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特典航空券派なら「ANAカード」は不要?UAマイル一本化の損益分岐点

前回の記事では、ANAカード(SFC含む)を維持しながら、決済用としてMileagePlusカードを追加する「二刀流戦略」について解説しました。

しかし、ここで一つの疑問が浮かびます。 「もし、自分がお金で航空券を買わず、マイル(特典航空券)でしか飛行機に乗らないとしたら、そもそもANAカードを持つ意味はあるのか?」

ANAカードを持つ最大のメリットは「航空券購入時のボーナスマイル」ですが、特典航空券利用者はこの恩恵を受けられません。残るメリットは「毎年の継続ボーナス(1,000〜2,000マイル)」のみです。 それならば、年会費のかかるANAカードを解約し、「MileagePlus JCBカード一本」に集約した方が合理的ではないでしょうか。

今回は、ANAカードを解約して「UAマイル一本化」する場合の損益分岐点を検証します。


序章:戦いの前提条件

比較するのは以下の2パターンです。

  1. ANA JCBカードのみ保有(従来のスタイル)

    • 日常決済:1.0%還元

    • メリット:毎年の継続ボーナス(一般1,000マイル / ゴールド2,000マイル)

  2. MileagePlus JCBカードのみ保有(一本化スタイル)

    • 日常決済:一般1.5%相当 / ゴールド2.25%相当(ANAマイル実質換算:例えば、一般カードの基本還元率は1.0%ですが、UAマイルの実質価値(ANAマイルの1.5倍)を考慮すると、「実質還元率 1.5%」相当となります)

    • メリット:還元率が高い

    • デメリット:継続ボーナスがない

ここでも「1 UAマイル = 1.5 ANAマイル」という実質価値のレート(繁忙期基準)を適用します。また、マイルの金銭的価値は「1マイル=1.5円(特典航空券の最低ライン)」と「1マイル=2.0円(少し上手く使えた場合やアジア圏のエコノミークラス)」の2パターンで計算します。

ラウンド1:一般カード対決「年会費も還元率もMPの圧勝」

まずは一般カードクラスでの比較です。

コストとリターンの比較

  • ANA JCB 一般(10マイルコース):

    • 年会費合計:カード年会費2,200円+ 10マイルコース移行手数料5,500円=7,700円 ※標準の「5マイルコース(還元率0.5%)」では勝負にならないため、還元率1.0%を出せる「10マイルコース」への加入を必須条件としています。

    • 実質還元率:1.0%

  • MileagePlus JCB 一般:

    • 年会費:5,500円

    • 実質還元率:1.5%(1.0% × 1.5倍)

損益分岐点の計算 ANAカードには「継続ボーナス1,000マイル」があるため、実質コストは下がります。これを考慮して比較します。

パターン①:1マイル=1.5円と仮定

  • ANA実質コスト:7,700円 - 1,500円(1,000マイル分) = 6,200円

  • MileagePlus実質コスト:5,500円(ボーナスなし)

  • 結果: MileagePlusの方が コストが700円安く、還元率も0.5%高い

パターン②:1マイル=2.0円と仮定

  • ANA実質コスト:7,700円 - 2,000円(1,000マイル分) = 5,700円

  • MileagePlus実質コスト:5,500円(ボーナスなし)

  • 結果: MileagePlusの方が コストが200円安く、還元率も0.5%高い

結論:損益分岐点は存在しない(常にMileagePlusがお得) 驚くべきことに、ANAカードの継続ボーナスを考慮しても、MileagePlusの方が「実質コスト」で安くなります。 その上で、日常決済の還元率は「1.0% vs 1.5%」でMileagePlusが圧倒しています。

つまり、特典航空券でしか乗らないのであれば、決済額が0円でも100万円でも、常にMileagePlus JCBカード一本にした方がお得です。ANA一般カードを持ち続ける経済的理由は見当たりません。

ラウンド2:ゴールドカード対決「継続ボーナス vs 高還元率」

次に、メインカードとして使うゴールドカード対決です。 ANAゴールドカードは「継続ボーナス2,000マイル」が大きいため、実質コストは下がります。これをMileagePlusの高還元で覆せるかが焦点です。

比較スペック

  • ANA JCB ゴールド:

    • 年会費:15,400円

    • 実質還元率:1.0%

    • 継続ボーナス:2,000マイル

  • MileagePlus JCB ゴールド:

    • 年会費:21,450円

    • 実質還元率:2.25%(1.5% × 1.5倍)

    • 継続ボーナス:なし

損益分岐点の計算 MileagePlusの方が年会費が高いため、この「コスト差」を「還元率の差(1.25%)」でいつ回収できるか計算します。

パターン①:1マイル=1.5円と仮定

  • ANA実質コスト:15,400円 - 3,000円(2,000マイル分)= 12,400円

  • MileagePlus実質コスト:21,450円

  • コスト差:9,050円

  • 計算式:9,050円 ÷ 1.5円 ÷ 1.25% = 約48万3,000円

パターン②:1マイル=2.0円と仮定

  • ANA実質コスト:15,400円 - 4,000円(2,000マイル分)= 11,400円

  • MileagePlus実質コスト:21,450円

  • コスト差:10,050円

  • 計算式:10,050円 ÷ 2.0円 ÷ 1.25% = 402,000円

結論:年間決済40万円〜48万円以上なら一本化すべき マイルの価値をどう見積もっても、年間40万円〜50万円(月額3〜4万円)以上決済するなら、ANAカードの継続ボーナスを捨ててでも、MileagePlusの高還元を取りに行った方がトータルではプラスになります。

ゴールドカードを持つ層で年40万円を使わないケースは稀でしょうから、実質的には「MileagePlus JCBゴールド一本化」が正解となります。

重要な注意点:ANAカードを解約してはいけない人

計算上は「一本化」が圧倒的に有利ですが、絶対にANAカードを解約してはいけないケースが2つあります。

1. SFC(スーパーフライヤーズ)会員の方 ANAカードを解約すると、SFCの資格も永久に失われます。SFCは「お金で買えない価値」があるため、損得勘定抜きで維持し続けるべきです。この場合は、前回の記事で紹介した「二刀流(SFCは死蔵、決済はMileagePlus)」が最適解です。

2. フライトマイルを貯める機会がある方 今回の検証は「特典航空券でしか乗らない」という前提です。もし、会社の出張などで「有償でANAに乗る」機会があるなら、ANAカード保有による「搭乗ボーナスマイル(区間マイル+25%など)」は無視できない大きさになります。

総合まとめ:特典航空券派の「脱・ANAカード」宣言

SFC会員でなく、かつ出張族でもない「純粋な陸マイラー(特典航空券派)」の皆様。 今回の検証結果は以下の通りです。

  • 一般カード派: 今すぐANAカードを解約し、MileagePlus JCB 一般カードに切り替えるべき。コスト減&マイル増の「完全勝利」です。

  • ゴールドカード派: 年間40万円以上使うなら、ANAカードを解約し、MileagePlus JCB ゴールドカードに切り替えるべき。

「ANAに乗るならANAカードが必要」という思い込みを捨て、「ANAに乗るために、UAマイルを貯める」というスタイルへ。 これこそが、維持費を極限まで削ぎ落とし、最大のフライト回数を手に入れるための「究極の断捨離」と言えるでしょう。

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