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ANAカード持ちのための「UAマイルカード」追加戦略 ~損益分岐点はどこ?~

ANAカード(一般・ゴールド・SFC含む)をお持ちの皆様。 カードの年会費を「継続ボーナス」や「SFC維持」のための必要経費として割り切っているものの、「日々の決済で貯まるマイルは、本当にお得なのだろうか?」と疑問に思ったことはありませんか?

以前、ANA国内線特典航空券の発券において「ユナイテッド航空(UA)マイル」が、本家ANAマイルよりも実質価値が高いことを解説しました。

今回は、すでにANAカード(JCBゴールド または JCB一般)をお持ちの方が、「MileagePlus JCBカード」を“2枚目”として追加発行すべきかどうか、その損益分岐点を計算しました。


序章:すべての計算の根拠「1.5倍の魔法」とは?

まず、今回の検証における最も重要なルール「なぜUAマイルがANAマイルの1.5倍の価値を持つのか」について、実際の発券例を用いて解説します。

なお、UAマイルを使った発券の仕組みやメリットの詳細については、以下の別記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

では、なぜ「1.5倍」なのか、その計算根拠をおさらいしましょう。

具体例1:東京 – 大阪(約250マイル)の場合

  • ANAマイル:6,000~9,000マイル(シーズン変動あり)

  • UAマイル:6,000マイル(シーズン変動なし) ハイシーズンにおいては、ANAだと9,000マイル必要な座席が、UAなら6,000マイルで取れます。つまり、「1 UAマイル = 1.5 ANAマイル(9,000÷6,000)」の価値を発揮します。

具体例2:東京 – 那覇(約995マイル)の場合

  • ANAマイル:8,000~13,000マイル

  • UAマイル:8,800マイル こちらもハイシーズンで比較すると、ANAの13,000マイルに対してUAは8,800マイルで済みます。計算すると約1.47倍となり、やはり約1.5倍の価値があると言えます。

このように、特にマイルを使う価値が高い「繁忙期」を基準にすると、「1 UAマイルには、1.5 ANAマイル分の実質価値がある」と定義できます。この前提をもとに、以下の損益分岐点を計算します。

パターン1:プラス1枚に「MileagePlus JCB 一般カード」を選ぶ場合

まずは、年会費5,500円のMileagePlus JCB一般カードを追加する場合です。 このカードの基本還元率は1.0%ですが、UAマイルの実質価値(1.5倍)を考慮すると、「実質還元率 1.5%」相当となります。

お手持ちのANAカードとの性能比較(ANAマイル換算)

  • 日常決済: MileagePlus(1.5%) vs ANA(1.0%) → MileagePlusが0.5%有利

  • ANA航空券・ANAマイルプラス加盟店決済: MileagePlus(1.5%) vs ANA(2.0%) → ANAが0.5%有利

損益分岐点のロジック このカードを追加すると、スーパーやコンビニなどの「日常決済」では0.5%得をしますが、出張などの「ANA航空券購入」や還元率が2.0%の「ANAマイルプラス加盟店」ではANAを使うより0.5%損をします。 年会費5,500円の元を取るには、「日常決済でのプラス分」が「航空券決済でのマイナス分 + 年会費」を上回らなければなりません。

得する幅も損する幅も同じ「0.5%」なので、シンプルに「日常決済額が、航空券購入額よりどれだけ多いか(差額)」で計算できます。

損益分岐点の計算1マイル=1.5円の価値と仮定:特典航空券の最低ライン)

  • 計算式:5,500円 ÷ 1.5円 ÷ 0.5% = 約73万3,333円

  • 結論: 「日常決済額」が「ANA航空券購入額・ANAマイルプラス加盟店決済額」より 約74万円以上 多いこと

    • 意味:例えばANA航空券を年10万円買う人なら、日常決済で84万円以上使えば、差額が74万円となり元が取れます。

損益分岐点の計算1マイル=2.0円の価値と仮定:少し上手く使えた場合やアジア圏のエコノミークラス

  • 計算式:5,500円 ÷ 2.0円 ÷ 0.5% = 550,000円

  • 結論: 「日常決済額」が「ANA航空券購入額・ANAマイルプラス加盟店決済額」より 55万円以上 多いこと

    • 意味:例えばANA航空券を年10万円買う人なら、日常決済で65万円以上使えば元が取れます。

判定:ライトユーザー向け 日常の買い物は多いけれど、有償でANAのチケットを買うのは帰省の時くらい(年数万円~十数万円)という方であれば、このカードを追加する価値は十分にあります。

パターン2:プラス1枚に「MileagePlus JCB ゴールドカード」を選ぶ場合

次に、年会費21,450円のMileagePlus JCBゴールドカードを追加する場合です。

なぜ「2.25%」になるのか? このカードの基本還元率は「1.5%(100円=1.5 UAマイル)」です。 しかし、冒頭で確認した通り、1 UAマイルは1.5 ANAマイル相当の価値があります。

  • 計算式:1.5(カードの基本還元率)× 1.5(マイルの価値倍率)= 2.25 つまり、このカードで決済することは、「ANAマイルを2.25%還元で貯める」のと同じ破壊力を持つのです。

お手持ちのANAカードとの性能比較(ANAマイル換算)

  • 日常決済: MileagePlus(2.25%) vs ANA(1.0%) → MileagePlusが1.25%有利

  • ANA航空券・ANAマイルプラス加盟店決済: MileagePlus(2.25%) vs ANA(2.0%) → MileagePlusが0.25%有利

損益分岐点のロジック ここが驚くべき点です。日常決済で圧倒的に有利なのはもちろん、本家ANAカードの得意分野である「ANA航空券・ANAマイルプラス加盟店 決済」においてさえ、実質還元率で上回ってしまいます(2.25% > 2.0%)。 つまり、どんなに使ってもANAカードより損をする場面がありません。

では、どこで年会費21,450円の元を取るべきでしょうか?

【検証】ANA航空券・ANAマイルプラス加盟店決済「のみ」で元を取る場合(非現実的) 航空券決済における差益は「0.25%(2.25%-2.0%)」しかありません。このわずかな差で元を取ろうとすると、年間約400万〜500万円以上の航空券購入が必要となり、現実的ではありません。

【検証】日常決済「のみ」で元を取る場合(現実的) 日常決済における差益は「1.25%(2.25%-1.0%)」と非常に大きくなります。 ここでは、最も効率よく元が取れる「日常決済のみ」で計算した損益分岐点を算出します。

損益分岐点の計算(1マイル=1.5円の価値と仮定)

  • 計算式:21,450円 ÷ 1.5円 ÷ 1.25%(日常決済の差) = 1,144,000円

  • 結論: 年間決済額が 約115万円(月額 約9.6万円)以上であること

損益分岐点の計算(1マイル=2.0円の価値と仮定)

  • 計算式:21,450円 ÷ 2.0円 ÷ 1.25%(日常決済の差) = 858,000円

  • 結論: 年間決済額が 約86万円(月額 約7.2万円)以上であること

判定:メインカード利用者向け 月7万~10万円ほどカードを使う方であれば、ANAカードで決済するよりも、2万円払ってこのゴールドカードを使った方が、トータルで得られる「特典航空券の回数」は増えます。 損益分岐点は決して高くありません。メインカードとして使うなら、確実に元が取れる計算です。

総合まとめ:ANAカード持ちの「二刀流」最適解

すでにANAカード(SFC含む)をお持ちの方が、UAマイルカードを追加すべきかの判断基準は以下の通りです。

1. 年間決済額が115万円(月10万円)を超える方 迷わず「MileagePlus JCB ゴールドカード」を追加してください。 既存のANAカードは「継続・搭乗ボーナス」や「SFC維持」のために保持し、支払いはすべてこのカードに集約すべきです。ANAカードで決済し続けることは、実質的なマイル獲得機会を捨てているのと同じです。

2. 決済額はそこそこ(年55万以上)だが、ANA航空券はあまり買わない方 「MileagePlus JCB 一般カード」を追加してください。 低コストで日常決済の実質還元率を1.5倍に引き上げることができます。「普段はスーパーやネット通販が中心」という陸マイラーには最適解です。

3. 上記の決済額に届かない、またはANA航空券購入額が極端に多い方 追加不要です。 今のままANAカードを使い倒すのが最も経済的です。

ANAカードという「継続・搭乗ボーナスの恩恵」を維持しながら、決済ではMileagePlusで「最強の実利」を取りに行く。 この使い分けこそが、現代のANAマイラーにおける賢い戦略と言えるかもしれません。

関連記事:再考|ANA国内線における「ユナイテッド航空(UA)マイル」の価値 ~本当に常に1.5倍お得なのか?~

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