mitsu_cp9a さんがSPGアメックスを「エレガント」と愛でるように。 単なる決済手段ではなく、「自分の旅を支える愛すべき相棒たち」としてカードを選んでみてください。
さて、あなたの財布の中の「最強の布陣」、次はどう入れ替えますか?
