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【小説】疲れたSS(スクリーンショット)SIerは世界を救えるのか?#3

第3話目ではありますが、大体こんな感じのストーリーです。
もしよろしければこちらの歌をお聴きになりながら読んでみてください。
※音量ご注意ください!

作りかけの世界

窓から差し込む光がまぶしく、鳥が「ぽーぽー、ぽっぽー」とうるさく鳴いているので目が覚めた。昨日の疲れもあり私はベッドの中でしばらくまどろむ。天井を見る。見たことがない模様だ。
「知らない天井」
ぼそっと私はつぶやく。

ふと視界の端にメッセージボックスが浮かんでいるのが見える。私はそこに視点を合わせた。
「やっほー、神様じゃぞ。異世界1日目はどうじゃったかの?困ってはおらんか?それはそうと、早速のバグ報告、助かったぞい。また何かバグを見つけたら報告してくれのー」
眠気のなかでみた軽いメッセージに私は若干げんなりする。
「神様、、、かっる。。。」
メッセージウィンドウを軽くタップすると「返信」というボックスが現れたので私は「はいはい」とだけ返してベッドを抜け出た。

ベッドをでて、下に降りていくと、ライラさんはすでに起きていた。テーブルには見知らぬ人が一人。はて?といった顔をしていたのだろう。朝の挨拶とともに、ライラさんが声をかけてくれた。
「おはよう、エリー。昨夜は良く寝れた?こちらはボブ。村の万屋さんなの。たまに南の町に買い出しに行っているんだけど、今日エリーと一緒に町へ行ってもらえないか聞いていたところなの。」
とライラさん。めっちゃ優しい。

「おはようございます。ライラさん、ボブさん。」
私があいさつすると、ボブさんも返してくれた。
「おはようございます。エリーさん。お仲間とはぐれてしまったとか、大変でしたね。私は2,3日後に南の町へ行予定だったんですが、もしよろしければ今日ご一緒しますよ。」
と優しくも言ってくれた。私はこの提案に甘えさせていただくことにした。何しろまだこの世界のことをよく知らないのだ。
「本当ですか?助かります。ぜひお願いします。」
私がお願いすると、ボブさんは「うんうん」とでもいうようにうなずいている。

話がまとまった後は、ボブさんはいったん帰宅して町へ行く準備。私も朝食を食べて準備して、後で村の入り口で合流という手はずになった。

ライラさんが作ってくれた朝食は、ベーコンエッグのようなものに、ミルクのようなもの、全粒粉のパン。という感じのものだった。私はありがたくいただいた。ベーコンエッグの脂身が体にしみる。
朝ごはんが終わると、なんとライラさんはお弁当をくれた。
「これ、大したものじゃないけど、途中でおなかがすいたら食べなさい。」
中身は、全粒粉のパンと、干し肉のようだ。
「ありがとうございます。助かります。」
と言って私は受け取った。

一宿一飯の恩とは言ったものだ。ライラさんの家を出るころには、すっかりライラさんのことを家族のように感じるようになっていた。私はちょっと目の端に涙をためながらライラさんに挨拶をした。
「昨日は、いきなりきたにもかかわらず、泊めていただいてありがとうございました。助かりました。また絶対この村に来ますね。」
「いいのよ、気をつけて帰りなさい。」
家の前でずっと見送ってくれているライラさん。私は何度も振り返りながら、村の入り口へと向かった。

村の入り口に到着すると、荷馬車をひいたボブさんがいた。
「お、エリーさん、来たな。早速馬車に乗りな。」
そういって後ろの席を進めてくれた。でも私は、「外の空気が吸いたいから」と御者席の隣に座らせてもらった。
「わかりました、大丈夫です。それでは出発しましょう。」
そういうと、馬に鞭を入れて馬車を走らせ始めた。

馬車がゆっくりと村を離れる。昼前の光が木々の隙間からこぼれ、砂利道に反射していた。馬車が森の中に入り、より一層濃い緑のにおいがした。

馬車に揺られながら、私はこっそり昨日覚えた新しいスキルを使ってみることにした。
「ゴッズアイ(IT管理者(初級))」
と小声でつぶやく。
すると、ボブさんのステータスらしきものが浮かび上がってきた。

ステータス
名前:ボブ(ロバート)
レベル:13
職業:万屋店主
クラス:ヒューマン
属性:商人、村人、男性

どうやら、ゴッズアイ(IT管理者(初級))では、簡単なステータスが見えるらしい。レベル13ということは、私よりもかなり強いのだろう。そう思うと安心してきた。私はじっくりとこの馬車の旅を楽しむこととする。

聞くところによると、村から町へは馬車で4時間ほど。ゆらゆら揺れていると、何度かスライムに遭遇した。ボブさんはやはり強く、スライムが群れで現れたとしても難なく倒すことができた。スライムとの戦闘の中で、ボブさんやスライムからいくつかスキルを覚えさせてもらった。

剣技:スラッシュ(初級) (気を込めて剣を横に一閃。敵を攻撃する。小ダメージ)
剣技:スピアー(初級) (気を吐きながら剣を突き出し敵を攻撃。小ダメージ)
回復粘液(弱):粘液で傷を即座にふさぎ出血を止める。ただし、傷が治るわけではない。
分裂(初級):粘液のようなもので、自分のそっくりさんを作り出す。(本当に分裂するわけではない)

もっとも、剣を持ってないので剣技は使えないのだけど・・・
慣れないスライムとの戦いですっ転んだりするもんだから、膝小僧に回復粘液をかけてみたり。
スキルレベルを上げるために、分裂を使って、馬車の荷台に分身を作ってみたり。
しかしこれ、馬車の荷台に沢山人を積んでるようにも見えるから、知らない人が見たら、人身売買でもしてるのか?って思うかもなぁ・・・

そうこうしているうちに町に到着した。
ボブさんは町の入り口で、門番をしているらしき人と話している。
時折門番らしき人がチラリチラリとこちらを見てくる。
もう少し話が続きそうだ。
私は暇つぶしに今の自分のステータスを確認してみることにした。
「ステータス」

ステータス
名前:エリー(藤澤 若葉)
レベル:4
称号:中二病(重症)(最初のタイトル)
職業:SIer
生命力:25 / 25
魔力:22 / 22
力:4(+2)
体力:9
素早さ:5(+2)
知恵:4(+5)
運:1
経験値:134 / 150
スキル:SS(スクリーンショット) Lv4 136 / 150
    酸(中)(ダークアシッド(中二病)) Lv5 182 / 300
    熱湯(中) Lv5 177 / 300
    回復粘液(弱) Lv3 66 / 70
    分裂(初級) Lv2 21 / 30
    剣技:スラッシュ(初級) Lv1 0 / 10
    剣技:スピアー(初級) Lv1 0 / 10
    すり抜け(初級) Lv2 13 / 30
    IT管理者(初級)(ゴッズアイ(中二病)) Lv3 68 / 70

攻撃力:3
防御力:7

武器:なにも装備していない
頭:異世界のヘアゴム
体:異世界の服
足:異世界のスカート
靴:異世界の靴

スキルを中心に大分成長してきた。と思う。熱湯は意外と便利で、白湯程度のお湯がいつでも出せるので、飲み水代わりに飲んでいる。また、熱湯(中)にスキルレベルが上がったためか、60℃程度のお湯が出せるようになった。湯加減は調整可能である。

ボブさんと兵士さんはまだ話しているようなので、「町」の情報を確認してみる。
「ゴッズアイ」

ステータス
名前:ナージャの町
人口:3011人
クラス:町
属性:商業都市、農業都市、低犯罪率
残チケット数:12件

「ざ、残チケット?」
私は見慣れた単語に思わずずっこける。
「まさか、この街には、バグが12個ある。とか?まさかね。ハハハ。。。」

などとひきつった顔で乾いた笑みを作っていると、ボブさんが戻ってきた。
「守衛さんにも話をしたから、中に行きましょう。」
というと、私たちは馬車ごと町の中へ入っていった。

ここはまだ町の中心地から遠いせいか、家もまばらである。また、その家も農家が多いようだ。家よりも農地のほうが多い。牛や馬もまばらに牧草の上にいたりして、独特の獣臭が漂ってきたりする。畑で育っている農作物は麦のようだ。まだ頭を垂れるほど穂は大きくなっていないようだ。

程なく郊外の庭が広い建物に近づいたかと思うと、ボブさんは馬車を止めた。2階建ての建物で、1階は数部屋と、食事をとるための酒場のようなスペース。2階には、全部で10部屋ほどありそうな宿だ。建物の横に馬車を止めるスペース。裏手のほうに、馬を休ませる厩舎があるようだ。

「ここが、私の定宿です。私はここに馬車を止めて、部屋を取った後、買い付けに向かいますが、エリーさんはどうします?」
とボブさん。
唐突な質問に考えを巡らせていると、何を勘違いしたのか、
「そうですね、仲間とはぐれてしまったんですよね。私が二部屋とるので、エリーさんもここに泊まるといいですよ。」
と優しくも提案してくれた。

宿屋で受付を済ませると、受付の人が部屋の鍵を手渡してくれた。私たちの部屋は2階らしい。受付の後ろにある食事処件酒場からは何やら食べ物のいいにおいが漂ってくるのが気になりながらも、受付の右手にある階段を上って各自の部屋へと移動する。

ドアの前まで来たところで、ボブさんが声をかけてきた。
「さっきも言った通り、私はこの後仕入れに行ってきますが、エリーはどうします?もし予定が無いようなら、6時ころにまた落ち合って、ご飯でも一緒にどうですか?」
と、とことん優しいボブさん。私はありがたく提案を受け入れることにする。
「助かります。私もはぐれてしまった友達を探しに町に行ってこようと思います。」
「わかりました、気を付けていってきてください。では、またあとで」
と言葉を交わし、各自部屋に入る。

部屋に入ると私はふーっと息をついた。とりあえず何か手掛かりを探すために町に繰り出そうとは思う。部屋に置く荷物らしきものも持っていないので、私はそのまま部屋を出て町へと繰り出した。

町の中心地に行くと、まばらにお店らしきものも見えてきた。洋服屋さん、八百屋さん、武器屋に防具屋、怪しげな呪術道具を売るお店、お土産屋さんに飲食店、食べ物の屋台など、一通りのお店がそろっているようだった。
町を行きかう人がそれなりにあり、お店もにぎわっているようだった。
屋台で肉の串焼きなぞを買って食べながら歩いている親子などもいる。
飲食店からはリュートを弾きながら英雄譚を語る詩人の歌も聞こえてくる。

そんな中、表通りから一本裏手に入り、私はぎょっとした。
その一角は地面が真っ黒だった。正確には真っ黒というよりも何もない?
その周りを行きかう人はまったく気になっていないようだが、これは明らかにおかしい。
私はとりあえず、スクリーンショットを取ってみた。
「スクリーンショット」
するとピロリンという音とともにトーストメッセージが出てきた。
「クエストが発生しました。」

クエスト名:納期に追われる開発部隊は一本奥の路地まで作りこむ余裕がない。君の手でこの街を作りあげるんだ!
クレストレベル:1
報酬:銅貨100枚
クエスト遂行用特別スキル:ペースト(スクリーンショットした建物をペーストすることができます)

「えぇ~、何なのこれ?」
思わず叫ぶと、通りを歩いていた人たちがびくっとした後、まるで変な人を見るような眼をしながら足早に去っていった。。。

「作りかけの世界、ね。笑えない冗談だわ。」

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最後までお付き合いくださいましてありがとうございます!
次の話はこちらになります。もしお時間ありましたら、もう少しお付き合いください。

また、第一話はこちらになります。気に入っていただけましたら、ぜひ第一話からご確認ください!


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